NEM/XEM保有者が確実にSymbol/XYMを得るための基礎知識
最終更新日2020/08/12 公開日2020/03/29 この記事は 約8分 で読めます。
たぶん、これだけ知っていれば大丈夫!というのをまとめてみました。
Symbolとは?
Symbol(シンボル)とは、これまでNEMの大型アップグレードとして名指されてきた「Catapult」がリブランドされた新名称です。
通貨の単位は「XYM(ジム/エックスワイエムとも)」となり、最大供給量はXEMと同じ8,999,999,999となります。
Symbolは、ブロック1からはじまる新しいパブリックブロックチェーンとなります。
既存のNEMからハードフォーク(分岐)されることで生まれる新チェーンではなく、また互換性を保ち分岐のないアップグレードであるソフトフォークでもありません。
よって、Symbolが誕生した後の世界には、既存のNEMと新規のSymbolという2つのブロックチェーンが存在することになります。
しかし、SymbolはNEMとは全く違う完全に新しいブロックチェーンなのか?というと違います。
マイグレーションとは?
SymbolではNEMからいくつかのデータが引き継がれます。それが「全く違う完全に新しいもの」ではない所以です。
現行のNEMのいくつかのデータを引き継ぐ形で、新しいSymbolを動かし始めることをマイグレーション(日本語では移行の意)と言います。
あなたが所有するNEMアカウントの、ある時点での
・マルチシグ
・所有ネームスペース
が移行可能となります。
おそらくもっとも多くの人が関心のある「残高」については、ある時点(NEMのあるブロック高)におけるあなたの保有するXEM残高と同じ量のXYMを得られる権利が得られることになります。
では、XYMを得るには私たちは何をしたらいいのでしょう?
オプトインとは?
もしあなたがNEM wallet(旧nano wallet)や公式モバイルウォレットでXEMを保有し管理しているのであれば、オプトイン(日本語では申請の意)という作業をする必要があります。
Symbolチェーンが生まれると何もしなくても自動的にXYMが付与されることはないので最大限に注意しましょう。
あなたがSymbolがローンチされたのとほぼ同時にXEM残高と同数のXYMを得たいのであれば、その意思を事前オプトインで示しておく必要があります。
事前オプトインを忘れてしまったり、もっと先で受け取りたい場合は、ローンチ以降に事後オプトインすることでXYMを得られますが、受付けは6年後までとなっています。
おそらく、オプトイン前後の大きな流れはこのようになると思われます。
2:その日より一定期間前の、事前オプトイン受付けが終了するNEMブロック高Aが発表される。
3:NEMブロック高Aがやってくる。
4:Aの時点の全アカウントの残高状態等が記録(スナップショット)される。
5:XYMを受け取れる量の権利等が確定する。
6:Symbolがローンチされブロック1が生成される。
7:事前オプトインをしていた人は、4の時点と同数のXYMが得られる。
ここでしっかり把握しておくべきことは、あなたがいつ事前オプトインをしようが、いつ事後オプトインをしようが、得られるXYMの量は「4」で記録された時点のあなたのXEMの残高と同数であることです。
例えば、事前オプトインをしなかったあなたが「4」の時点で1万XEM保有しており、それ以降にガンガン増やして100万XEMにし、事後オプトインをしても得られるのは1万XYMです。
このオプトインは後日NEM wallet(旧nano wallet)や公式モバイルウォレットに機能が追加されることで実行可能になります。それ以外のウォレットで対応可能かどうかは定かではありません。
ではでは、それら公式的なウォレットではなく、取引所に預けてるんだけど?という人はどうしたらいいでしょうか。
取引所に預けている人は?
2020年3月29日時点で、日本国内でNEM/XEMを取り扱っている取引所(取次除く)は3社です。それら3社は次のような公式アナウンスメントを出しています。
NEMのアップデート”Catapult”への対応方針に関して
▼coincheck(2020年3月18日)
Symbol(XYM)への対応方針について
▼GMOコイン(2020年2月6日)
NEM(ネム)のCatapult(カタパルト)移行について
例えばzaifとcoincheckは、顧客毎にNEMアカウントを発行させているのではなく、1つか2つ程度のアカウントにまとめて複数顧客のXEMを管理していますので、オプトインは取引所が行う必要があります。そこに預けている顧客がオプトインをすることは出来ません。
よって、より混乱を避けるため、おそらく取引所は事前オプトインをすることになるのではないかと推測しますが、具体的にどのようなプロセスを経てあなたがXYMを受け取れることになるのかはまだわかりません。
ここは、預けている各取引所からの公式な説明を待つことを強くおすすめします。
Symbolはいつローンチするの?
テックビューロ社によりNEMテクノロジーを採用/開発されたプライベートチェーン製品であるmijinがコードネーム「Catapult」の名のもとに大幅改良され、NEMとそのコアを共通採用するというリリースが出されたのが2016年5月20日のことです。
それから様々な事情が重なり延期につぐ延期でもうすぐ4年になろうとしています。
現時点でのSymbolローンチは公式に発表されているもので「2020年Q2(4月~6月)」ですが、最近では「Q2もしくはQ3」とか「2020年内」などと言われるようになっています。→2020年8月12日現在、2020年12月ローンチ予定となっています。
ここだけ知ってりゃOK!「NEMエコシステム~Symbolローンチプラン」
開発がちゃんと進んでいる点についてはGithubのここやここを見ればわかりますので、そこは安心して良いと思います。
非中央集権なところならではの難しさ
度重なる延期…、これが企業組織という中央集権的な組織によるプロジェクトであれば大問題ですが、非中央集権的でオープンなプロジェクトであるが所以の遅延なのかと思うところはかなりあります。どこか1点に責任が集中しているわけではなく、目標達成までの責任も私たちに対し何かしら分散されているというか。
で、そうやってるうちに月日を重ね、利害関係者も増え、法律も変わってきました。
コア開発はバシバシ進んできてはいるものの、外郭団体としてプロジェクト進行を仕切っているNEM財団などの統率力や共有意識に対する不安はもとより、基礎体力となる通貨の市場価値変動が激しかったのも少なからず影響してるでしょう。
ただ間違いないのは、紆余曲折ありつつも、Symbolのローンチは着実に近づいているということだと思います。
暗号通貨の価値を磨くのは技術者でなくとも自分たちで出来るのが魅力、できることはやるし、言いたいことは言いたいと思います。
最後まで。
以上、NEM/XEM保有者がSymbol/XYMを得るための基礎知識を簡単にまとめました。
もう少し込み入ったことは過去記事のこちらを参照ください。
著者プロフィール
お忙しいところ、貴重なお時間の中での当サイトへのご訪問ありがとうございます。
WEBデザイナー/ディレクターとしてのリーマン生活を脱却し、FX専業(兼業?)トレーダーをやりながら、MT4のEA/インジケーターの開発やFX関連情報サイトを運営していました。
今ではもう暗号通貨に絞って福岡を拠点に隠密活動しています。主にNEM Symbolをガッツリ、EthereumのDappsは趣味程度に。10年以上のトレーダー経験を活かし、暗号通貨相場のテクニカル分析もやってます。
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