CATAPULTは今年中にリリース予定~NEM財団代表ロン・ウォン氏へのインタビュー
最終更新日2017/09/30 公開日2017/09/30 この記事は 約10分 で読めます。
僕らのロン先輩へのインタビューの和訳です。前回の別のインタビューと一部で似たような回答になってるところありますが、ちょっと読んでみましょう。
目次
- 1 CATAPULTは今年中にリリース予定~NEM財団代表ロン・ウォン氏へのインタビュー
- 1.1 DowBit(以下DB):どのようにして暗号通貨に携わるようになったのですか?
- 1.2 DB:NEM財団の目標とは何ですか?
- 1.3 DB:NEMの長期的な目標とは何ですか?
- 1.4 DB:NEMのチームはどれほどの規模で、開発者たちはどこで活動しているのですか?
- 1.5 DB:NEMのバージョン2.0であるCATAPULTについては様々な噂があります。CATAPULTについてもう少し詳しくお話いただけますか?
- 1.6 DB:とても便利そうですね。
- 1.7 DB:CATAPULTの正確なリリース日は決まっていますか?
- 1.8 DB:NEMのプラットフォーム上ではアプリケーションを開発することができ、イーサリアムやNEOと同様のシステムとなっています。この二者を競合相手とお考えですか?
- 1.9 DB:Wicked Crypto Meetupの開催中に、あなたはマレーシアのBlockchain Centreについてお話しされていましたね。開発者のサポートをするということでしたが、開発者以外のNEMについて学習したいと考える人々にとっても有益な場所なのでしょうか?
- 1.10 DB:Blockchain Centreをさらに開設していく予定ですか?
- 1.11 DB:あなたはマーケティングを拡大したいとお話ししていましたね。もっとも有名なニュースは、NEMがリトアニアのバスケットボールチームのパートナーになるというものです。このような、さらに多くのクラブを支援するといった活動を行う予定はありますか?
- 1.12 DB:なぜリトアニアのバスケットボールチームを選んだのですか?
- 1.13 DB:その提携関係に満足されていますか?
- 1.14 DB:最後の質問は、中国でICOと取引所が禁止されたことについてです。そのことはNEMにも影響があるでしょうか?
- 1.15 DB:ICOの禁止は正しいと考える人もいます。あなたのご意見をお聞かせください。
CATAPULTは今年中にリリース予定~NEM財団代表ロン・ウォン氏へのインタビュー
NEMは現在、市場総額の面で世界第7位の暗号通貨です。proof-of-importanceを基盤としたプロジェクトを活用することで、送金を行うだけでなく、自身のアプリケーションを構築することも可能になります。2年半にわたる開発の成果が、まもなく待望のアップデートを迎えます。それこそがCATAPULTです。
月曜日のWicked Crypto Meetup中に、NEM財団の現会長であるロン・ウォン氏へインタビューをする機会を得ることができました。
NEMの創立者であるロン・ウォン氏は、暗号通貨開発の戦略やCATAPULTのリリース日時に関する知られざる秘密について私たちに語り、中国での最近の出来事についてもコメントをくれました。
DowBit(以下DB):どのようにして暗号通貨に携わるようになったのですか?
ロン・ウォン(以下LW):2010年にある人物が私にビットコインのマイニングに投資を行うように頼んできたのです。彼はビットコインのマイニングの概念について説明してくれましたが、私はそのソリューションの支持者ではありませんでした。
時間とお金の無駄だと感じましたし、どこでそれを売っていいのかも知りませんでした。その当時には取引所などなく、それが問題でした。
2013年に私はビットコインを支えている技術、つまりブロックチェーンについて詳しく調べてみようと思いました。するとブロックチェーンは、特に金融機関にとって実に強力なツールだと分かったのです。金融業界の問題を発見した時に、私は金融業界に向けたブロックチェーンのサービスを行おうと決意したのです。
私はイーサリアムに出会い、6か月かけて検討しましたが、適切なプラットフォームではないと判断しました。私は他のシステムに目を向け、そしてNEMを発見したのです。最初はチームの一員として携わり、その後しばらくすると私は彼らに提案を行うようになりました。最終的には彼らが私をNEM財団の代表に選んでくれたのです。
DB:NEM財団の目標とは何ですか?
LW:NEM財団は次の3つのことを重視しています。ブロックチェーン技術をあらゆる産業、政府機関、そして学術界において普及させることです。それによりNEMが世間一般に広く普及することになります。こうしたことが主要な目標です。
DB:NEMの長期的な目標とは何ですか?
LW:長期的な目標はハッキリしており、それは暗号通貨の業界でナンバーワンになることです。さらに、NEMの技術をシームレスに活用してもらい、私たちの技術が世間の人々にとって使いやすいものになれば良いと考えています。
気軽にアプリケーションを選んで、暗号通貨を取引できるような仕組みです。それを実現したいと思っています。さらにはシンプルな製品にして、誰にとっても使いやすいものにするつもりです。
DB:NEMのチームはどれほどの規模で、開発者たちはどこで活動しているのですか?
LW:開発者たちはヨーロッパとアメリカを拠点に活動しています。NEMには3つのコアデベロッパーが存在します。これは重要な情報ですが、NEMにはコアチームとアプリケーションチームの2つがあります。
アプリケーションチームの開発者たちは世界中に散らばっています。現在、実際にプロジェクトに携わっている者は30~40人ほどです。私たちは開発者の数を100人、場合によっては200人にまで拡大したいと思っています。以上が現状です。
DB:NEMのバージョン2.0であるCATAPULTについては様々な噂があります。CATAPULTについてもう少し詳しくお話いただけますか?
