ブロックチェーンは銀行業務において実用性があるのか?NEMはマレーシアの銀行に変革を?

 最終更新日2017/05/07    閲覧数1,069回   この記事は 約12分 で読めます。

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The Edge Financial Dailyというマレーシアのメディアに掲載されていたNEM関連の記事を和訳しました。

ちょっと読んでみましょう。

ブロックチェーンは銀行業務において実用性があるのか?

マレーシア国立銀行は、近い将来、金融分野のテクノロジー(フィンテック)によってもたらされる、業務の仕組みを変えてしまうような、差し迫った変化の波に対応する準備を進めています。

マレーシア国立銀行の頭取であるDatuk Muhammad Ibrahimは今年の5月に、マレーシア国立銀行は、7月までに各銀行がそれについての意見を述べられるように、フィンテックの規制の枠組みを取りまとめている最中であると発表しました。

6月になると、マレーシア国立銀行は、フィンテックの規制を行うサンドボックスの指針についての、ディスカッション・ペーパーを公表しました。これは10月に施行されました。

今、フィンテックにおいて、主な技術はブロックチェーンを中心に回っています。私たちのほとんどは、世界でもっとも成功したコンセプト・テストの一つであるビットコインについて耳にしたことはあるでしょう。

ブロックチェーンの技術とは何なのでしょうか?

まず、ブロックチェーンの技術が何であるかを詳しく考察してみます。ブロックチェーンとは、その中でトランザクションが行われたアセットのすべてを記録するデジタル台帳です。台帳とは、銀行がその内部のシステムにおいて、取引(トランザクション)情報を管理する仕組みです。

簡潔に言えば、ブロックチェーンの台帳では絶えず情報が増え続けていきます。というのは、一連のトランザクションのブロックが完成すると、それが新しい記録のまとまりと共にその台帳に追加されていくからです。ブロックはブロックチェーンに、一直線に時系列順に追加されていきます。

ブロックチェーンの技術のうちで、ユーザーが非常に魅力的と感じることとして、中央権力の必要性がないという点が挙げられます。また、ブロックチェーンが非常に安全なセキュリティのアルゴリズムを使用して、ピアツーピアによるトランザクションにおいて、抑制と均衡を保っているという点も魅力の一つです。

これは現実世界における資産のトランザクションを、中央銀行のような権力によって管理される必要なしに、デジタル世界で再構築する試みです。公共のデジタル世界では、地理的な境界は存在せず、そのため、その性質としてボーダレスなものです。そして、このようなあり方は中央銀行が望むものではありません。

ブロックチェーンの仕組みについての一例として、最近マレーシア人が経験したもっとも不名誉な出来事の一つを挙げることができるでしょう。ブロックチェーンは「身代金」の支払いに使われたのです。マルウェアが企業のサーバーに侵入して、それをロックした際に、サーバーの所有者は侵入者にアメリカドルで提示された金額を支払いました。しかし犯人はその時に、ドルではなく、それに相当する額のビットコインで支払わせたのです。

この支払方法が選ばれた理由は、それが当局により監視されておらず、合法のビットコインのトランザクションとだけ記録されているからです。

進化

ブロックチェーンの技術が進歩して、その固有の弱点を補強した今、様々なプラットフォームや実装の形態が存在しており、ブロックチェーンが主流の銀行業務において実際に使用可能であるということを証明しています。

このような、ブロックチェンーンが有用であることを証明する実装の例としては、ビットコイン、NEM、Ethereum、PeercoinそしてCordaなどがあります。

もっとも評価の高いブロックチェーンのプラットフォームの一つにNEM(ブロックチェーンのプロジェクト)があります。その開発者は、NEMはブロックチェーン固有のすべての弱点の解決に取り組み、全世界規模で非常に成功した現在も稼働中の実装の一例となったと主張します。

長所と短所

たいていのブロックチェーンの実装は、ブロックチェーンの仕組みそれ自体に着目しています。核となるコンセプトの外に出ようとすることはめったにありません。このことにより、現実のビジネスの分野での実装が、限定的なものとなってしまうのです。というのは、ブロックチェーンに調整を加える必要が出てくるからであり、逆に既存のものをブロックチェーンへ合わせるわけではないからです。

ブロックチェーンの実装はピアツーピアの性質を持っており、高い安全性を確保するための対策を講じる必要性があります。ピアツーピアには許可が必要なものと必要でないものがありますが、いずれにせよ、そこで伝達される情報だけでなく、当事者双方の完全性をも保護する、核となるアルゴリズムが必要となります。

この核となるアルゴリズムは暗号法を使用して、不正が起こったらすぐに明らかになるトランザクションのブロックにおいて、データを安全に管理・保護しています。ブロックチェーンには、プライベートなものとパブリックなものがありますが、銀行は管理上の都合からプライベート版の実装を好んでいます

ブロックチェーンの現実世界における使用は、複雑で多面的なものです。現在のブロックチェーンのproof-of-conceptは主に狭い範囲にとどまっており、銀行が実際にどのように、厳しく規制が行われているそのシステム内部に、実用的にかつ安全にブロックチェーンを導入できるかといったことを考慮していません。

