NEMのネームスペースとモザイクって何なのか?
最終更新日2017/08/21 公開日2016/12/04 この記事は 約9分 で読めます。
NEMにはあなた独自のトークン(通貨 / コイン / カード / アセットと表現はどれでもOK)を発行する機能があります。それがネームスペースとモザイク(namespace:mosaic)です。
NEMの通貨はXEM(ゼム)として流通していますが、これもその関係にあってnemがネームスペース、そのモザイクがxem(nem:xem)となってます。
目次
ネームスペース(namespace)とは何か?
counterpartyなど他に独自トークンを発行できるものは単一のトークン名を付けるだけになりますが、NEMではまずネームスペースというものを得るところが特徴的です。
NEM公式情報では、インターネットでいうドメインのようなものだと定義されています。
ネームスペースはレンタルすることで取得できます。もしあなたが「diner(ダイナー、食堂)」というネームスペースを取得すると、他の誰かはそれを重複して取得することはできません。レンタルの有効期限は1年間です。
また、サブドメインと似たような感覚でサブネームスペース(sub-namespace)を1つのネームスペースにつき最大2階層まで取得することができます。
diner.sub01.sub02
ネームスペースはこのように、.(ドット)区切りで、1つのルートネームスペースと2つまでのサブネームスペースの最大3レベルまで構成することができます。
ルート名が違えば、サブは誰かのヤツと重複してもOKです。
発行者B氏:diner.sub01.sub02(←ダメ)、cafe.sub01.sub02(←問題ナシ)
文字数は制約されてる
ネームスペースの最大文字数は16文字、サブは64文字まで。
※最初の頭文字は必ずアルファベットではじめるように、数字からはじめるのはダメだと注意書きがあるのですが、ハードフォーク前にもいくつか、ハードフォーク後には"0"というネームスペースが取得されてるようでナゾです。追記→ 問い合わせの結果、lightwalletからだと取得できちゃうんだそうですw
取得できない予約語
次のネームスペースは取得できません。
なおこの予約語リストは今後増える可能性があります。
脱線:.comドメインみたいに将来プレミアがつくのか?
なによりもまずNEMがメインストリームになって有用性がバリバリになる大前提がありますが、そのポテンシャルが一切ないわけではないのでちょっと調べてみました。
過去に高額で取引された.comドメイントップ15と同名ネームスペースの取得状況
(2016/12/4現在、comを第1レベルとした第2レベルドメインとnamespaceの単純比較です)
ほほー、ほとんどゲットされておりますね。icloudとかFBは権利的なアレが発生しそうで同名ネームスペースは取りたくないですが…。
ちなみに…僕は上記の中からdiamondとbusinessをレンタルしていますw 用途は不明に決まってます。
モザイク(mosaic)とは何か?
このモザイクがトークンだったりコインだったりカードだったりする部分です。ネームスペースがドメインであれば、モザイクはWEBページや画像などのファイル部分にあたるとイメージするといいかもしれません。
dinerというネームスペースを取得し、cheeseburgerというモザイクトークンを作りたい場合は、次のようにして名付けることができます。
diner:cheeseburger
サブネームスペースを2段階まで活用すると、こんな風にもグループ化できますね。
diner.main.burgers:cheeseburger
とか
diner.sides.fries:frenchfries
など
ネームスペースのあとに:(コロン)で区切ってモザイクが表記されます。
モザイクもサブネームスペースと同様、ネームスペースが違えば同じ名前のモザイクが発行できるようです。
発行者B氏:diner:cheeseburger(←ダメ)、cafe:cheeseburger(←問題ナシ)
なので、プレミアとかオンリーワンとかを考えるならネームスペースの命名と取得に気を遣うことになりそうです。
取得時に設定すること
モザイク名(必須)
32文字まで。
説明
(たぶん半角英数なら)最大128文字のフリーテキストでモザイクの説明を設定できます。日本語でもOKのようです。所有者があとから変更可能です。
初期供給量(発行数)
いくつ発行するかを設定します。供給量をロックすることであとから変更できないようにも、ロックせずにあとから変更できるようにも設定できます。
可分性(小数点以下の有無)
小数点以下6桁まで設定できるます。0と設定すると小数点以下ナシ。
モザイクをレアカードのようなものにするなら小数点以下はない方が感覚的によさげです。
譲渡許可(自由送信を許可するかどうか)
所有者と非所有者(ユーザー)間だけで転送できるように設定できます。自由送信を許可することで、非所有者どうしで送受信可能になります。オーナーの意図する用途によった使い分けができそうです。
徴収を要求するかどうか
作ったモザイクの取引に手数料を発生させる機能です。
もしあなたがcheeseburgerというモザイク所有者でそれを自由送信OKにしてた場合、例えばAさんがBさんにcheeseburgerを送ったら、任意に設定した手数料があなたに送信されてくるという仕組みです。手数料はモザイクでもXEMでもいいみたいです。
手数料のタイプは固定徴収方式と、送信量に応じて徴収されるパーセンタイル徴収方式が選べます。
ネームスペースとモザイクの取得料はどうなるのか?
2017年8月21日(1250000ブロック)のハードフォークにて各種レンタル料は次のように安くなります。
サブネームスペース:10XEM/年
モザイク:10XEM/年
送信したそれらの手数料がどうなるのか気になったので尋ねてみたところ、どうやらまだ用途は特に決まってないようで、ノード報酬とかコミュニティのために使ったらいいんじゃね?という提案はあるようです。
ネームスペースの更新は?
ネームスペースのレンタル期間は1年間、期限切れの1ヵ月前から更新手続きができるようになるようです。
サブネームスペースとモザイクはルートのネームスペースに紐付けられたものなので、それらの有効期限もルートのネームスペースと同じと思っておいて良さそうです。
ネームスペースを期限内に更新せず、誰かにそれを取得されてしまうとサブネームスペースやモザイクは消滅してしまうようです。期限後に誰も取得せず、あなた(同一アドレス)が再取得できれば復活するのかは不明です。また、自由送信でどこかのユーザーが保有しているモザイクもスっと消えてしまうかも不明です。
モザイクを株のように考えて分配してたりするなら、全株主たちから財産を消し去ってしまい、場外乱闘に発展する恐れもあるということでしょうか…。
書籍「ブロックチェーンの衝撃」からの一節
NEM…ブロックチェーン技術の新しいパラダイム(ロン・ウォン)~ブロックチェーンの衝撃より引用
と、トークン資産管理機能についてさらに多様性が出てくることが示唆されています。
…以上が、NEMのネームスペースとモザイクの概要になります。
どういう感じで有用性が出せるものなのか、これから時間をかけて(ソフトな)ユースケースでも考えてみたいと思います。
著者プロフィール
お忙しいところ、貴重なお時間の中での当サイトへのご訪問ありがとうございます。
WEBデザイナー/ディレクターとしてのリーマン生活を脱却し、FX専業(兼業?)トレーダーをやりながら、MT4のEA/インジケーターの開発やFX関連情報サイトを運営していました。
今ではもう暗号通貨に絞って福岡を拠点に隠密活動しています。主にNEMをガッツリ、EthereumのDappsは趣味程度に。10年近いトレーダー経験を活かし、暗号通貨相場のテクニカル分析もやってます。
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