Consensusの振り返り、一般向けのNEMのプライベートブロックチェーンのリリース、DistributedAppsのKen Huang氏へのインタビュー

 最終更新日2018/06/17 公開日2018/06/17    この記事は 約19分 で読めます。


Inside NEM エピソード41の和訳です。今回はNEM投資が賢い選択になるはず…というような内容が各所に盛り込まれていますので、いつもながら長文になっていますが必読だと思います。

このエピソードでは、Catapultのプライベートチェーン上でのリリース、ニューヨークで開かれたConsensusへの参加、そしてNEMブロックチェーン上で開発およびデプロイを行っている実際の企業の紹介を行います。さらにKen Huang氏にインタビューを敢行し、彼がなぜNEMを支持しているのかを聞くことができました。~Alexandra

エピソード 41 はじめに

このエピソードでは、私はCatapultのロールアウト、NEMの許可制ブロックチェーンが先週一般公開されたこと、そしてそれがNEMにとって何を意味するかを中心的に扱っていきます。ニューヨークで行われたConsensusの様子を振り返り、NEMのパビリオンを共有したパートナー企業も紹介していきます。

NEMのプライベートチェーンのリリース


視聴者の皆様の多くは、NEMに起こった最近の(そして最大の)製品アップデートをそのコードネームでご存知でしょう。つまりCatapultのことです。Catapultは私たちの提携企業であるテックビューロが開発した、商業用オープンソース仕様の企業向け分散型台帳です。

確かにブランディングは多少ややこしいかもしれません。Catapultと呼ばれたり、mijinと呼ばれたり、NEMという呼び方もあります。そこでここではシンプルにNEMのプライベートチェーンと呼ぶことにします。

CONSENSUS

今年最大のブロックチェーンイベントであるConsensusの話に移ります。その初日には、テックビューロがNEMのプライベートチェーンのソフトウェアを一般向けにリリースしました。これはNEMのエコシステムが、あらゆる規模の企業に対応する取り組みにおける大きな一歩です。このことはNEMの未来にとって何を意味するのでしょうか?

その結果として、プライベートおよびパブリックの新チェーンが誕生するのです。NEMはいまや企業向けのシンプルで「インスタントな」ブロックチェーンソリューションとなりました。

Consensusについての私の感想は、そのイベントは NEMが2017年に参加した時とは様変わりしたというものです。今年は会場には8000人もの参加者が詰めかけ、私たちの2,050フィートのパビリオンスペースでさえも手狭に感じました。

私たちはイベント開催中休まずプレゼンテーションを行う計画でしたが、会場に常に人が溢れていたためそれは実現不可能でした。そのため私たちの提携企業による、ライブストリーミングを使ったプレゼンをお届けすることができませんでした。


2日目には、会場を散策し、他のConsensus出品者のところを訪ねる機会がありました。今年は多くの金融機関やヘッジファンドが参加しており、間違いなくそれによってイベントの雰囲気が去年とは違うものになっていました。パーカー姿の来場者が減り、スーツ姿の人が増えたということは、金融系企業の注目が増したということです。

しかし、会場のフロアに実用的な製品があまりなかったのには失望しました。ホワイトペーパーやアルファ版デモだけを置いているブースが数多くありました。より多くの製品や企業がブロックチェーン上にデプロイされることを期待します。それこそがこの産業が発展していくカギだからです。

製品をデプロイしていくことはNEMの戦略です。私たちは、ロードマップやホワイトペーパーではなく、実際のビジネスをデプロイしている数少ないブロックチェーンの1つです。

そして、それは私たちの素晴らしいパートナー企業なしでは達成できませんでした。私たちは20社以上のパートナーを招き、彼らのビジネスをNEM上にデプロイすることがどれほど簡単で強力なものであるかを紹介してもらい、彼らの稼働中の製品のデモンストレーションを行ってもらいました。以下にいくつかの例を紹介します。

He3Labsはあらゆるサービスを備えた、ブロックチェーン関連のコンサルディング、アーキテクチャ設計、開発を行う企業です。彼らは経済分析に特化しており、その手法はしばしばトークノミクス(tokenomics)と呼ばれます。彼らは法律分野のコンサルディング部門も持っており、契約や証券関連の問題のサポートも行っています。

He3Labsは、ブロックチェーンのデプロイを検討しつつも、それを実行する専門知識やリソースを持たない企業にとっての、完ぺきなソリューションとなります。そしてその創立者たちは初期からNEMと提携を結んでいるのです!

