IoTとNEMはいかにして医療分野に革命を起こすか~IoTとブロックチェーンのユースケース

 最終更新日2018/09/07 公開日2018/09/07    この記事は 約10分 で読めます。

ヘルスケアにおけるデータの安全性は、待ち望まれていたアップデートを迎えています。患者が誤って脳の手術をされたり、世界中で病院のデータインフラがハッキングされており、この分野は大幅な技術的アップデートを必要としています。

患者の検査結果やバイタルデータなどの機密性の高い情報が、データの侵害によって漏洩してしまう可能性があります。そうしたデータの安全性の問題は、医療従事者、健康保険会社、患者を苦しめています。

ブロックチェーンは、医療のシステムに関わる人すべてに貢献する、あらゆる医療に関するデータを安全に保管する技術として機能することができます。

ブロックチェーンによって、患者の検査結果、バイオメトリクス、保険の給付請求、フィットネスデータなどを安全に管理できるようになるのです。

問題

あらゆるものがますます相互接続されるようになっていますが、私たちはそうした需要やセキュリティリスクに対応することができるのでしょうか?

病院の機器は現在、ますます相互に接続されるようになっています。ペースメーカー、除細動器、その他の患者の生命を維持する医療機器はBluetoothを通じて接続することが可能で、遠隔操作によって管理を行うことができます。

平均的な病院のベッドの周りには、10~15の相互接続された機器が存在すると想定されています。

医療機器が取得したデータは時代遅れの中央集権的なサーバーに送られ、そのほとんどが簡単に不正アクセスをすることが可能です。相互通信の際に、そうした機器とサーバーの安全性を確保することが喫緊の課題です。

実際、昨年、世界中の病院に対する一連の攻撃が行われました。

ランサムウェア(WannaCryウイルスと似たもの)と呼ばれる種類のそのウイルスは、病院のファイルを解読可能にすることの見返りにビットコインでの身代金を要求しました。そうしたファイルには、患者の記録、病院のメッセージングシステム、モニターシステムなどの情報が含まれていました。

これは病院の患者にとって不都合なことです。なぜなら、様々な部署の医者や看護師がコミュニケーションの問題を抱えることになるからです。

患者の身分証明もインフラがダウンしていればさらに困難になってしまいます。2人の患者が異なる手術を受ける際には、彼らを取り違えることはあってはなりません。

たいていの病院の患者記録は中央集権型で保存され、従来型の技術に頼っています。そうしたシステムは、過去数年にわたり様々な方法で侵入されてきました。機密性の高い患者データが失われたり、盗まれてしまうこともあり得るため、そのことは個人情報の漏洩にもつながります。

医療機関、健康保険、そして調査会社の間で、データを共有し、それを信頼性があり迅速かつ安全な方法で検証する必要があります。あらゆる関係機関がそうしたデータに素早くアクセスできる必要もあります。

なぜブロックチェーンか?

ブロックチェーン…変更不可能で安全かつ分散型のシステム

すでに述べたように、ブロックチェーンは上記の問題に対する利便性の高い解決策です。ブロックチェーンは、医療データの安全性確保や監視、料金の支払い、他の医療業者のブロックチェーンとの通信など様々な行為をワンステップで行うために必要な機能を提供してくれます。

さらにブロックチェーンは変更不可能な性質を持ち、それはデータの履歴を記録しておく際に重要な要素となります。この変更不可能性は、保険請求や不正な医療行為の調査を行う際に非常に役に立ちます。

データをはじめから終わりまで追跡できることによって、問題の特定や、個別の患者の状況を俯瞰して把握することが非常に容易になります。

この記事では、NEM(特にCatapult)を採用した場合の話をしていきます。

そのスマートアセットシステム、マルチシグネチャコントラクト(共同署名人を必要とするトランザクション)、アポスティーユシステム、そしてクロスチェーン転送により、NEMは医療分野にとって非常に魅力的な技術的ソリューションとなっています。

以下のソリューションの章では、NEMの機能が、医療分野のインフラに対するソリューションにおいて、どのように重要な役割を担うのかを詳しく紹介していきます。

ソリューション―NEMの活用

NEMを活用することで、病院や健康保険会社は安全な方法で、簡単に意思疎通できるようになります。

保険会社は医療行為の変更不可能な記録へのアクセスを持ち、それを追跡することが可能です。そのおかげで、保険会社は保険請求を処理する際に、多くの時間とコストを節約することができます。

NEMのマルチシグネチャコントラクトにより可能になるこの追跡機能を使うことで、あらゆる関係者が責任を持って、その請求に関わる情報が正確なもので事実であることを検証することができます。

