だから私は少なくともCatapultまではXEMを手放せない

 最終更新日2019/06/14 公開日2019/06/14    この記事は 約5分 で読めます。

NEMの目的はNEMを基幹技術とした分散型の新しい経済圏(エコシステム)を創出することである。そしてその恩恵を受け人々がより公平な機会のもと、より豊かな人生を全うすることにある。技術拡散や普及活動の先にある本来の目的がそれである。

「人々」というのは、NEMエコシステムの価値を創り支える人々である。開発者、ノード運営者、経営者、フリーランスや商店主含むあらゆるビジネスマン、XEMやNEMのモザイクアセットを保有し使用するステークホルダー、市場に流動性を提供するトレーダーなどだ。

(catapultではクロスチェーンスワップにより、ビットコインやイーサリアムなど、NEM圏外のエコシステムとの交わりで相互に利用価値を向上する作用が起こせる可能性が見えてきたことはとても興味深い)

NEMそのものはパブリックチェーンであるが、テックビューロホールディングス(テックビューロHD)社mijinのようにプライベートチェーン開発に着眼し、実ビジネスにブロックチェーンの力を与えようと働きかけ続けられていることは1つの大きな強みである。

プライベートチェーンには賛否両論あるだろう。しかしながら、ブロックチェーン技術を採用したくとも、全てのデータを公開したがる企業は多くはないと思う。もちろんこれはケースや公開する範囲により様々であろう。

さらにはパブリックチェーンを採用した企業サービスを利用するパートナーや消費者も、完全な透明性に抵抗感を覚えて利用に二の足を踏むかもしれない。例えばKYCに関連するデータなどはオープンにされたくはない。

実ビジネスにブロックチェーン技術の恩恵を与えるため、現在においてプライベートチェーンサービスは必要であると考える。しかしNEMのプライベートチェーンが活況するだけでは、冒頭に書いた「人々」を網羅して豊かにすることはなかなか難しい。

パブリックチェーンを評価する指標の1つにトランザクション(Tx)数がある。その数が平均して多くなれば潤沢な手数料が巡り、ノードやハーベスターの運用意欲につながる。しかし、これがもしNEMのプライベートチェーンを採用したサービス内でばかり盛り上がったところで、パブリックチェーンへの直接的な恩恵はない。

NEMの技術が使われたプライベートチェーン採用事例の成果が適切に評価されるならば、間接的にXEMの市場価値にポジティブな影響は与え得る。しかし、この界隈にはまだそのようなファンダメンタルズが素直に反映されにくい未成熟な段階にある。この点は早く理解が広まって欲しいものである。

NEMがCatapultを搭載しNEM2になるとその景色が大きく変わってくるかもしれない。新機能であるクロスチェーンスワップを通じて、異なるチェーン間で第三者を介さずトークンの交換が可能になるのだ。

そうすると、プライベートとプライベート、プライベートとパブリックといったトークンの交換が可能になり、プライベートチェーンを採用した企業がパブリックチェーンへ直接的に恩恵を与える機会を検討することが可能になる。

1月に行われた「第5回プライベートブロックチェーンmijin活用セミナー」では、テックビューロHD社がナレッジオンデマンド株式会社株式会社翻訳センターの3社共同で行った実証実験「ブロックチェーンを活用したリモートワーカー管理」について、実験の成果や実用化に向けた取り組みをmijin活用事例として紹介している。

詳細はこちらの記事を参照して頂きたいが、それはmijinブロックチェーンを活用したリモートワーク管理ソリューション「ACT JOB」として5月に販売開始が予定されていたようだ。
※6月14日時点ではまだ開始されていないぽい。

記事内で翻訳センターの深田氏は最後にこのように言っている。

今後はパブリックチェーンを活用することも考慮」と。

具体的にどのようなケースを想定されているのかはわからないが、これはまさにcatapultが成せる業ではないかと期待する。プライベートチェーンを活用したサービスのパブリックチェーンとの連携は、当然同社だけに限ったことではなく、国内外関わらずmijinを採用した企業が成せることとなる。

実績のある企業がプライベートチェーンmijinを採用、あるいは採用して実績を作る中小企業もあるかもしれない。それらがパブリックチェーンにもサービス範囲を拡大・開放することで、直接的に「人々」を豊かにしていくことが可能になるのである。

2016年、テックビューロHD社のCEOである朝山氏はこのように語っている。

「利害の衝突なしに、また既存の構想を侵害せぬように、一事業体とオープンソースコミュニティとを融合させながらより効率の高い手法でプロダクトを開発するというのは、世界でも前例を見ない大きな挑戦です。しかし一旦それが回り始めれば、将来MijinとNEMは全く新しいエコシステムの歴史的な産物となるでしょう。」

NEMはCatapultへの移行をもって、ようやく正当公平に評価された歴史を新しいチェーンと共に刻んでいくのではないだろうか。

著名アナリストらによる目先1年ほどのビットコイン相場の強気予測が徐々に出始めているが、2019年後半、Catapultはパブリックに搭載されるべく着々と準備が進んでいる。

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