図解!公式Ethereum Wallet(Mist Beta 0.8.7)インストールと使い方の基本
最終更新日2016/11/25 公開日2016/09/19 この記事は 約15分 で読めます。
イーサリアム(Ethereum)の基軸通貨であるETH(イーサ/Ether)の送受信や保管、そして今後いろいろ出てくるそのDApps(分散型アプリケーション)のトークンをICO時に購入/保管/送受信できる、イーサリアム公式のPCインストール型ウォレットのインストールから基本の使い方をカンタンに説明していきます。
今後たくさんのETH系ICOが立ち上がってくる思いますが、このページの情報(トークン追加とコントラクト設定)でほとんど応用が効くと思います。
ここでは2016年11月10日現在の最新版であるEthereum Wallet and Mist Beta 0.8.7をWindows10(64bit版)で使うことを前提とします。
以下、それをMistと呼びます。
メリットとデメリット
メリット
●複数のイーサリアム系DAppsのトークンを1つのウォレットで保管/管理できる。
●投票や報酬分配機能のあるトークンを複数所有してても、投票参加や報酬受け取りなどの作業がMist一本で可能(なはず)
●制限のあるイーサリアム系ICOへの参加がちょっと優位になるかも(推測)
多言語表記
ウォレット上部メニューの「ビュー」→「Change language」から言語を切り替えることができますが、現バージョンではまだほとんど日本語対応されていません。
旧バージョンではある程度されてたので次以降のバージョンで対応するかもしれません。ただ、何かしらICOの解説とかスマートコントラクトの解説はほとんどが英語版なので、なるべく英語版でなれておいた方がいいのかなと思います。
デメリット(注意点)
●とにかく…とにかく同期(Sync)に時間がかかりまくる。
どれだけ同期に時間がかかるか?
Mistを使うには全てのブロックチェーンデータをダウンロードして同期させておく必要があります。はじめてインストールする際は同期完了まで連続で数日間はかかる覚悟が必要です。2ヵ月半ほど同期してなかったときは、同期完了まで2日半(つけっぱなし)も費やしました。
ただ、マシンスペックや接続環境によっては、最初の同期でもそこまで時間かからない場合もあります。1日とか半日とか4時間とかいろいろです。
同期はできれば前もって完了させたい
尚、同期中でもウォレット操作は可能ですが、外部からの送金は同期が完了するまで着金が残高に反映されないことを確認しました(送金は試してないです)
とくに大事なICOなどの場合は、さきに同期を少しづつでもいいので進めておいて、本番時には完結させておくほうがよさそうですが、同期完了してなくてもウォレットに表示反映されないだけなので送金は可能です。
ラップトップの熱対策
ノートパソコンで数時間~数日にわたって同期させる場合、強烈にPC温度が高くなっていきます。冷却対策は必須です。ぼくは「ELECOMのノートパソコン用冷却台 冷え冷えクーラー」を使っていますがバッチリ冷却してくれてます。
ワンポイントメモ
0.8.7ではウォレット(Ethereum Wallet.exe)は次の場所に格納
C:\Users\ユーザ名\AppData\Local\EthereumWallet\app-0.8.7
gethはココ
C:\Users\ユーザ名\AppData\Roaming\Ethereum Wallet\binaries\Geth\unpacked
gethをコマンドプロンプトから動かす場合は、次でやると早い
コマンドプロンプトを起動し、
と入力してEnter、
geth --fast --cache=512 console
(512MBから2GBが推奨範囲)
と入力してEnter
参考:http://jpbitcoin.com/bitcoin2/ethereumのコメント欄
@TrendStream 公式では、以下の構文でした。
$ geth --fast --cache=512 console
で、recommend the 512MB - 2GB range.でした。— 水無 凛@#みなりん* (@mizunashi) September 28, 2016
同期が全く進まない!おかしい!失敗してるじゃねえか!とか、めっちゃ遅い!という場合
コマンドプロンプトを起動し、次の流れでチェーンデータ削除からの再同期
と入力してEnter、
geth removedbと入力してEnter → Revemo local databases [y/N]と出るので → yと入力してEnter → geth upgradedbと入力してEnter
実際、めっちゃ遅くなった場合は最初っからやり直した方が早かったことあります。
参考:Ethereumのgethで同期失敗(Synchronisation failed)への対処方法
昨日のアタックからどうもにもこうにも、嫌がらせ感が…
geth removedb からの geth upgradedbで正常になりました。 https://t.co/ufNeav6YV1— ふーさん (@chubchubkun) September 23, 2016
Windowsアップデートにより同期が強制終了させられる!
