NEMコミュニティファンドに関する現在の動向まとめ
最終更新日2018/08/28 公開日2018/08/28 この記事は 約15分 で読めます。
NEMコミュニティファンド運用に関して、NEMベンチャーズという法人を設立するためのプロポーザル(たぶんコミュニティ投票ありそう)が出ているようでしたので、関連情報を3つ和訳してまとめます。
尚、NEMベンチャーズ設立のためのプロポーザル全文はこちら(自動翻訳の日本語)にあります。まずは、公式ブログで公開された次の記事の和訳です。
目次
注目:ペンディング中のNEMコミュニティファンドの候補者へ
NEMコミュニティファンド (NCF)は、NEMのエコシステムにポジティブな影響や成長、そして持続可能性をもたらしてくれるプロポーザルに対して資金を提供するための、貯蔵トークンのプールとして機能しています。
リソースには限りがあり、NEMコミュニティのボランティアがその管理を行っています。まさにそうした理由により、システムの実行過程に不備があったため、私たちは現在その改善と開発を行っており、ファンドが今後も順調に継続していけるように、確かな基礎の構築を目指しています。
ファンディングのリクエストが増加しており、資金の補充計画がないにも関わらず、急速にリソースが無くなりつつあることを考えれば、現在ファンドプロポーザルの管理について課題があるといえます。
こうした状況を踏まえて、NCF委員会はNEMベンチャーズの組織を提案しました。
NEMベンチャーズとは、あらゆるプロジェクトを承認し、資金をNEMコミュニティと自身のプロジェクトのために適切に管理し、それを補充してくれるプロジェクトに投資を行う手段を作り出すことを目的とした法人です。
実際のところ、それはNEMエコシステムに加えなくてはならない組織で、それによってNEMは他のすべてのプラットフォームに対する競争力を維持することができます。NEMの活動分野を拡大することを可能にする、明確で、透明性の高い安全なガバナンスを持つことができます。
現在、より伝統的なベンチャーキャピタルファンドに公式に移行するために、ペンディング中のプロポーザルが投票での成功を待っています。投票で可決され次第、最初の実装で、すべてのペンディング中のアプリケーションに適用さます。
しかし、この新制度移行は短期的に見れば、順番待ちのプロジェクトに若干の遅れをもたらしてしまうかもしれません。とはいえ、全体としてプロセスを改善し、より適切で効率的な体験(原文ママ)が対象となるプロポーザルに提供します。
現時点では、全員に新システムの運用方法を理解してもらうために、NEMベンチャーズのプロポーザル全文をお読みいただくことを強く推奨します。万が一修正が要求された場合は、NEMベンチャーズのチームは関係するチームと密に連絡を取り、効率的で効果的な変更を行います。
また、現在のところ、レビューと再編成を行っているため、当面は申請を受け付けません。
NEMプラットフォームとNEMコミュニティファンド (NCF)のさらなる成功に向けて前進し、それを達成するために、全コミュニティの支援と協力をお願いします。
詳細については、NEMフォーラムを訪問ください。
(そして、そのフォーラムへのリンク先に書かれてる詳細の和訳が以下です)
NEMベンチャーズに関する詳細(フォーラム投稿内容)
1.今回の件はNCFの突然の改革というわけではなく、NCFの直面する問題に対処するためにしっかりと計画された取り組みです。このプロポーザルについての計画と議論はしばらくの間行われていました。
そのプロセスに参加していない人にとっては、突然の出来事に思えるのは理解しています。とはいえ、進行や改善の方法について一般公開による議論が行われてきたのも事実です。
2.私はすでに非公式にいくつかの重要な情報を紹介してきました。以下に引用します。
少しだけ参考になる情報をお伝えします。現在進行中のプロポーザルがかなりの数あります。数十のプロジェクトがすでに提出されており、さらに多くが提出の準備を行っています。そのすべてに資金を提供したとすると、NCFの資金は底をつき、市場にはXEMが溢れることになるでしょう。
ビジネスの90%は失敗すると言われています。誤解を恐れずに言えば、ブロックチェーンを使う企業の場合、その失敗の確率はさらに高いものになるでしょう。この問題に現実的な方法で対処することが重要です。
3.すでに自身のプロポーザルに時間を注ぎ、それなのに今になって見返り(株式)を要求されるかもしれないことを理由に、今回のプロポーザルを「不公平」だと言ってしまうのは、いささか不誠実に思えます。
NCFファンドの状況と、それに関連した持続可能性についてはすでにお知らせしていることを考えればなおさらです。
4.NCFプロポーザルに応募した作品は、ベンチャーキャピタルの観点から査定した場合にも、その価値を維持します。