その事例に関わる必要のある当事者だけが、NEMのマルチシグネチャを通じてアクセス権限を与えられます。

NEMのスマートアセットシステム(通称モザイク)を使うことで、厳しく規制された鎮痛剤などの、在庫や数量を表すアセットを変更不可能な方法で驚くほど簡単に作ることができます。

それぞれのボトルにNFC/RFIDタグを取り付け、使用が開始されればそれをスキャンします。同様のコンセプトは病院のあらゆる消耗品に応用することができます、

さらにNEMのアポスティーユシステムによって、医療必要度の診断書(LMN)などの患者ファイルのハッシュを保存しておくことができます。この手続きの間に何か問題が起これば、そのファイルのハッシュは患者がもらったものと比較され、それが正しいものであることが担保されます。

これは患者の取り違えを防ぐ目的で、手術前の確認に使うこともできます。患者のバイオメトリクスをハッシュ化し、その後誤った手術を受けることを防止するために、操作テーブル上で検証することもできます。

Catapultセキュアロックトランザクション(クロスチェーン転送)と併せて、プライベートブロックチェーンのネットワークを活用し、2つの異なるブロックチェーン間でデータを転送することも医療分野では有効です。

例えば、病院Aが病院Bからある患者の記録を手に入れる必要がある場合を考えてください。患者が自分のプライベートキーを入力したりバイオメトリクス認証をすることで、病院Bのネットワークから病院Aへの転送を行うことができます。

病院である患者が亡くなってしまい、不適切な医療行為の可能性がある場合、調査会社は、患者に何が起きたのかを保存しているブロックチェーンの変更不可能な記録を参照することができます。

●患者は正しい薬を投与されたか?適切な処置が行われたか?
●どの機器が不具合を起こし、しきい値を超えたか?
●病院が患者をネグレクトしていたか?

ブロックチェーンの提供する初めから終わりまでを記録する機能のおかげで、今ではそうした質問のすべてに容易に答えることができます。

IoTの活用

10個の健康モニタリング機器が中央サーバーにデータを記録するのではなく、その情報を直接Catapultのサイドチェーンに記録することができます。組み込まれた機器からブロックチェーンに直接データを転送するというこの革新的な技術は、CryptoConfirmの特許によるものです。

また、IoT機器とスマートウォッチを使用することでも、患者のプロフィールの下でブロックチェーンに直接アクセスすることができます。

身体活動、食料の摂取、そして他のフィットネスデータなどの情報を活用することで、健康保険会社は、そうして証明された健康なライフスタイルを読み取り、それに対して割引を適用することができるようになります。

病院のベッドサイドで取得したデータは暗号化可能です。接続できないIoT機器が1つ以上ある場合には、暗号化されたデータはオフラインで保存され、その後接続が復旧した際にアップロードされます。

これは、ブロックチェーンへの接続ができないあらゆるシナリオにおいても、データが失われることが絶対にないようにするためです。

さらに病院のベッドを囲むそれぞれの接続された機器は、NEMのトランザクションに共同署名を行い、完全なデータのまとまりが適切に記録できるようにします。

順調に動作している場合には、機器がすべて適切なしきい値の下で通常通り作動しているというシグナルが出され、そうでない場合には、病院のスタッフにその機器に関する潜在的な問題が警告されます。

まとめ

変更不可能で安全な分散型データシステムと、システムに組み込まれた小さな機器を併用することで、生の改ざんされていないデータがブロックチェーンに保存されるという、興味深い運動が生まれます。

多くの人命が、病院が素晴らしいデータインフラを持っていることによって救われます。システムに組み込まれることで、IoT機器は、患者のために最良の治療判断を行う際の強力なツールとして機能します。

この情報をブロックチェーンに記録して、患者が病院に入院している間の、安全性の高い詳細な医療履歴を提供することができます。

この記事の目的は、NEMを医療産業において活用するための革新的な方法を紹介するというものでした。

 - NEM(ネム) , ,

  著者プロフィール

お忙しいところ、貴重なお時間の中での当サイトへのご訪問ありがとうございます。

WEBデザイナー/ディレクターとしてのリーマン生活を脱却し、FX専業(兼業?)トレーダーをやりながら、MT4のEA/インジケーターの開発やFX関連情報サイトを運営していました。

今ではもう暗号通貨に絞って福岡を拠点に隠密活動しています。主にNEMをガッツリ、EthereumのDappsは趣味程度に。10年近いトレーダー経験を活かし、暗号通貨相場のテクニカル分析もやってます。

またの機会にぜひ当サイトをご利用いただけるご縁があればとても嬉しく思います。今後ともよろしくおねがいいたします。