LuxTagはICOを回避し、ブロックチェーンのユースケースを追及

 最終更新日2018/07/24 公開日2018/07/24    この記事は 約8分 で読めます。


ブロックチェーン技術を活用した実際のユースケースを提供する取り組みに、東南アジアのある企業が参入してきたことが注目されています。

あまり知られていないLuxTag Sdn Bhd(高級商品をブロックチェーン上でタグ付けするというアイディアから名づけられました)ですが、いくつかの理由で傑出した存在だと言えます。

まず第一に、同社はICOを行っておらず、これから実施する計画もしていません。第二に、同社には業界のビッグネームが共同創立者として携わっています。その人物とはNEMブロックチェーンへの初期からの貢献者であるジェフ・マクドナルド氏です。

そして第三に、LuxTagはマレーシアで精力的に活動しています。マレーシアは、現在はブロックチェーンハブとしては知られていませんが、将来的にはブロックチェーンアプリケーションのテストベッドとなり、そこから世界へアプリケーションを輸出する拠点となる可能性があります。


LuxTagの主力製品の1つは、マレーシアの大学と共同で開発中のもので、同社は大学の学位や成績証明の認証を可能にするブロックチェーンソリューションに取り組んでいます。そうしたソリューションによって、例えば雇用者は、従業員の学歴がどれほど信頼性のあるものか、ということに悩まされる必要がなくなります。

LuxTagは教育省(MOE)を巻き込み、公立大学のコンソーシアム形成を促進し、教育証明書の偽造を防ぐためのブロックチェーンを基盤としたソリューションを共同制作したいと考えています。

LuxTagのCEOであるRene Bernard氏と、CFOであるFaeez Noor氏は、現在までかなりの時間を割いて、マレーシアの公立大学で公演を行うことで、ブロックチェーンのメリットの周知を図ってきました。

さらにLuxTagは、地元のアーティストであるPoesy Liang氏と共同で、彼女の絵画をブロックチェーン上で安全に管理するというプロジェクトに取り組んできました。

Bernard氏は

「私たちは提携を結んで、Liang氏のアート作品の出自を記録し、それを認証するブロックチェーンソリューションの実行に取り組んでいます。

Provenance Trackingは、LuxTagがPoesy Liang氏のために開発した、ブロックチェーンを活用したタグ付けソリューションです。LuxTagは自社のブロックチェーン技術をホワイトラベル化して、様々な産業に販売しようとしています。」

と説明します。

マクドナルド氏は、LuxTagのブロックチェーン技術は大いなる飛躍であると考えています。

「ブロックチェーン上に何かを構築する議論をする人々の多くは、いまだに第一世代のやり方を続けています。ほとんどのプロジェクトは単純に、ブロックチェーン上に、このアイテムが開発されました、というメッセージを残しているにすぎません。

LuxTagはそうしたメッセージを書き込むだけでなく、それぞれのアイテムに個別の証明書を発行します。私たちはそうしたアイテムをブロックチェーン上に移行し、それが独自の道を歩めるようにします。」


絵画を例にとれば、LuxTagは、その絵画にシリアルナンバーを付けるだけにとどまらず、それをその絵画の高解像度の写真にリンクさせます。

同社はさらに、シリアルナンバーを絵画のフレームに埋め込む方法を模索しています。それが実現すれば、シリアルナンバーを偽造するためには絵画を破るか破壊することが必要になります。

「あらゆる高価な商品について、偽造を金銭的に割に合わないものにすることによって、私たちはそれを撲滅することができます。」

とマクドナルド氏は言います。

しかし、LuxTagにも課題はあります。そのソリューションは世界的な高級商品の業界にとって理想的なものである一方で、マレーシア発のスタートアップが、ソリューションの提供相手である世界的な大企業を説得することは容易ではありません。

「マレーシアにも良い点はありますが、世界的な高級商品ブランドをターゲットするには理想的な拠点とは言えません。」と彼は述べます。


しかしながら、LuxTagはアメリカを拠点とするアパレル企業で、サイクリスト向けの靴下を製造しているDeFeet Incと共同のプロジェクトを開始しました。

「私たちはプロジェクトの完全なデプロイに近づいています。デプロイが済めば、彼らの商品ラインのいくつかに私たちのタグ付けソリューションが取り入れられることになり、DeFeet Incは市場の不正なトランザクションに対処し、直接的な消費者への関りを強化することができます。」

とFaeez氏は言います。

資金調達の際に、ICOを行わなかった理由は主に、そうした資金調達方法の法的な明確性がなかったためです。

「私たちの目的は、製品の認証における信頼性を構築、実装、達成し、大規模な組織、ブランド、政府機関と契約を結ぶことです。仮に私たちがICOにより資金を調達した企業であれば、そのことは私たちの評判にとって良い方向には働かないでしょう。」

とBernard氏は説明します。

「ほとんどのICOは、規制を適切に認識していません。」とFaeez氏は指摘します。

しかし、マクドナルド氏はより興味深い捉え方をしています。
「さらにICOは、実世界の企業にあなたの技術を採用してもらいたいのであれば、愚かなビジネスモデルです。

例えば、LuxTagが有名な世界的ブランドのオーナーにアプローチし、ブロックチェーン上で彼らの製品を安全に管理する技術についてのピッチを行うとしましょう。

しかし、そうした場合、彼らは私たち独自の”LuxTag coin”で支払いを行わなくてはならなくなります。この仕組みはどんな世界的ブランドにも受け入れられないでしょう。
とマクドナルド氏は考えます。

彼はアジアでの会合でそうした課題について講演をし、企業は彼の言うところの「デジタル的な派手さ」への執着を捨て、それよりも実世界の技術的ソリューションをブロックチェーン上で構築することに集中すべきだと警告してきました。

LuxTagは2016年の終わりに設立され、最初の半年間は3人の創立者たちの自己資金だけ運営されていました、とFaeez氏は言います。

その後、LuxTagは二カ所から支援金を獲得しました。Agensi Inovasi Malaysia のベンチャー部門であるPlaTCOM Ventures Sdn Bhdからおよそ425,000リンギット(105,000ドル)、さらにNEMのコミュニティファンドから240万XEMを調達しています。

この資金により、LuxTagは自社のビジネスを、株式を失うことなく構築することが可能になりました。株式の大部分は3人の創立者が保有しています。

最近、アメリカを拠点とするxSquared VenturesがLuxTagの株式の9%を600,000ドルで取得しました。彼らはスタートアップであるLuxTagを、660万ドルの価値があると判断したことになります。

「(支援金調達により)私たちのビジネスは少なくともあと2年間は継続できそうです。」とFaeez氏は言います。

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