He3Labsは、実際のCatapultチェーンを使って開発を行った複数のビジネスにおけるユースケースの稼働中デモを持ち込んで、彼らの技術力の高さを示しました。Catapultの完全なリリースが行われたのは、そのわずか数日前のことでした。これは素晴らしいことです。

その他のNEMの第三者サービスプロバイダーにも触れないわけにはいきません。NEMパビリオンにはその他にも、KChainの素晴らしい開発チーム、そしてもちろんオーストラリアからASTAが参加しました。ASTAは才能ある開発者の大規模な集団で、多くのプロジェクトをこれまで成功させています。


次はLoyalCoinを紹介したいと思います。彼らは私のお気に入りの、NEMを活用した企業の1つです。彼らは従来型のロイヤルティにおけるポイントシステムを、顧客ロイヤルティアセットによって置き換えようといています。

従来型の報酬ポイントと同様に、LoyalCoinでもあらゆる加入店から獲得したポイントを、現金として使用することができます。そのようにして、ある店舗やショップで獲得したユーザーのポイントは、システムに加入しているあらゆる店舗およびショップで利用することができるのです。そして店舗側にもそれを利用するメリットがあります。

航空会社からコンビニエンスストアまで多くの企業がLoyalCoinを採用しています。私はLoyalCoinを、暗号通貨エコノミーを覆う、"ステルスロイヤルティプログラム"だと考えています。

彼らはあらゆる場所で活用され始めています。なぜなら、あらゆる企業が、瞬時にデプロイ可能で、信頼のおける利便性の高いロイヤルティツールを必要としているからです。ロイヤルティポイントは顧客をつなぎとめる普遍的な方法なのです。

※先日、LoyalCoinはセブンイレブン(フィリピン)との提携を発表しました。2017年の時点でフィリピン全土で2,285のセブンイレブン店舗があります。


次に、Bankorusについてお話ししたいと思います。Bankorusは世界初のAIを活用した暗号通貨資産管理プラットフォームであり、ブロックチェーン上に構築された証券トークン市場でもあります。彼らは富裕層に対して、暗号通貨にアクセスするための、一連の安全かつ顧客確認の基準にも準拠したソリューションを提供します。これは大規模なビジネスです。

Bankorusは従来型の流動性の低いアセット、つまり不動産、農場、芸術作品、ベンチャーキャピタル、ヘッジファンドなどを、トークン化を行うことで流動性の高いデジタルアセットに変換します。

ユーザーは彼らの証券トークン市場で、既存のアセットを担保にして暗号通貨を借り入れるだけでなく、自身の証券トークンを売買することができます。このシステムは、コンプライアンスを重視し、自身の資産を新しいデジタル経済で管理したいと考える投資家にとっては画期的なものです。


次に小売店の側から考えてみましょう。現在は、市場はhodl(買ったコインをひたすら保有しておくのみ)する傾向にありますが、今後も常にそうだとは限りません。実際に、私たちのパートナーの中にも暗号通貨での買い物を、これまでよりはるかに容易にしつつある企業があります。そうした企業の1つがPaytomatです。

彼らはポイントオブセール端末の分散型ネットワークを通じて、小売店が暗号通貨を利用できるようにしています。彼らのPOS端末によって、小売店がVISA、MasterCard、American Expressだけでなく、XEM、Dash、ETH、Bitcoinを受け付けることが容易になります。

