NEM/Mijinのブロックチェーン技術の状況報告(2017年1月)
最終更新日2018/07/29 公開日2017/01/15 この記事は 約16分 で読めます。
以下、2017年1月10日にNEM公式ブログで公開された「NEM/Mijin Blockchain Technology Briefing January 2017」の全文和訳です。
目次
NEM/Mijinのブロックチェーン技術の状況報告(2017年1月)
事業概要
NEMは、2014年1月に始まったオープンソースのブロックチェーンのプロジェクトです。Javaを使って一から開発されたもので、現在はパフォーマンス向上のために、二度目のイテレーションを実行中です。
NEMのブロックチェーンのシステムは、ピアツーピアのプラットフォームで、プライベートなチェーン(Mijin)とパブリックなチェーンの二種類があります。
NEMのプラットフォームの技術は、主流のビジネスに必要な条件を満たすように設計されており、非常に用途の広いものなので、一般的な用途だけでなく、金融分野での使用にも適したものとなっています。
性能が向上したNEMの機能は、ほとんどのブロックチェーンには見られない、総体的なソリューションを生み出します。複数のアセットとマルチシグネイチャーのトランザクションの管理を行う、マルチ台帳のシステムなどがその一例です。
もっともクリエイティブなNEMブロックチェーンのアプリケーションはアポスティーユ(日本語ホワイトペーパー)でしょう。アポスティーユを活用することによって、書類を公証することができ、その後も更新を行ったり、他人にそれを譲渡することもできます。
金融分野のブロックチェーンのシステムとして、NEMは支払、清算そして決済といった用途で使用することができます。それらの処理は完全に管理されたプライベードな環境で行われ、たいていの規制の枠組みの条件も満たしています。
1. 構造. チーム、ユーザー/貢献者
(※画像はNEM NodeExplorerよりNEMフルノード多い順)
NEMは、理想的なブロックチェーンがどのようなものであるかを再び考えさせてくれます。
NEMは約3年間、開発作業が行われており、2年間にわたって中断や大きな問題もなく稼働しています。多くの第三者の開発者や貢献者の協力も得ており、メインの開発者も趣味として作業をしているのではなく、企業レベルの4人のプロがフルタイムで開発に携わってきます。NEMはテスト・検証済みの技術であり、素晴らしい検証結果を残しています。
15~20人の中心メンバーからなる、大きなコアグループは、世界中に広がり、教育的なイベントを開くだけでなく、NEMの採用とアプリケーションの開発を促進しています。
NEMの熱心なコミュニティのユーザーや支持者は、世界中で数千人に及びます。特に以下のような国々で、NEMのサポートやイベントが熱心に行われていると知られています。
- 日本
- マレーシア
- 韓国
- アメリカ
- ドイツ
- オーストリア
- ポーランド
2016年の7月にNEMのコミュニティは、国際的な親組織とするべく、シンガポールに保証有限責任会社であるNEM.io Foundation Ltd(NEM財団)を設立することで合意(ブロックチェーンを基にした投票でコンセンサスを得た)しました。
この会社は2016年の12月に設立され、今後は地方の非営利団体として次々と登録されている、国や地域の支部を束ねていくことになります。
国々の支部は、シンガポールの財団が定めた慣習に従う義務があります。支部の構成員は集まってコミュニティを組織するだけにとどまらず、ビジネス、学問的研究や地域の政府などに携わり、その地域での教育的イベントやワークショップを開催することにもなるでしょう。
マレーシアは2016年にNEMの法人が作られた最初の国であり、その法人とはNEMマレーシア協会(NAOM)です。
NEM財団は、ブロックチェーン検証研究所とブロックチェーンのアプリケーション開発研究所の設立を目指しており、この記事を書いている時点では、NAOM、Dragonfly Fintech Pte.Ltd(シンガポール)、テックビューロ(日本)が協力を行っています。
マレーシア政府は総理府の管轄機関である先端技術のための産業・政府グループ(MIGHT)を通じて、マレーシア国内の企業のブロックチェーン技術についての認知度を向上させるため、NEM財団とNAOMをその敷地内に受け入れることで最近合意しました。したがって、NEM財団はその世界的な活動拠点をマレーシアに置くことになるでしょう。
2. 機能、パブリックとプライベート、Mijinの導入
NEMは多くの新しい機能を持っています。マルチシグのコントラクトと、新しい種類のネームスペースを備えた最初のものであり、量や課税額そして第三者への譲渡権が調整可能な、高度にカスタマイズ可能なアセットを導入しました。
トランザクションのスパムからの保護機能、悪意があったり欠陥のあるノードを無視するためのノード評価機能、そして、PoWよりもはるかに環境に優しくて稼働効率も良い、新しいproof-of-importance(PoI)のコンセンサスを備えています。
POIについてもっと学ぶために、POIがどのようなものが見てみましょう(日本語でPOI解説はこちらで)。POIによって、NEMのネットワークが軽くて速いものとなり、ここで紹介した豊かな機能が内蔵されているにも関わらず、メンテナンスも容易になるのです。
パブリックのブロックチェーンネットワークは常に帯域幅(毎秒あたりのトランザクションの最大数)の問題を抱えることになるでしょう。これは、大きなネットワークのいたる所で起こる、ノードネットワークの同期によって生じる技術的な限界が原因です。接続性や同調している地理的な距離が様々である多くのノードを含んだチェーンを維持するには、単純に時間がかかるのです。
したがって、NEMの見解としては、NEMのような技術を基にした許可制のチェーンの方が将来性は豊かであると考えており、そうした許可制のチェーンをパブリックのチェーンに組み入れていくことになるでしょう。
つまり、例えばプライベードのチェーンのブロック10個ごとに、そのハッシュはパブリックチェーンへと組み込まれていきます。そのようにして、パブリックチェーンの利点を失うことなく、プライベートチェーンの長所を活用しながら、不変性とある程度の公の監査可能性が達成されます。
MijinはNEMのプライベートチェーンのプロジェクトです。Mijinは、許可制のチェーン実装のためのNEMの戦略的パートナーである、日本企業のテックビューロにより開発され、ライセンスが取得されています。
