ガートナーのハイプ・サイクルに秘められているNEM/Catapultの強み

 最終更新日2019/10/16 公開日2019/10/16    この記事は 約14分 で読めます。

これから長々と解説する私の読みが当たっているならば、私たちNEMberの選択は大正解だったということになってしまう。

Gartner(ガートナー)って何?

あなたはGartner(ガートナー)をご存知だろうか?

IT分野を中心とした調査・助言を行う米国企業で、顧客には数々の大手企業や政府機関が名を連ねており、IT系企業や投資機関、コンサルティング企業なども多いとされる。

世界100カ国以上、1万5,000社を超える企業に支持され、Fortune500(全米総収入ランキング)のうち73%がガートナーの顧客だという。2018年の売上高は約4300億円。

そして、ハイプ・サイクルというこういうチャートには見覚えがあると思う。

出典:ガートナー

これはガートナー社が1995年以来、新技術の登場によって生じる過度の興奮や誇張(hype、ハイプ)、そしてそれに続く失望をそれを用いて説明し。 また、技術がいかにしてそしていつ次の段階に進み、実際に利益を生み出し、そして広範に受け入れられるかも示すものだ。

当然、これには科学的根拠がねえとか技術自体の本質によらねえとか幾多の批判もあるようだ。しかし注目すべき点はガートナーとハイプ・サイクルが培ってきた影響力により、この指標が大いに参考にされて事実が動き出すのではないかという点ではないかと思う。彼らはマーケットを先導しようともしているのではないかと思われる。

テクノロジーに関するこれまでのハイプ・サイクルを振り返る

上のハイプ・サイクルは2018年10月11日に発表された「日本におけるテクノロジーのハイプ・サイクル2018」だが、今から1年前の当時、ブロックチェーンは上図のように「過度な期待のピーク期」から滑落しようとしてる時期にあったことが見て取れる。

さらに過去にさかのぼってハイプ・サイクルを確認してみよう。

2017年10月に発表されたものはこれで、ブロックチェーンは「過度な期待のピーク期」の頂点にある。

出典:ガートナー

暗号通貨の冬と呼ばれた過熱トレンドの崩壊は、それから2-3ヵ月間「最後の燃焼」を巻き起こした後に始まったことはまだ記憶に新しい。

「日本における」ではないが、2016年8月発表分のブロックチェーンは「過度な期待のピーク期」に入りたてくらいに位置している。

出典:ガートナー

それから翌年のハイプ・サイクルが発表されるまでのおよそ1年間、暗号通貨マーケットは過度な期待のピーク期の頂点に向かって実際に過熱していくのである。

そうやって暗号通貨マーケット動向に照らし合わせればここまでは結構近しい結果になってるのではなかろうか。

さらに2015年8月にさかのぼると、実は「暗号通貨」は過度な期待のピーク期を終え幻滅期入り、「暗号通貨取引所」は幻滅期の谷底としてリストされていた。まだブロックチェーンとしての評価は存在していなかった。

出典:ガートナー

ビットコイン相場が2013年12月に頂点を捉え、半年かけてズルズルと崩壊し、さらにそれから1年ほど続いた最初の暗号通貨の冬の末期にあたっていた時期の発表だったのだ。

1つ前の2016年のハイプ・サイクルと見比べると「ブロックチェーン」という技術として再評価されたからなのか、サイクルが巻き戻されたのがわかる。

おもしろいことに、この2015年8月のハイプ・サイクルが発表された3ヵ月ほど後、ビットコイン相場は今後3年間続く長期的な上昇トレンド転換を迎えたのだ。

幻滅期の谷底だとされていた暗号通貨取引所が、ほどなくして猛烈な絶頂感に酔い痴れることになると予測できていた人がどれだけいただろうか?