ウクライナでは150以上の店舗がすでに彼らの製品を採用しており、その数は現在も増え続けています。世界中で、さらに多くの小売店が彼らの製品を採用することになるでしょう。このビジネスモデルには注目に値します。なぜなら、実際に稼働中のビジネスだからです。

上記の企業はNEMパビリオンに参加したパートナーのうちの数社にすぎません。沢山の企業が参加しましたが、そうした企業は今後の回で紹介することになります。

全体として、NEMはConsensusにおいて大きな成功を収めました。私たちは企業、機関、そして政府の代表者たちから大きな注目を集め、彼らはみなNEMについてより多くを学びたいと感じていました。


最後になりましたが重要なトピックとして、ある有名人との独占インタビューをお届けします。ひょっとすると彼のことをブロックチェーン業界のイベントで見かけたことがあるかもしれません。私はDistributedApps のCEOであるKen Huang氏と話をする機会を得ることができました。彼は投資家であると同時に、NEMの熱心な支持者でもあります。

Ken:私はKen Huangといいます。基本的には投資家ですが、いくつかの大きな成功を収めているブロックチェーンプロジェクトの顧問もしています。私はConsensusで基調講演者を務めました。私の他にはCivicのVenny Lingham氏、Shift NetworkのJoseph氏、CoindeskのMarc Hochstein氏がいました。

私はNULSIOST、そしてPENTAといった他の優れたプロジェクトの顧問をしています。彼らは大きな成功を収めたプロジェクトです。

私はNEMの顧問ではありません。ただの投資家です。それなりの量のXEMを所有しています。私がXEMを所有し、さらに買い増している理由は、私はNEMの技術が好きだからです。NEMは素晴らしいエコシステムを作り上げています。

「私がXEMを所有し、さらに買い増している理由は、私はNEMの技術が好きだからです。NEMは素晴らしいエコシステムを作り上げています」~Ken Huang氏

NEMにはコンソーシアムチェーンに加え、パブリックとプライベートのチェーンがあります。プロトコルレイヤーに構築されたマルチシグネイチャー機能を持ち、それがNEMチェーンのセキュリティを確かなものにしています。

イーサリアムネットワークを苦しめたセキュリティ問題を軽減することを基本的な目的として、オフチェーンのスマートコントラクト機能も備えています。その点を私は高く評価しています。

また、オフチェーンでのスマートコントラクトの実行は、オンチェーンでの実行よりもはるかに速いものです。全体として、私はNEMのアプローチにひかれています。

私はSteve Li氏(NEM中国の代表)や、私が以前働いていたHuobiの社員のことをよく知っています。実際に、私はHuobiに出向いて1500人に向けてブロックチェーンについての大規模な講義(プレゼン)をしたことがあります。

本当の話ですが、私が講演をしたせいで社員の1人がHuobiを退社してNEMに参加してしまいました(笑)!今年、多くの社員がHuobiを退社して、自分の会社を起業します。私は、それは素晴らしいことで、ブロックチェーン全体の発展にも良い影響を与えると考えています。

私がいくつかのプロジェクトの顧問を務めている理由は、そうすることで、ブロックチェーン発展を達成するにあたって、エコシステム全体により貢献できると考えているからです。

一流の投資家を含めた多くの人々が、「(冗談めかして)やあ、君は自分独自のコインをローンチすべきだよ。そうしたら僕が投資をしてあげるから」と言ってきます。仮に私が自分のチェーンを運営したら、私は多くのお金を得ることができるでしょう。そうした方が、経済的には私の利益になります。

Alex:私もあなたに投資をするでしょう。

Ken:投資が集まれば私はいくつかのプロジェクトを行うでしょう。社会的に見れば、ブロックチェーン技術のエコシステム全体について、私は多くの貢献ができるでしょう。私が顧問として働くよりも多くのことができるはずです。

Alex:それを聞けて嬉しいです。私が思うに、多くの人々が価格に注目して、どのコインを買うべきかを考え、その答えを知りたがっています。あなたの発言で私が素晴らしいと思ったのは、あなたが価格を重視していないことです。