Mijinは現在、4層構造の設計としての、将来的な持続性をテストされている最中です。カタパルト(日本語ホワイトペーパー)というコードネームがつけられており、C++で書かれて、実装されている途中です。現在のエンドツーエンドのプロトタイプは、毎秒4000トランザクション以上の環境で、第三者により独自に検証されています。
テックビューロが作ったプライベートなハイスピードのブロックチェーン“Mijin”
これらはどちらも、前述の技術を基にしています。
ブロックチェーンのネットワークのコンセンサスは、独自の環境やエネルギーに優しいアルゴリズムの“POI”(Proof of Importance)を使用することで達成されます。POIは、それ以前に開発されたPoW(Proof of Work)やPoS(Proof of Stake)と比較すると、技術的に進歩したアルゴリズムです。
NEMのブロックチェーンは、第二者や第三者のアプリケーションやウェブアプリケーションからのAPIコールを通じて、容易にアクセスできるように設計されています。そうしたアプリケーションの例としてはNanowalletが挙げられます。
事実上、NanowalletはNEM固有の機能を組み込まれたウォレットのアプリケーションであり、ウェブブラウザだけあれば、それを稼働してNEMのチェーンと相互にやり取りすることができます。
NEMのモバイルアプリケーションはスムーズで、上記の機能によって大きな量の帯域幅を消費することはありません。
現在、同様の利点を提供できるブロックチェーンは他にはありませんし、全面的なロールアウトの準備が出来ている許可制のチェーンも他には存在しません。
3. 主な使用例
実際のユースケース例
https://drive.google.com/file/d/0B_jImF0AZXu-OFZqajNYSHZRR0k/view
4. 一般公開記事とPRのリリース
Catapult records 4142 tps!(日本語)
NEM at Inside Fintech Seoul, Korea
NEM/Blockchain Event in Cyberjaya incl. 1min Video
Apostille launches transferable, updateable, and conjointly owned notarizations on NEM and Mijin blockchains.
Reporting from developers
NEM Association registered by Malaysian Government
5. 主要なスポンサーと支持者、メディアでの掲載(公的なものと民間によるもの)
MijinのNEM技術は、以下に挙げる300以上の企業や機関によって検証されています。
アララ株式会社
住信SBIネット銀行
株式会社オウケイウェイヴ
BC Fintech
Dragonfly Fintech
Metro Money Exchange
インフォテリア
Japan’s Ministry of Economy, Trade and Industry (METI) Survey on Blockchain Technologies and Related Services
SBI Sumishin Netbank
Money Metro Exchange Selects Dragonfly Fintech as its Payment Solution
ブロックチェーン技術を基盤とした知識流通システム『OKWAVE YEBISU』を開発
Dragonfly Fintech to power Metro Money Exchange
Interview Lon Wong - June 2016, The Edge Financial Daily - page 22
Infoteria & BCFinance Bring the Private Blockchain to Finance
Meryl Lynch Report “Fintech and Blockchain The impact on Japan's IT services sector” (July 216)
NEM Mentioned
A Study on Introduction of Financial Services Using Blockchain Technology - A report by Sungshin Women's University commissioned by the Korean Financial Services Commission
The Edge Markets - Blockchain for Mainstream Banking(日本語)
USPS May 2016 reviews POI
Korean Financial Security Institute reviews POI
Japanese Blockchain Consortium grows to 100 members(日本語)
The Edge Markets - Is Blockchain Technology Practical for Banking?(日本語)
Top Ten Cryptocurrency NEM/XEM:
以上が公式ブログの和訳です!
そのほか、日本のNEMberによる自主活動
●NEMの蛇口テスト版「NEM Testnet Faucet」
●XEMで買えるNEM印のこだわりコーヒー「nem COFFEE」
最後にこちらも紹介します。(正体不明の)liangさんの記事は毎回ズンと響きます。
僕らNEMberの思いを乗せて、2017年NEMは飛躍する。SNという、我が城を建て、XEMを抱きしめ、ワクワクしながら新経済運動をNEMと共に体感しようではないか。
スーパノードと共に迎える2017。いよいよNEM/Mijin勝負の年がやって来た。
著者プロフィール
お忙しいところ、貴重なお時間の中での当サイトへのご訪問ありがとうございます。
WEBデザイナー/ディレクターとしてのリーマン生活を脱却し、FX専業(兼業?)トレーダーをやりながら、MT4のEA/インジケーターの開発やFX関連情報サイトを運営していました。
今ではもう暗号通貨に絞って福岡を拠点に隠密活動しています。主にNEM Symbolをガッツリ、EthereumのDappsは趣味程度に。10年以上のトレーダー経験を活かし、暗号通貨相場のテクニカル分析もやってます。
またの機会にぜひ当サイトをご利用いただけるご縁があればとても嬉しく思います。今後ともよろしくおねがいいたします。