ブロックチェーンテクノロジーに集約されたハイプ・サイクル発表

そして、2019年10月8日に「ブロックチェーンテクノロジーにおけるハイプ・サイクル」が発表(英語)された。

出典:ガートナー

テクノロジー全体のハイプ・サイクルではなくブロックチェーン技術に集約されたものではあるが、ブロックチェーンそのものは「幻滅期」の谷底に差し掛かろうとしおり、2021年までにこの谷底から抜け出し始めると分析されている。

誤解のないように「幻滅期」がなんたるかを説明しておくと、ユースケースが期待に追い付かずメディアや一般大衆の関心が薄れるフェーズである。

オワコンフェーズではないのである。大衆が早まっただけである。

それは2015年のハイプ・サイクルにおける暗号通貨取引所のその後を思えば容易に否定できるし、あるいは、数年間の絶頂期突入のサインではないのかとも思わせられる。
(ちなみに、ブロックチェーン関連以外のテクノロジーの幻滅期以降の動向は一切調査していない笑)

その次にやってくる「回復期」は、いくつかの技術は啓蒙活動を継続させながら本来の利点や活用方法を事業者などに理解させる時期。

安定期」に入ると広範にプロダクトなどが宣伝され受け入れられることで、技術は生産性を身に着け、安定そして進化すると言われる。

ハイプ・サイクルの図形だけに執着してしまったら、前半の「過度な期待のピーク期」を過ぎると、まるで市場価値も実需も再びピークを超えることはないとミスリードを起こしてしまうかもしれないが、決してそうではない。市場の底堅い評価は、生産性が認められて始めて正当な評価を得ていくのだ。

さて、ガートナーがハイプ・サイクルと共に発表したレポートが、NEMを信奉しCatapultを待ち侘びる者にとって、とても興味深いことに結びつくのである。

前置きが十分に長くなったが、ここからが今回の要点だ。

NEM/Catapultの動向とガートナーのレポートが繋がった

レポート内ではブロックチェーンテクノロジーが主流になるためこういったことが必要だと指摘されている。

・ユーザーが適切なプラットフォームと適切なスマートコントラクト開発言語、適切なシステムインターフェイス、適切なコンセンサスアルゴリズムを気にすることなく選択できるようになる必要
異なるブロックチェーンプラットフォームを利用するパートナーと相互運用する方法についての懸念を解決することが必要

その上で、この問題や状況を変えるため開発を目の当たりにしており、2023年までには、

・ブロックチェーンプラットフォームはスケーラブルで相互運用可能性が向上
・スマートコントラクトの移転性をサポート
クロスチェーン機能(異なるブロックチェーンをまたいで取引可能にする)をサポート
・必要なデータ機密性を備えた信頼できるプライベートなトランザクションをサポート

といった技術の進化により、ブロックチェーンが主流化し、"WEB3.0"としても知られる"分散型WEB"にグンと大きく近づくことができると述べられた。

そして最後に、

「将来的には、許可型ブロックチェーン(プライベートチェーンも含まれる)がパブリックチェーンと統合され、許可型ブロックチェーンのメンバーシップやガバナンス、また運用モデルの要件をサポートしつつ、共有サービスが活用されることになるだろう」

と締め括られている。

おわかりいただけただろうか?

それらは、もろにNEM/mijin(Catapult)が実現可能にするものである。

そして、それが単なる偶然の一致でもなく、偏ったNEM厨脳による強引な結び付け解釈でもないことが明らかになる。

ガートナーはNEMを調査している

まず10月3日のNikkei Asian Review(英語)で、「リブラの影響により日本でブロックチェーンが再び注目を浴びる」といったタイトルの記事の後半を紹介しよう。

市場調査会社のガートナーは、暗号通貨NEMを支援するグループのNEM財団を含む、100社のプラットフォーム提供業者の名前を挙げました。しかし、ブロックチェーンに代わる仕組みの中で、既存のサービスに取って代わることのできたものはほとんどありません。

NEM財団の暫定CTOであるジェフ・マクドナルド氏

「多くの商業的な取り組みがパイロット段階からテイクオフできないのには十分な理由があります。多くの初期実験がお金にまつわるものでした。人々は大金が関わると非常に用心深くなります。ほとんどの銀行はブロックチェーンの検証を行いましたが、実際の大金を使って何かを行うとなると、彼らは本当に憶病になるのです。」

そしてガートナーは、多くの企業にブロックチェーンを採用する必要性があるのかを問うように提唱します。

ガートナー

「ブロックチェーンを様々なレベルで使用している企業が、ブロックチェーンプラットフォームに代わる多くの既存のシステムの方が、キーとなるユースケースを達成するのに計算処理能力や、開発と技術についての専門知識が少なくて済む場合には、ブロックチェーンを採用する正当な理由がないと感じています。」