あなたはプラットフォーム、技術、そしてチームを重視しています。そしてNEMとその機能を支えるチームを理由に、NEMには将来性があると認めてくれました。あなたはNEMプラットフォームのチームと機能を本当に素晴らしいものだと言ってくれました。

Ken:その通りです。私は価格のことなど気にしません。技術とチームを重視します。私が顧問を務めているチームについても同様です。価格ではなく技術とチームを重視します。

NULSのチームと同様に、私は昨日ニューヨーク(のConsensus)で彼らのセッションに参加し、私がNULSのチームに顧問として参加した理由を話しました。その理由も同じものです。彼らの持つ技術はモジュール化されています。彼らはマイクロサービスと企業アプローチを採用しています。プライベートチェーンに加えて企業コンソーシアムを持つという点で、ある意味ではNEMと似た構造だといえます。

したがって似たアイディアを持っています。しかし、似てはいるものの、NEMと直接競合するわけではありません。市場は広大です。両者は互いを補完しあえると思っています。ひょっとしたらあなたに仲介役をお願いするかもしれません。それが最善でしょう!

Alex:それについて言えば、私たちは他のブロックチェーンと敵対しているわけではありません。私は、それぞれの人が自身の企業とそのニーズを検討し、「スマートコントラクトが必要なのか?」それとも「NEMにあるようなプラグインが必要なのか?」を見極めなければならないと思っています。

ブロックチェーンの使用用途は何でしょうか?ブロックチェーンはどのように活用されていますか?それを実行するチームはどのようなものですか?私が思うに、あなたが仰っているのは、チームを検討するというデューデリジェンスが重要だということでしょう。この業界は狭く、NEMのチームは他のチームやプラットフォームと出会うのを好んでいます。

Ken:私が気がついたことの1つに、NEMは技術とシステムの点において非常に素晴らしい仕事をしているということがあります。彼らはこれまでの作業を反省しつつ作業を進めています

NEMがConsensusに参加したのは素晴らしいことですし、アジア外でもNEMのエコシステムが多くの人に知られるべき時が来たと思っています。ヨーロッパや北アメリカに進出(※)してみてください。それが良いでしょう。
※…実際にそうする動きがあることを聞いていますし、感じています。

Alex:昨年、私たちは10平方フィートのブースで参加し、非常に小規模なものでした。今年、私たちはNEMのことを発信しようと決断しました。そして、その活動を、実際のビジネスを行っていて、NEM上にデプロイして彼らの製品を公開している20社以上のパートナーと協力して行いました。

私たちのブースは、Consensusに参加した他のブースとは大きく異なるものでした。私たちのブースは、NEM上で開発を行っている実際の企業を招き、彼らを通じてNEMのことを伝えて、その有用性を実証したからです。

Ken:ええ、それが最善策だと思います。現在の傾向としては、人々はパブリックチェーンに魅力を感じています。彼らはパブリックチェーンによってビットコインの必要性がなくなり、イーサリアムが大きな市場総額を持つようになると想像しているのです。

しかし、それはなぜでしょうか?それには実際のアプリケーションが必要です。それこそが私が重視しているものです。現状はまだ初期段階にあり、人々は乱立しているパブリックチェーンに目を奪われています。

しかし私の考えでは、数年後には人々は、実際にアプリケーションを持つパブリックチェーンやプラットフォームに注目し始めるでしょう。だから、あなたがNEMの有用性の実証に使った方法は正しいものです。

「現在の傾向としては、人々はパブリックチェーンに魅力を感じています。彼らはパブリックチェーンによってビットコインの必要性がなくなり、イーサリアムが大きな市場総額を持つようになると想像しているのです。しかし、それはなぜでしょうか?それには実際のアプリケーションが必要です。それこそが私が重視しているものです。」~Ken Huang氏

 - NEM(ネム)

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WEBデザイナー/ディレクターとしてのリーマン生活を脱却し、FX専業(兼業?)トレーダーをやりながら、MT4のEA/インジケーターの開発やFX関連情報サイトを運営していました。

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