【解説】COMSAに追加された機能、コミュニティ投票とは何なのか?
最終更新日2017/08/23 公開日2017/08/22 この記事は 約11分 で読めます。
2017年8月3日のプロジェクト発表からわずか15日目、トークンセール参加のための事前登録者が5万人を超えてしまったCOMSAですが、先日新しい機能として「コミュニティ投票」というものの追加が発表されました。
コミュニティ投票とはいったいどのようなものなのでしょう?
目次
COMSAのコミュニティ投票
コミュニティ投票とはどういうものなのか?
「意欲的且つ信用に足りるにも関わらず、トークンの購入者に対して潜在的なリスクを含有するもの」とはどういうものなのでしょうか?
8月15日にテレグラム行われた投票機能に関するディスカッションで朝山氏は次のように説明しています。
ここで僕は、わかりやすい話だと例えば…
老舗パソコンメーカーが斬新なパン屋をするためにICOで資金調達をしたい!
というような件を想像しました(笑)
パソコン製造と販売で業績を伸ばして信用に足る企業が、新規事業でまさかのパン屋w なるほどチャレンジング!しかも全商品ゼロカロリーで有意義!みたいなプロジェクト…。
そのようなICO案件が上がってきた場合に、その可否をコミュニティ投票で決めようじゃないか、というものだと理解しています。
投票権
「一定Block Height(ブロックの高さ)におけるCMSトークンの保有数」とは、例えば、2017年8月22日現在だとNEMのブロックは 1251707ブロックくらいになっています。
ある投票案件が1252000ブロックから開始されるとしたら、その時点でCMSトークンを例えば1,000なり1万なり10万CMS以上もってる人が投票権を得られる、という理解でいいと思います。
イーサリアム版CMS保有者の投票
これはたぶん、例えば10万CMS保有が条件であった場合、対象アカウントに10万CMSあたり1voteみたいな投票専用トークンが渡され、それで投票に参加するといった形ではないかと思います。
NEM版CMS保有者の投票
(COMSAホワイトペーパーRev.1.1より)
同投票モジュールを使った最初の投票企画とししてLuxtagというNEMプロジェクトの資金調達に関する投票が行われたのですが、その際はPoI投票という形で行われました。
NEMにはPoIといって、XEMの保有残高やネットワーク貢献度などからアカウントの重要度を表す数値があり、その数値が高い人(アカウント)ほど票の重みがあるようにしたものがそれです。
COMSA内での企業ICO可否のための投票が行われる場合、そのPoI投票がまるまる採用されるのか、単純に1アカウント1票とされるのかは今のところ不明です。
…と、これまでがコミュニティ投票が実施されるまでの流れになると思います。
けっこう重要だと思う投票率
投票率があまりに低いと、一部の積極的なユーザーのみの賛成票で実は大きな潜在的欠陥のある企業ICOが決定してしまうかもしれません(もちろん、投票率が高ければそれを完全に防げるかといえば違いますが)
問題のあるICO実施が決まったとしても、(最低目標数に到達しないなどで)ICOそのものが失敗してしまうかもしれませんが、もし低投票率のせいでそういった空振り案件を連発してしまうICOプラットフォームになる恐れがあるなら、CMSの価値が下がる原因になるので避けていきたいと思いますがいかがでしょうか?
集団がより正しい選択をするには、できるだけ投票率を上げた方がいいに越したことはない、僕はそう思います。
TheDAOの記憶から
分散型ファンドとして大きな期待が寄せられたプロジェクトThe DAOがハッキングされ死んでしまった件はすでに懐かしいですが、そうなってしまった原因に投票率の低さというものがありました。
プログラムに脆弱性があると確認された後、「問題が解決するまでTheDAOを停止させるか否か」のコミュニティ投票が行われました。確か賛成が優勢だったものの、最低投票率に達せずこの提案はボツになってしまったのです。
悲劇はコミュニティの無関心が招いてしまったといっても過言ではありません(DAOトークンの市場価格だけには関心あったかもしれませんが…)
さらに、プログラムの脆弱性を修正するにもコミュニティ投票が必要だったので、その準備段階のようなときにハッキングが起こってしまうという不運も重なった結果→ご臨終されました。
The DAOではコミュニティ投票を促進するための、参加メリット(インセンティブ)も、不参加デメリット(ペナルティ)もありませんでした(はず)。
多くはコミュニティの意思に委ねられていたのですが、それが良かったのか悪かったのかはちょっと難しい問題ではあります。
インセンティブは必要なのかどうか
投票率を上げるために何かしらのご褒美(インセンティブ)は必要なのでしょうか?
