NEM Catapult:ビジネス向けの現実的なプライベートDLTソリューション

 最終更新日2018/10/07 公開日2018/10/07    この記事は 約14分 で読めます。

以下、和訳です。

He3Labsの技術チームに所属し、プライベートブラックチェーンを使って双方向型デモを開発した経験を持っているので、私は分散型台帳とそのビジネスにおける活用についての新しい視点を提供できるかもしれません。

以前に私は、私的なビジネスデータをプライベートブロックチェーンで管理することで、いかに企業が利益を得られるかについて書きました。

私自身もプライベートサーバー上で稼働するプライベートブロックチェーンを使ってソフトウェアを開発した経験があり、DLT(Distributed Ledger Technology/分散台帳技術)がどれほど自然にシステムにフィットするのかを見てきたので、私は次のように主張したいと思います。

つまり、利便性の高いブロックチェーンは、必ずしもパブリックな分散化を必要としないということです。企業は、信頼性の高いプライベートなDLTによって大きなメリットを得ることができます。

今日、私はDLT、特にNEMの最新版“Catapult”のオープンソースリリースが、いかに企業の既存の技術にフィットするかを検討し、次のような点に触れたいと思います。

・DLTが既存のビジネスシステムにフィットする分野
・NEM Catapultの使用方法と、その現実的なDLTソリューションとしての機能セット
・コスト効率的な事業価値を生み出すためのNEM Catapultの使用方法

DLTがフィットする分野

あらゆるビジネスにおいて、ユーザーエクスペリエンスの管理を行わなければなりません。
技術的な面では、ユーザーエクスペリエンスは、デスクトップやノートパソコン上のアプリケーション、モバイルアプリ、ウェブページ、インタラクティブキオスクなどの形態のフロントエンドによって担われています。

フロントエンドは事業詳細をカラフルに表示したり、ユーザーが自身の情報やリクエストを送信することを可能にします。

このデバイスは一般的にユーザーの手にあり、突き詰めれば監視やハッキングを受けやすいため、機密性の高いビジネス上の情報を扱うロジックはフロンドエンドでは担うことができません。

バックエンドシステム

フロントエンドはユーザーが通信するデバイスである一方で、バックエンドにはビジネスの運営ロジックが含まれています。

バックエンドには多数のサービスがあり、しばしば複数のコンピュータ上で稼働しており、互いに通信を行っています。基礎システムでは、高い確率でそうしたバックエンドで稼働しているサービスが利用されています。

・ブラウザウェブサービス
・RESTウェブサービス
・SQLデータベース
・ロギング/メトリック

DLTは特化型データベースとして、そうしたバックエンドサービスにフィットします。DLTはそのエントリーの暗号技術によるセキュリティを確保するために理論速度を取引します。

いかなるビジネスでも、機密性の高い情報はデータベースに保存されています。すでにあなたの企業で起こっているかもしれませんが、アクセス権を持つ誰かが、しばしば故意に、変更を行うべきでないデータベースのエントリーを容易に変更してしまいます。

その目的とは、例えば会計処理の操作を行うといったものです。しかし、DLTを活用すれば、自社のプライベートDLTサーバーへの完全な管理権限アクセスを持ちつつも、台帳に変更を加えようとする企てをすべて防ぐことができます。

システムの維持のためにシステムの追加を行うというのは面倒に聞こえますが、ビジネスの成長に応じて、企業は常にバックエンドに、以下のような価値を持つ機能を追加しています。

・GPSルックアップを扱うシステム
・ソーシャルメディア上のつながりを追跡する機能
・Eメールの送受信を自動化するサービス
・顧客に対する報奨プログラム

DLTは、その内容の真実性を考えれば、そうした他のシステムをサポートし拡張する追加システムだと考えることができます。

使用されている場面を見れば、特に報告や監査の目的でデータの信頼性を向上させたいとあなたが望む、ビジネスロジックのルートに、新しくそれを採用すべき箇所が見つかるでしょう。

DLTが私たちのシステムでどのように機能するかを確認したいので、私たちはバックエンドに加えるべきシステムを一つ選ばなければなりません。

ブロックチェーン技術の広大な世界では、どのブロックチェーンもしくはDLTがあなたのビジネスにどのように貢献するかについての議論が盛んに行われています。しかし、結局のところ、技術を実装する際には、企業が実際にそれを利用できるような方法で行わなくてはなりません。