投資家も同様の情報を要求するでしょう。さらに、NCFで評価を行っている私たちは、今後もNEMベンチャーズに代わって評価を行い、支援を継続することができます。
5.現行のNCFの連署人については、NEMベンチャーズでも連署人を委託されます。そしてNEMベンチャーズのプロポーザルは連署人なしでは進行しません。
6.「しばしば人々が公共の利益を個人の利益へと変えるために取る行動を見るのは素晴らしいことです。」
株式やモザイクを手放すことなくファンディングを受けることは、プロポーザルにとっては利益のあることかもしれません。しかし、資金提供を受けたプロジェクトから株式やモザイクステイクを受け取ることによって、ファンドを保護し、それを持続可能なものにすることは公共の利益になります。
7.私はSolo Energy(※)といかなる協力も行っていません。そしてSoloはNCFとも一切ビジネスの取引を行っていません。
Soloやその受益者がNEMベンチャーズを通じてファンディングを試みない限りは、問題が生まれる余地はないと考えます。現在はそうした事実はありませんし、私の知る限りでは、今後もその予定はありません。
まとめ:NEMベンチャーズについてのプロポーザルが承認されれば、NCFはファンディングへの応募者のために、より多くの時間と努力を注ぐことができます。
それによって審査プロセスが改善され、重要なコンサルティングが可能になります。さらに資産を賢明に投資し、NEMの未来のためにファンドを持続可能な方法で発展させることが可能になります。
現在順番待ちのプロポーザルが待たされているのはNEMベンチャーズのせいではありません。私たちにNEMベンチャーズのようなシステムがないことが原因なのです。
(順番が前後しますが、最後に同フォーラム最初の投稿「NEM Ventures Incorporation Proposal」の和訳です)
NEMベンチャーズ設立プロポーザル(投稿日:2018.8.17)
経緯と背景
NEMコミュニティファンド (NCF)はNEMのジェネシスブロックの時点から存在しています。
それはトークンの貯蔵プールで、NEMのエコシステムやその普及一般に利益をもたらすプロジェクトに資金を提供するために割り当てられたものです。トークンのプールは有限のリソースで、コミュニティから集められた委員会によって管理されています。
NCFは今日まで素晴らしい仕事を継続していて、今回のプロポーザルもそれは完全に認めています。今回のものは、NCFを基にして、自然な流れとして改善を加えて、NCFが今後も順調に継続できるようにしようという試みです。
現在の課題
発足当初、ファンドはほとんど利用されていませんでした。しかしNEMの成長に伴い、ファンドへの関心が高まったため、管理は難しくなり、ファンディング依頼金額が大規模化し、現在ファンドを補充する計画がないため、有限のリソースが減少しつつあります。2018年の通貨のボラティリティもそれに拍車をかけています(※)。
ファンドには分散型および匿名性という性質があるため、金融規制の下でプロジェクトは法的な問題を抱えることになります。それゆえ、持続可能性、射程と効率性、そして最終的な効果の面で改善の余地があります。
ソリューション
ファンドの関連団体として、あらゆるプロジェクトのためにファンドを正式化する法律機関を組織し、投資を行うことでリターンを受け取り、NEMコミュニティとプロジェクトの利益ためにファンドが補填されて、管理が行われることを保証する投資エンティティを設立します。
さらに、それによって新しい分野への進出も可能になります。そうした進出を行うことで、シード資金の提供を超えてNEMのエコシステムに利益をもたらし、非営利の取り組みに対しても資金を提供することができるようになります。
NEMベンチャーズはNEMエコシステムにとって重要な新組織であり、すでにそうした団体を持っている他のプラットフォームとの競争力を維持することを目的としています。
私はDave Hodgson氏とDavid Mansell氏の協力の下で、明快で透明性の高い安全なガバナンスが今度も維持されることを保証し、取り組みの分野を拡大してくれる新しいビジネスモデルのプロポーザルを共同執筆しました。
新制度の仕組み
・NEMベンチャーズ…暗号通貨・株式/資本企業で、NEMと提携をして、NCFにリターンを提供しながら商業化をすることが可能な初期段階のプロジェクトを専門に扱います。
・NEM Not For Profit Trust (NEM非営利団体向け信託基金:NFP)…上記の2団体と、投資を受けた黒字プロジェクトから一部資金提供を受けた信託基金で、補助金、奨学金、研究への資金提供、ブロックチェーンハブの宣伝を管理することを目的としています。
次の段階とは?