はい、わかりません(笑)
COMSAテレグラムでのディスカッション内容を参照しながら考えてみます。
投票によって実行が決定した企業ICOに賛成票を投じた人に何かしらインセンティブがあるなら、多くの人がよく考えず「賛成」にばかり投じてしまうのではと思いますので、それはあまりよくないかなと思います。
それだと上場ゴールならぬICOゴールのプロジェクトが蔓延してしまいかねませんね。COMSAはICOを支援するプラットフォームなので、企業がICOで資金調達できれば一定の成功なのですが、投資家としてはそれ以降の企業の成果の方が何倍も重要なのですから。
また、「ICOが決定した企業に集まった資金の幾分かを賛成票に投じた人に還元する」といった仕組みが他のプロジェクトにあるらしいですが、そういったインセンティブだと有価証券のようになる可能性があり現段階では法的にも微妙ということ。
企業ICOトークンを持っていればプロジェクトの業績などによって毎月配当が得られ、賛成票を投じた人はさらに割り増しで配当が得られる…というようなものがあればまだいいのですが、これもモロに有価証券に値すると思われるのでナシ確実でしょう。
もう純粋に企業ICOの成功を祈り、企業ICOトークンの市場価格アップに期待する「インセンティブ」しかないのではないかと思います。あくまでも現時点の話で、実は何か隠し玉があるのかもしれませんが…。
投票を促進するには…
ダイヤの原石のような企業ICOの要件が上がってきたとしても、もしかしたら投票権を有する多くのCMSホルダーは、それがどういったプロジェクトで、具体的にどうようなことを達成して、どういった形で社会貢献するものか飲み込めず、投資家利益もイメージすることができずに投票を見送る、あるいは反対票を投じることになるかもしれません。
そうなると、企業ICOへの目利きが重要になってくるでしょうか。
ICOゴールだけでなく、上場後に企業ICOトークンの市場価値が上がる可能性がいかほどのプロジェクトなのか、企業側がどこまで投資家利益を考えているのか、とかそういう目利き。
例えば、企業プロジェクトが1回開催されるだけのイベント企画だとすれば、イベントが大成功を収めたとしても企画終了後にはトークンの使い道が全くなくなり、市場価値はまたたくまに激落ちしてしまうかもしれません。
そのような簡単な見通しでも、有権者の中には見落としてしまう人がいるかもしれませんからね。
テレグラムでは、目利きスキル保持者(ICO鑑定士や一般協議員制度といった雰囲気)を中間に配置し、そういう立場の人々が呼びかけることで投票率は上がるのではないか?という意見がありました。
なるほど、そうなるとコミュニティに決定権が委ねられた、規模の小さな「スモールICO」もCOMSA内で実行可能になるのではないか?という感じで終えています。
最後に
投票率のアップと成功するICOの見極め、これらはこれから形成されていくCOMSAコミュニティ全体にかかっていると思います。
COMSAに参加する人が傍観に徹するのではなく、なるべく多くコミュニティに参加(投票だけでも)することが、企業ICOトークンの価値向上、母体となるCMSトークンの価値向上、さらにその上のXEMやETHの価値向上に確実につながっていくことは意識していきたいと思います!
著者プロフィール
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WEBデザイナー/ディレクターとしてのリーマン生活を脱却し、FX専業(兼業?)トレーダーをやりながら、MT4のEA/インジケーターの開発やFX関連情報サイトを運営していました。
今ではもう暗号通貨に絞って福岡を拠点に隠密活動しています。主にNEMをガッツリ、EthereumのDappsは趣味程度に。10年近いトレーダー経験を活かし、暗号通貨相場のテクニカル分析もやってます。
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