状況により、Mist同期がその時とバッティングすると悲しい思いをすることに…。
Windows10のWindows Update動作を自分で選択する方法
(ただしWindows10 Homeは無理、2016.7の情報)
インターネット時刻サーバーと時刻が同期できてないとMist同期しない
gethではこういう風に出て一切同期してくれなくなるので…、
I0710 13:00:39.456613 p2p/discover/ntp.go:60] Please enable network time synchro nisation in system settings
I0710 13:00:39.456613 p2p/discover/ntp.go:61] ----------------------------------
こちらのページのインターネット時刻設定からtime.windows.comの時刻と同期させると、Mistの同期も動き出しました。
「スタート」→「設定」→「時刻と言語」→「日付と時刻」→「別のタイムゾーンの時計を追加する」→「インターネット時刻」→「設定の変更」より
では、
インストール編
まずこちらのサイトから圧縮ファイルをダウンロードします。
Windows10の64bit版なのでEthereum-Wallet-win64-0-8-7.exeになります。※画像は前のヤツ。
Ethereum-Wallet-win64-0-8-7.exeをダブルクリックするとインストール開始です。インストール完了後、(0.8.4からは)デスクトップにショートカットができてると思います。
これが出た場合、プライベートネットワークはもちろんチェックですが、パブリックネットワークでも使うようであれば(非推奨)そちらにもチェックし、「アクセスを許可する」とします。
テストネットとメインネットとありますが、メインネットを選択します。
ETHプレセールに参加してた人用のやつです。無視してSKIPします。
新しくパスワードを設定します。送金時などに都度必要な大事なものです。
入力したらNEXTへ。
準備完了、NEXTへ。
LAUNCH APPLICATION!へ、ここから地獄の同期タイム入りとなりますよ。
この画面だけでもけっこう時間がかかる時があります。
もし1-2時間してもこのままなら、LAUNCH APPLICATIONでウォレットを開いて終了→再起動でやり直すといいかもしれません。
同期地獄へようこそ
ブロックダウンロード中の模様です。ここから数日かかります…。LAUNCH APPLICATIONからウォレット起動可能で、同期も継続して行われます。
丸数日間もつけっぱなしが物理的とか精神的とか教育的に無理であれば、毎日少しづつでも同期を進めてるといいと思います。
無事に同期が完了したら、またお会いしましょう。
続きです。
基本の使い方編
同期が終わればウォレットが立ち上がります。
LAUNCH APPLICATIONをクリックでも同じです。
あなたの最初のアカウント
同期中の場合は、画像のこの辺にメーターが出ています。これ以降は、とりあえず同期が無事に完了したことを前提とします。
メインアカウントがあなたの最初のアカウント。残高は当然0です。ETHERの文字からプルダウンでドル建て等に換算表示させることもできます。
では、メインアカウントに移動してみましょう。アカウントは追加できますが、ここでは解説しません。
メインアカウントの名前は自由に変更できます。「Saif」という名前にしてみました。
このアカウントのアドレスがありますね。取引所などからこのアドレスあてにETHを送っておきましょう。
右側のメニューをちょっと確認しておきます。一番上はトークン送信ですが後回しにします。二番目のメニューではShapeShiftと連携して他の仮想通貨との交換ができます。
次のメニューはクレジットカードでETHを買うためのもの。但し、今はアメリカだけ。
次のメニューはこのアカウントのアドレスをコピーするためのもの。手動でなぞるよりは正確だと思います。
最後のメニューはQRコードを表示させます。スマホのQRリーダーでこのアカウントのアドレスを読み込むことができます。
ETHを送ってみる
上部メニューより「SEND」に移動します。
FROMに送信元のこのアカウントのアドレスが表記されます。TOには送り先アドレスを入力しましょう。AMOUNTに送るETHの量を入力します。
その右の送信する通貨の残高の部分は、このアカウントにETH以外のETH系トークンが保管されていれば選択肢として出てきますよ。送信量に問題なければ下にスクロールします。
手数料を設定します。その量によって処理速度が変わるようですね。
真ん中だと30秒くらい。
最小だと数分以上で、
最大にすると数秒程度。
問題がなければ「SEND」へ。まだ送金されませんよ。
ここで最終確認です。
パスワードを入力して「SEND TRANSACTION」でトークンの送信手続き完了です。
(画面は0.8.2のものです)
はじめはごく少額でテスト送金するのをオススメします!
トークンを設定する
ICOで新しいトークンを買ったり、新しいトークンを送ってもらったとしても、このままではまだウォレットに表示されません。
コントラクトを設定することでそれが表示されます。
上のメニューから「CONTRACTS」に移動します。
一番下までスクロールダウンし、CUSTOM TOKENSの「WATCH TOKEN」を選択すると、
ポップアップで次の画面が出てきます。
TOKEN CONTRACT ADDRESSに対象トークンのアドレスを入力すると、それ以下の情報が出てきます(古いバージョンではそれらも手動入力でした)
正しければOKしましょう。追加したトークンとあなたの残高が表示されていると思います。
(トークンの)コントラクトを見る
この設定をすることで、トークンの現時点での総発行数が確認できたり、投票に参加したり、リワード(分配報酬等)を受け取ったり、リファンド(投資撤回)などが出来るようになります。
CONTRACTSの画面のCUSTOM CONTRACTSから「WATCH CONTRACT」を選択すると、
ポップアップで次の画面が出てきます。
コントラクト名とコントラクトアドレスを入力し、JSONインターフェイスというプログラムのコードをコピペしてOKをすると完了です。
追加したコントラクトが表示されていると思います。そこからコントラクトの詳細な情報を見ることができます。
バックアップ
これは忘れてはなりません。資産を自己責任で守るための必須作業です。
画面上部メニューの「アカウント(Accounts)」より「バックアップ(Backup)」→「アカウント(Accounts)」を選択すると、
次の場所が参照されますので、keystoneの中にあるファイルをどこか別の場所に保管しておきましょう。
PCが爆発炎上しても、新しいPCにMistをセットしてこのファイルを同フォルダにコピペあるいは移動すればウォレットを復帰させることができます。
ただし、あなたが生きていれば。
以上です!
同期の時間がクソ長いくらいで、それ以外はなんてことないと思います。ぜひトライしてみてください。
著者プロフィール
お忙しいところ、貴重なお時間の中での当サイトへのご訪問ありがとうございます。
WEBデザイナー/ディレクターとしてのリーマン生活を脱却し、FX専業(兼業?)トレーダーをやりながら、MT4のEA/インジケーターの開発やFX関連情報サイトを運営していました。
今ではもう暗号通貨に絞って福岡を拠点に隠密活動しています。主にNEMをガッツリ、EthereumのDappsは趣味程度に。10年近いトレーダー経験を活かし、暗号通貨相場のテクニカル分析もやってます。
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