ブロックチェーンの弱点克服への取り組み

あらゆるブロックチェーンの実装において、明らかになっているすべての弱点に対して、全く新しいプラットフォームの核を構築することによって取り組むことが重要となります。

デジタルエコノミーの実装を発展させるためには、proof-of-work(PoW)proof-of-stake(PoS)よりも優れたメカニズムが必要であると、一般的には認識されています。その二つが、現在多くのブロックチェーンの実装形態において、デプロイされている従来型の方法です。

PoW

PoWは、コンピューターを使って暗号通貨をマイニングすることによって達成されます。コンピューターの性能が高いほど、その結果も素晴らしいものとなります。この方法では多くの計算処理能力とマイニングのための時間が必要となります。PoWはブロックチェーンに対するあらゆる攻撃を抑止する目的で導入されています。

というのも、攻撃を行うには実現不可能なほどの計算処理リソースが必要となるからです。しかし、この方法ではいまだに、大金を使って最新のコンピューターを購入して、次々にブロックに署名をして、他の人々よりも富を得ている富裕層が優遇されています。

PoS

PoSは、その人が持つ暗号通貨の量を証明するために導入されました。この方法では大きな計算処理能力は必要となりません。より古くて大きいコインの集まりだけが、高い確率で次のブロックに署名をすることができるからです。

しかし、主要な問題は未解決のままです。より多くの資金を持つユーザーが、次々と生まれるブロックに署名できる可能性が高く、彼らが多くのブロックを手に入れるほど、彼らはさらに豊かになっていくのです。

Proof-of-importance

比較的最近のproof-of-importance(PoI)と呼ばれる技術は、上記(PoWやPoS)の弱点を解決すべく導入されました。このシステムは、アカウントの残高が多いユーザーに見返りを与えるだけでなく、ユーザーがどれほど多くのトランザクションを行ったか、誰とトランザクションを行ったかも考慮します。

そのことが意味するのは、積極的にデジタルエコノミーの利益に貢献した人、つまりは正しい行いをした人々が報われるということです。それぞれのユーザーは信頼値を与えられます。その値が高いほど、見返りを受けるチャンスも多くなります。

富の分配がはるかに公平になるというのが素晴らしい点です。貢献をすれば誰でも、さらなる通貨を手にすることができるのです。

誰にも同等の機会を与えるため、この技術は好まれています。主な目的は豊かな人々ではなく普通の人々に力を与えることです。この活動は、ノードがブロックを計算してそれをブロックチェーンに追加していくプロセスであるマイニングやハーベスティングを超えたものです。

アプリケーションをプログラムするインターフェースと、プライベート版の実装

銀行業務を行う環境で、より実用的な方法でブロックチェーンを運用するためには、既存の銀行システムと規制を、ブロックチェーンの実装形態へと組み込む能力が必要不可欠です。

銀行は自身の複雑なシステムを修正しようとは思わないでしょう。中央銀行は彼らの規制のルールが上手く編集できるように万全を期すでしょう。

中央銀行はマネーロンダリング対策のコンプライアンスを確実に遵守しなければなりませし、ブロックチェーンが使用された時に、そのコンプライアンスがどのように編集可能なのかについての見通しがついてなければなりません。

情報の流れは安全でプライベートなものでなければなりません。そのようなことから、新しいブロックチェーンの実装は、豊かな一連のAPIにより、銀行がその仕組みを変えていくフィンテックについて、自分たちが正確にそれをどのように活用して、何をしていくのかをコントロールできるようにしなければなりません。

銀行は、ブロックチェーンの使用をテストしなければなりませんが、公開して行う実装のような恐怖はありません。というのは、彼らはマイニングやハーベスティングについて心配する必要はないからです。これが銀行所有のブロックチェーンとなり、銀行業務に使われ、彼らの顧客の役に立つことになるのです。

主な懸念

世界中の銀行(そして中央銀行)の主な懸念の一つは、金融プラットフォームの完全にオープンなインターネットは、将来的には銀行なしで暗号通貨の取り扱いを行ってしまう可能性がある、ということでしょう。それによって、世界中のあらゆる種類のユーザーが、彼らが手にしている技術以外にはいかなる監視の目にも晒されることなく、トランザクションに参加することになるでしょう。

そうしたフィンテックを、様々な規制の枠組みやサンドボックスにおいて積極的に受け入れることによって、その恐怖を鎮めたいというのが中央銀行の望みです。

ビットコインは、そのコンセプトが有効であることを示しました。今日の技術の世代では、あるコンセプトをproof-of-conceptから商業化の段階へ移行するのに何十年もかかったりはしません。数年のうちに、ユーザーの需要が銀行の業務を奪い、行動の遅い銀行が何が起こったのかを理解する前に、彼らを置き去りにしてしまうでしょう。

準備の必要性

マレーシアの銀行は、ブロックチェーンや、とりわけ先進的であるNEMといったオープンな実装形態などの最新の技術に取り組んで、彼らの現在のシステムを補完するチャンスを得ました。銀行がどのようにブロックチェーンを活用することができるかは、まだ十分には分かっていません。

原文:Is blockchain technology practical for banking?
この記事は2016年の12月7日のThe Edge Financial Dailyに掲載されました。
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トレンドストリーム
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