これこそが、He3LabsがNEMを選んだのです。それはNEMが、様々なアプリケーションに向けた私たちの開発アプローチにマッチする、実際に稼働中の検証済みでオープンソースのDLTプラットフォームだからです。

NEM Catapultとその機能セットは現実的なDLTソリューションとして、いかに機能するか

ビジネスデータの管理を行うために構築されたNEM Catapultは、プライベートチェーンもしくはハイブリッドチェーンのデプロイを可能にします。その内蔵機能の長所を以下にいくつか紹介します。

トークン/通貨を容易に発行できる

NEMはそうしたトークンを「モザイク」と呼んでいます。モザイクはアカウントによって定義され、所有されます。発行数を固定するか変更可能にするか、そうしたトークンがユーザー間で譲渡可能かどうか、設定を行うことができます。

NEMの公式暗号通貨であるXEMは、譲渡可能で、発行数は8,999,999,999に固定されており、小数点6桁まで分割することができます。つまり、0.000001がXEMの最小単位です。

アグリゲートトランザクション

複数のトランザクションをグループ化し、そのうちのいずれかが何らかの理由(例えば資金不足など)で失敗した場合に、他のトランザクションも中止するように設定することができます。

"アトミック"クロスチェーントランザクション

ハイブリッドなパブリック/プライベートチェーンをデプロイしたいと考える企業は、結局のところチェーン間で安全にトランザクションを実行する機能を望んでいます。

一連の特殊なトランザクションによって、複数のNEMブロックチェーン間でアトミックにトランザクションを行うことが可能になります。

マルチレベルマルチサインアカウント

マルチシグネチャーアカウントによって、アカウントの共同管理が可能になります。

「マルチレベル」を追加することで、アカウントにアクセスする際に必要となる署名の構成が非常に柔軟性のあるものになります。NEMはココで画像付きの実例を紹介しています。

He3Labsでの私たちの研究では、NEMの機能を驚くべきやり方でグループ化してきました。

例:

状況:ビジネスでは、ヴァイスプレジデントだけでなくチーフオフィサーの投票にかける必要があるほどの重大な決定を下さなければならない時があります。

あなたは、会社をあげて夏に三か月間にわたって毎週行われる“Ice Cream Fridaes”に出資をするかについて、投票を行うことになります。

背景:あなたの企業はすでに、投票に向けたマルチレベルでマルチシグネチャーのNEMアカウントを立ち上げています。そのアカウントをVotingと呼ぶことにします。

Votingが新しい投票を開始するためには、CEOの署名か、CFO、COO、CTOのうちいずれか二名の署名が必要なこととします。

プロセス

1.トランザクションが提案され、そこには投票の詳細が説明された文章が添付されており、署名待ちとなっています。

2.有効な共同署名者が署名を行えば、そのトランザクションは完了し、Votingが作られ、新しいモザイクが供給され、配布されます。

このモザイクは譲渡が不可能で、発行数も固定されています。その発行数はチーフオフィサーにヴァイスプレジデントを加えた数と同数です。

3.一回のアグリゲートトランザクションでモザイクは作成され、それぞれのヴァイスプレジデントとチーフオフィサーは、その新モザイクを一つずつ受け取ります。彼らには投票が行わることが通知されます。

トークンを作成した元々のトランザクションに、投票自体に関する説明が記載されているので、投票者はその信頼性の高い情報ソースを参照し、正しい手段で投票を行っていると確信を得ることができます。

4.今回のモザイクは譲渡不可能であるため、ヴァイスプレジデントとチーフオフィサーたちはVotingにしかそのトークンを送ることができません。

彼らが投票を行うことを選択した場合には、彼らは自身のアカウントからVotingのアカウントに、自身の投票用トークンを使ってトランザクションを送信します。

このトランザクションのメッセージで、彼らはVotingアカウントだけが読むことのできる暗号化された投票用紙を提出します。

結果:

投票が終わると、Votingアカウントは素早く、カウントすべき有効な投票用紙の枚数を確認し、適切なトークンを使って送信されたトランザクションだけを集計します。

DLTによるアプローチを使えば、二重投票を防ぐことが可能で、そうでもしなければアイスクリームキャンペーンへの出資に対する反対票で投票ボックスがパンクしてしまうでしょう。

ここで紹介したのはDLTが役立つ場面のほんの一例で、企業のガバナンスそのものを例としました。匿名による安全性の高い投票は複雑なテーマで、今回の簡単な例では不足している点もあるでしょう。

しかし、共同銀行アカウントやサプライチェーンでの例を追加するのではなく、私はNEMの機能がビジネスロジックにどれほど大きな自由度を提供してくれるかを紹介したかったのです。

NEMはいかにして事業価値を付加するか

以下に、NEM Catapultを含むビジネスのバックエンドシステムが、企業にもたらす利益を紹介します。

サービスへのアクセス/稼働時間向上:ほとんどの企業は、何らかの方法でサービスが利用可能であることを保証する必要があります。DLTは初期段階から、多くのサーバーを利用し、常に次のトランザクションを処理できるように設計および開発されています。

メンテナンス:DLTの追加は、あなたのバックエンドにとって不確定要素の一つです。
それには設定方法の知識が必要です。しかし、一度稼働し始めて複数のノードが接続されれば、ブロックチェーンはその設計上、非常に高い有効性と弾力性を発揮します。

基本的にはメンテナンスは必要ありません。こうした機能をDLTのようなスマートな方法で達成したソフトウェア製品は他にはほとんど存在しません。

統合:さらに、ビジネスが成長するにつれて、バックエンドは新しいサービスを追加していき、時間と共に新しい価値が加わっていきます。

DLTのようなビジネス全般にわたる信頼性を生み出すシステムを、あなたが追加するサービスに統合することは、しばしば無視されがちな分野の役に立ちます。

例えば、あなたの会社が別のサービス、つまり独自の有効性/パフォーマンスの保証を備えるサービスにお金を支払っているとします。DLTを使えば、想定されるパフォーマンスと比較することのできる議論の余地のない記録を取ることができます。

安全なデータ管理:暗号化による安全性の確保は、DLTの最も基礎的な部分です。さらに、Catapultは、機密性の高いビジネスデータへのアクセスとアップデートを行う権限を容易に構成するツールを提供してくれます。

コスト効率性:Catapultは、不正の可能性を排除しつつも、コンピュータのネットワーク上で重要なビジネストランザクションを安全に保存するために一から設計された、効率的なC++アプリケーションです。

Catapultは非常にセキュリティ性能が高いので、(企業のプライベートDLTのような)コンピュータのプライベートネットワークだけでなく、未信頼のコンピュータによる世界的な分散型ネットワーク上でも稼働することができます。

商業利用も無料で行うことができ、NEMのオープンソースリリース向けの、テックビューロのDockerイメージやHe3LabsのVagrant boxを使うことで、ジュニアデベロッパーは、すぐにトランザクションを行う準備のできている基礎的なプライベートNEMシステムを手にすることができます。

内蔵機能:「スマートコントラクト言語」は強力でありながらも、デバッグがしにくいことで有名です。NEMはその相互作用を、いくつかの機能として抽出しました。

そうした機能を使うことで、細かいコードエラーを起こすリスクなしに、あなたの望むシステムを構築することが可能になるとされています。

監査可能性/報告:監査と報告を行うことは、販売などの部署におけるビジネス活動を管理する手助けとなります。ビジネスマトリックスは未来決定を行う際に大きなヒントを与えてくれます。

DLTは、それぞれの出来事の承認に関わっている人物を正確に把握するだけでなく、出来事の完ぺきな記録を管理することにも長けています。

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  著者プロフィール

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WEBデザイナー/ディレクターとしてのリーマン生活を脱却し、FX専業(兼業?)トレーダーをやりながら、MT4のEA/インジケーターの開発やFX関連情報サイトを運営していました。

今ではもう暗号通貨に絞って福岡を拠点に隠密活動しています。主にNEMをガッツリ、EthereumのDappsは趣味程度に。10年近いトレーダー経験を活かし、暗号通貨相場のテクニカル分析もやってます。

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