NEMベンチャーズは、コミュニティ投票を通過していないプロポーザルを一般投票や委員会の審査によって処理するのではなく、そのすべての処理業務を引き継ぎます。そして、プロジェクトに対して株式出資を行って専門知識を提供する目的で、適切な顧客確認とデューデリジェンスをこのプロセスに追加します。
そして私たちの既存のネットワークからベンチャーキャピタルを組織し、企業が本来のポテンシャルを発揮し、最終的にはNEMベンチャーズに利益をもたらす存在になってもらうための支援を行います。
NCF委員会は、古いプロセスを時間をかけて廃止しながら、すでにコミュニティ投票を通過した既存のプロポーザルを処理していきます。しかしながら、万が一委員会がマイルストーンの評価や、その他の従来のプロセスへのアドバイスを求めてきた場合に備えて、NEMベンチャーズもスタンバイしています。
私たちは下記の事項への賛成を求めています。
・NCFに関係する法的な機関を設立し、NEMコミュニティの受託者が管理を行います。これは連署人を採用している現行の仕組みと同じアプローチですが、新制度では法律にしたがって法人化されています。
プロポーザルの重要性を考えると、他の案件と同様に、本件もコミュニティ投票にかける必要があるでしょう。このプロポーザルについては今後10日間、一般のコメントを受け付け、その後に一般投票に進みます。投票の詳細は、投票開始日にこの投稿に追加されます。
私たちは今後10日間で、NEMプラットフォームとNCFにさらなる成功をもたらすための今回の新しい取り組みに、コミュニティの支持が得られることを期待しています。
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以上が和訳です。
今後の動向が多少気になりますが、当初はコミュニティファンドへの応募で資金調達することは。応募者がICOを行って自力調達するよりも(承認/管理体制的にも)容易な状況だったと思います。
いくつかの雑な提案については、コミュニティ投票でノーサンキューとなった経緯もありますが笑、正直いって、何年もかかって正式ローンチに漕ぎつけたとして、それがうまくNEMネットワークを潤すかどうかイマイチわからない上に、プロポーザル提出時点であまり実動に手が付けられてないような案件は、基本的に自力ICOで資金調達したら?という思いもあります。
どちらかというと、
・普及活動をすすめる団体や個人への活動費
・ファンドから提供されるXEMそのものがXEMとして利用(顧客への条件配布とか手数料負担とか…)されるもの
そういったことにもっと積極的に使われてほしいな、と…庶民なのでそう思ってしまいます。
NEMベンチャーズの設立、メリットもデメリットもあるのかなと思いますが、あなたはどう思いますか?
著者プロフィール
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WEBデザイナー/ディレクターとしてのリーマン生活を脱却し、FX専業(兼業?)トレーダーをやりながら、MT4のEA/インジケーターの開発やFX関連情報サイトを運営していました。
今ではもう暗号通貨に絞って福岡を拠点に隠密活動しています。主にNEMをガッツリ、EthereumのDappsは趣味程度に。10年近いトレーダー経験を活かし、暗号通貨相場のテクニカル分析もやってます。
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