LW:CATAPULTにおける最大の変更点は、プッシュ&プルトランザクションに対応しているということです。プッシュはトランザクションを送信することを意味し、プルは取引相手に承認をリクエストすることです。
プッシュ&プルトランザクションとは、つまり私があなたにXドルを送り、あなたが私にY XEMを送るというような取引のことです。
私がコインを送金(プッシュ)し、私はXEMでの受け取り(プル)をリクエストします。もし自分と先方の両方が承認すれば、取引は完了です。複数人での取引も可能です。
私があなたに送金し、あなたも私に送金することができます。私が私の友人たちに送金し、彼らがそれをあなたに送金するといったことも可能です。もし全員が承認すれば取引が完了します。
このシステムによって、様々な用途において多くの創造性が生まれます。これは本当に大切な機能です。もう1つの重要な点としては、CATAPULTの処理速度と設計があげられます。
DB:とても便利そうですね。
LW:その通りです。さらにはプログラムをする必要もなく、設定を行うだけでいいのです。イーサリアムではプログラムをする必要がありましたが、私たちのバージョンでは、ただクリックをするだけで十分です。
DB:CATAPULTの正確なリリース日は決まっていますか?
LW:2017年中にはリリースされる予定です。
DB:NEMのプラットフォーム上ではアプリケーションを開発することができ、イーサリアムやNEOと同様のシステムとなっています。この二者を競合相手とお考えですか?
LW:いいえ、その二者は私たちのものとは違ったシステムです。彼らが扱っているのはスマートコントラクトです。
私たちはオフチェーン(チェーン外)のスマートコントラクトを提供しており、彼らが行っているのはオンチェーン(チェーン上)のスマートコントラクトです。
私は彼らを競合相手とは考えておらず、むしろブロックチェーン技術を業界全体に普及させるための仲間だと思っています。私たちは共存することが可能です。業界内に3~5社ほど存在していても、それは問題にはなりません。
DB:Wicked Crypto Meetupの開催中に、あなたはマレーシアのBlockchain Centreについてお話しされていましたね。開発者のサポートをするということでしたが、開発者以外のNEMについて学習したいと考える人々にとっても有益な場所なのでしょうか?
LW:もちろんです。Blockchain Centreを訪問して、NEMについてもっと詳しく学ぶことができます。150㎡ものスペースがありますから。
あなたが実業家や、開発したいソリューションを持っている人物であるなら、私たちはその手助けをすることができます。私たちの開発者は世界中から集まり、私たちのビジネスを開発しています。
DB:Blockchain Centreをさらに開設していく予定ですか?
LW:はい、ヨーロッパでの開設を予定しています。あくまで候補ですがワルシャワ、ウィーン、ロンドンにより小規模なセンターを作りたいと思っています。2~5人の従業員がいる150㎡ほどの小さな規模なセンターを開設して、ヨーロッパ全土への進出のために活用します。
DB:あなたはマーケティングを拡大したいとお話ししていましたね。もっとも有名なニュースは、NEMがリトアニアのバスケットボールチームのパートナーになるというものです。このような、さらに多くのクラブを支援するといった活動を行う予定はありますか?
LW:いいえ、必ずしもそのようなことを行う必要はありません。今回のような活動を1つだけ行い、成り行きを見守れば良いのです。私たちはマーケティングを行い、企業を発見したり、イベントを支援しています。
DB:なぜリトアニアのバスケットボールチームを選んだのですか?
LW:ある人がスポンサーの依頼をしてきて、私はそれを良い提案だと感じたからです。彼らは非常にフレンドリーな人々ですよ。
DB:その提携関係に満足されていますか?
LW:はい、これまでのところ素晴らしいものです。私は彼らのバスケットTシャツを持っていますよ。第1戦にも勝って、すべてが順調です。
DB:最後の質問は、中国でICOと取引所が禁止されたことについてです。そのことはNEMにも影響があるでしょうか?
LW:いえ、影響はないでしょう。私たちは通常通り業務を行っているからです。中国の思い切った政策によって、暗号通貨の事業全体の成長が遅れはするでしょう。しかし、暗号通貨の分野は発展し続けます。後退することはあり得ません。発展し続けるのみです。
DB:ICOの禁止は正しいと考える人もいます。あなたのご意見をお聞かせください。
LW:実を言えば、法的な観点から考えれば、現在のICOの方式は非合法です。非合法なので、あらゆる国々の証券委員会が、IPOとは違うルールでICOを規制しようとします。この傾向は今度も強まるでしょう。
私たちはそれを止めるべきではありません。なぜなら、ICOは新しい種類の資本、つまり新しいお金であり、もしもICOが合法になれば誰もが参加できるものだからです。
ベンチャーキャピタルを見つける必要はありません。出自に関係なく誰もが会社を創業するチャンスが得られるように、規制が行われるべきです。それがグローバルコミュニティの構築に役立つでしょう。
著者プロフィール
お忙しいところ、貴重なお時間の中での当サイトへのご訪問ありがとうございます。
WEBデザイナー/ディレクターとしてのリーマン生活を脱却し、FX専業(兼業?)トレーダーをやりながら、MT4のEA/インジケーターの開発やFX関連情報サイトを運営していました。
今ではもう暗号通貨に絞って福岡を拠点に隠密活動しています。主にNEM Symbolをガッツリ、EthereumのDappsは趣味程度に。10年以上のトレーダー経験を活かし、暗号通貨相場のテクニカル分析もやってます。
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