Symbol From NEM…愚民の愚民による愚民のためのトークノミクス要点の振り返り[後編]

 最終更新日2020/03/29 公開日2019/12/23    この記事は 約8分 で読めます。

吾輩はやはり愚民である。
名前はまだない。どこで沼にハマったかとんと見当がつかぬ。

では早速前回の続きである。

今回はトークノミクスの部分である。Symbolで機能的なところ以外に一体何が変わるのか?という見方をしてくれれば良いと思うのである。

経済学に長けた吾輩ではないので、この施策そのものの長期的な評価はできない。よさげな希望を感じるだけの愚民である。

トークノミクス

ここで言うトークノミクスとは、いわゆるトークンエコノミーと界隈で言われるものとは違うのである。うまく専門用語などを駆使して意識高く解説しようと試みるが専門用語が出てこない、さすが愚民である。

「トークンエコノミー」はトークンに何かしらの価値を見出し巡らせ経済圏を創るプラン的な何かである一方、「トークノミクス」はトークンをうまいこと分配したりしてお金というか価値あるトークンを経済圏内で巡らせる戦略的なプラン的な何か、ということにしておこう。

そして、今回のトークノミクス案は大きく4つの案で構成されている。1つ1つそれが一体何なのか見ていこう。尚、こちらでも新通貨の単位を仮であるCATを使っていくのである。

結論から言うと、ノード運営者によりメリットある内容となっている。

インフレ報酬

11.7億XYMがインフレ報酬として、ノード運営者や委任ハーベスターにブロック報酬の形で分配される。

今まではトランザクション手数料のみがブロック報酬だったので、これによりハーベスティングで得られる報酬量が増えることになる。

NEMにはもともといくつかのコアファンドと呼ばれるアカウントがあり、そのほとんどは休眠状態である。その総額はおよそ30億XEMほどである。今回そのコアファンドの一部がこのインフレ報酬として分配されていくことになる。

よって、XYMの最大発行数はNEMと同じ8,999,999,999であるが、CATの初期供給数はその分が減った7,832,975,000となり、供給数が徐々に最大発行数に近づいていくことが演じられておる。

そして11.7億XYMの分配率は四年毎ではなく四半期毎に徐々に小さくなっていくように設計されているようだ。「今後120年間はビットコインのインフレに合わせる」とのことで、極々わずかになってしまうが100年後でもこのインフレ報酬が得られる仕組みとなる。

意図的に仕組まれたものであれブロック報酬が増えることは嬉しいことであるかもしれないが(市場価値が上がればな)、純粋なトランザクション手数料からのブロック報酬ではない点は多少懸念しているのである。

新設報酬システムの美味そうな香りにつられてノードが増えたところで、そのネットワークが活発に使われなければ根本的な解決にならない点は頭においておきたいのである。

尚、委任ハーベストへの参加条件に1万XEM以上の既得残高というのがあるが、こちらもそのまま同条件になるようだ。但し、将来的にコミュニティ承認の上で変更が可能にはなるとのことだ。ここはむやみやたらに条件を緩くすればいいというものでは決してないのではある。

ノード運営報酬

ノード運営者は委任ハーベスターが獲得したブロック報酬(上記インフレ報酬と手数料報酬)から25%を受け取る。

委任ハーベストというのはPCの電源を切っていても、ノード運用者に託すような形で参加できるNEMのマイニング的なものであり、自分でノードを建てなくても良いのがメリットである。しかし現NEMでは、委任される側のノードには委任されるメリットは皆無なのである。

これは純粋にノード運営者にとって改善された報酬システムであると言えよう。この報酬はSNでなくとも適用されるものだ。

既存の委任ハーベスターからしてみると、少ない保有量ほど少ない報酬機会であるのに報酬が減ってしまうことになるが、インフレ報酬が加わることで多少は緩和される可能性はある。

しかしながら、SN報酬制度が終了した後の世界を想像するとなお、前述のようにこれまでノード側に委任されるメリットがなかったことを思えば当然であるという考え方もできそうである。

スーパーノード(SN)報酬制度の段階的廃止

現在のSN報酬制度は約3,300万XYMが確保され継続するが、6年で段階的に廃止される。SN条件における通貨保有数が100万・200万・300万XYMと三層になる。

「NEMってスーパーノード報酬が枯渇したら終わりじゃね?w」などと説得力のない理論で不安を煽っていた輩がいた記憶がある。一掃である。

現NEMでは通貨の保有条件が300万XEMの一択のみだったのが、新たに200万XYMと100万XYMが追加され三層になる。階層が大きいほど報酬も大きくなる。

インフレ報酬が新たに設置されることもあり、SN報酬自体の量は大きく削減されている。三層SNの合計が現在のSNと同じくらいの数であれば、およそ5~6分の1以下になる感じだ。さらにその数は6年後に向けて減っていく。

SN報酬制度というのは、ネットワークが自活できるまでノードを運営してもらうために設立された持続可能性のない制度であり、一日も早くこの制度がなくなることが必要視されてきた。

今回、ハッキリとした終了目途が示されたことは良かったが、インフレ報酬ありきなので、完全な自活とは言い切れない部分があるのは認めざるを得ないのではなかろうか。

6年後までに純粋なトランザクション手数料がどれだけ増えているか、増やせているかが重要ではないかと思われる。

オプショナル報酬

期限付きのオプショナルとして次の2つの報酬制度が提案された。

尚、これらはNEMエコシステムに組み込まれた仕組みではなく、独立した報酬システムであり、容易に変更されたり削除されたりすることがあるようだ。その権限がどこにあるのかは不明であるが、移行委員会ではないかと思われる。

初期ノードボーナス

目的:ローンチからほどない時期までに十分なノードを確保するため
報酬:期限終了後に25,000XYM
通貨保有維持条件:最低50万XYM

・稼働開始前に参加表明すること
・初日から12ヵ月間ノードを運用していること
・最初の75人まで(1人あたり1ノード→KYCするのだろうか?)
・コア開発者やNEM法人、SNは参加できない

NEMエコシステムボーナス

目的:現NEMのNIS1ノードを維持させるため
報酬:期限終了後に312万5,000XYMを権利者で分配
通貨保有維持条件:最低25万XEM及び25万XYM

・初期ノードボーナスの受益者でないこと
・稼働開始前に参加表明すること
・1人あたり5台以下が望ましい
・初日から18か月間、それぞれ最低25万通貨を保有維持した、SN要件と同一環境のNIS1ノードとSymbolノードの両方を運用

以上、これらが所謂トークノミクスということであった。尚、三層のSNが今後10年でどのくらいの報酬が得られるのか?というシミュレーション結果も公表されているので参考までに参照されたし。

Catapultのローンチは2020年中

現在、まだまだ不安と希望が交錯する日々であるが、これが世にとって人にとって必要とされるものにしたければ、答えは吾輩たちが作っていくしかないのであろう。

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