またガートナーは、既存の企業向けブロックチェーンプラットフォームサービスの90%は、競争力を維持し最新で安全なシステムであるためには、2021年までにリプレースする必要があると予想しています。

セキュリティの問題が解決されれば、ブロックチェーンは一般的なプラットフォームとして企業間でさらに幅広く使われるようになり、ブロックチェーンが相互に接続することが容易になり、さらに大きなスケールを達成し、それにかかるコストが減少することになる、と専門家は予想します。

NEM財団代表のアレクサンドラ・ティンズマン氏

「企業は、最終的にコスト削減の点に貢献しないような技術は採用しません。企業はブロックチェーンをコスト削減と効率性向上のために、つまり最終的な収益増加のために使用しています。何らかの点でコスト削減が図れるのであれば、彼らはそれを採用するはずです。」

と指摘します。

消極的なガートナーに対するNEM財団によるマウンティングであるかのような構成だ。

ガートナーの「既存企業の多くがブロックチェーン技術を採用する必要性なくね?」というような点に対して「コスト削減と効率性向上で十分な需要がある」とするアレックス氏。

企業が採用するとしても、既存の企業向けとして開発されているブロックチェーンプラットフォームのほとんどが、2021年までにシステムを刷新しなければ競争から離脱してしまうとも指摘されてしまっている。

エンタープライズを巻き込むという点で、2019年10月8日に発表された「ブロックチェーンテクノロジーにおけるハイプ・サイクル」のレポートで予想されたことも、その刷新要件にガッチリと当てはまるのではないか?

そう、Catapultは数年かけて(かかって)、それら要件の多くが満たされるであろうブロックチェーン技術をいよいよ世に打ち出そうとしている。予定では2020年Q1(1月~3月)だ。

イチロー氏の名言「遠回りこそが最大の近道」とはもしかしたらコレなのかもしれない。

私の感情の高ぶりに過ぎないが、ガートナーがまるでCatapultを知ってて煽ってるかのようにも感じてしまう。もちろん、それだけでなく他のあらゆるブロックチェーン技術を調査した結果であることはハッキリさせておかなねばならない。

最後に、2019年4月30日に配信された記事の一部を紹介して終わることにする。

ガートナー・ジャパンのアナリストも把握している

仮想通貨系ベンダーの経験値は大手ベンダーの技術力にも引けを取らない:ガートナーのアナリスト鈴木氏が語るブロックチェーンの今と未来」より、一部抜粋。全文はリンク先で確認して欲しい。

ガートナージャパンのアナリストである鈴木氏がブロックチェーンについて、そのユースケースの現状や今後の予想などを、同社の調査・分析結果を基に論じた。直近では、同社は国内企業に対してブロックチェーンに関する意識調査を実施しており、鈴木氏が分析を行っている。

(中略)

ガートナーは2019年2月に実施した国内企業のブロックチェーンに関する意識調査にて、「今後協業を進めたい/使いたいと思われるベンダー」についてアンケートを実施した。 上位にはNTTデータ、Amazon、IBMといった有名企業の名が並んだ。

(中略)

また、アンケート結果には表れていない、比較的ビジネス規模の小さいところにも注目すべき企業があるとした。

鈴木氏がその例に取り上げたのはbitFlyerとテックビューロホールディングスだ。これらの企業は仮想通貨のプロバイダーとして知見を蓄えている。

ブロックチェーンの運用上のリスクや、そこに施すべきセキュリティを経験をもって得ているため、ベンダーとしての力も折り紙付きだという。

鈴木氏が仮想通貨系ベンダーとして取り上げたテックビューロホールディングスは、NEMをベースとした独自のプライベート型ブロックチェーン「mijin(Catapult)」を開発・提供している。bitFlyerは独自のプライベート型ブロックチェーン「miyabi」を開発・提供している。

ガートナーはしっかりとNEM/Catapultそしてmijinをロックオンしていたのである。

彼らはNEM Catapultのこともそれなりに共有・把握した上で、調査情報の1つとして分析し「2019年のブロックチェーンテクノロジーにおけるハイプ・サイクル(及びアナリストレポート)」につなげたのではないかと尚更思わされた。

この考察を読んで、あなたが何に投資し、何に投資しないかは完全に自由である。

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