NEMはどのようにして格付けBBBを得たのか?第4回

 最終更新日2019/06/12 公開日2019/06/12    この記事は 約9分 で読めます。

TokenInsightによる暗号通貨の格付けでNEMがBBBの高評価を受けたその全貌、第4回です。前回はこちら

03. 業界分析

3.1 Blockchain-As-A-Service(BaaS)産業の状況

「分散型台帳技術とブロックチェーンが提供するスマートコントラクトを展開することによって利益を受ける企業はますます増加している。企業がより素早くブロックチェーン技術を導入する手助けをするために誕生したのがBaaSである。」

Gartner(※1)の予測によれば、ブロックチェーン市場は2021年までに61.5%もの年間平均成長率を達成することになり、透明性と変更不可能性が市場指標の成長の原動力となっている。技術系大企業も次々に参入しており、BaaSは現在、インターネットプラットフォームを通じて提供されている。

BaaSは発展の次の段階であり、世界的な金融・技術産業における最新の革命である。サービスとしてのブロックチェーンを大規模に採用することは、技術分野における新しいトレンドになりつつある。

しかしながらブロックチェーンインフラの管理コストはいまだに非常に高価である、ブロックチェーンソリューションの監視と拡大を行うためのツールは現在も非常に複雑で、専門的なサービスを必要とする。

現在の市場環境では、複雑な企業の業務において許可制のブロックチェーンスタックを使用することや、運用に向けて準備をする作業はまだ成熟した段階にない。素早く検証を行いアイデアの評価を行うことと、付加価値を実証することはどちらも非常に重要である。

カスタマイズ性と低い開発コストという使用に向けた必要条件を満たすために、あらゆる開発コンポーネントとカスタマイズされたAPIポートを提供するBaaSのプロジェクトは誕生したのである。

そうした種類のブロックチェーンサービスを提供している団体はスタートアップだけではなく、従来型のサービスプロバイダーもサービスの提供を行っている。

そうした企業はユーザーと開発者にブロックチェーンによるターンキー・サービス(※2)を提供しており、比較的完全なインフラを構築している。ユーザーは比較的低い開発・維持コストでチェーンとそれに対応するサービスロジックを手に入れることができる。

この種のソリューションは幅広い市場に対応し、応用可能な分野には次のような産業が含まれるが、それだけにとどまるものではない。例えば、銀行、金融サービスと保険(BFSI)、医療と健康、ITとコミュニケーション、エネルギーと公共事業、小売、製造とIoTなどである。

「BaaS業界は主に、伝統的なクラウドサービスプロバイダーが主導しており、ユーザー向けのエンタープライズレベルのソリューション、ブロックチェーンのスタートアッププロジェクト、およびブロックチェーンプラットフォームを構築して、エンタープライズクライアントのニーズを満たすのに適しています。」

不完全な統計からの情報ではあるが、従来型の産業のBaaSプロバイダーにはIBM、Cisco、Kaleido、Intel(Hyperledger Sawtooth)、そしてGuildOneなどがある。

そうしたプロジェクトは自社のプラットフォームの利点を生かし、クラウドマネジメント、企業アプリケーションプログラムマネジメント、データボルトマネジメントなど様々なマネジメントサービスを提供するのに適している。

CoinMarketCapの調査によれば、ブロックチェーン業界のスタートアップについてはトップ500のプロジェクトのうち13のプロジェクトがBaaS開発プラットフォームを提供しており、トップ500のプロジェクトのうちの2.6%を占めており、開発プラットフォームの中では10%に相当する。

「激しい競争に満ちた業界において、NEMはパイオニアとなっている。」

他の一般的なプラットフォームと比較すると、NEMはカスタマイズした開発コンポーネントを使用し、企業がより快適にブロックチェーン技術を活用する支援を行っている。そのコードは見直され、開発者はアプリケーション開発時の高いセキュリティ性を維持しつつ、プラットフォームのセキュリティを重視した規格を作り上げた。

同じカテゴリーの他のブロックチェーンプロジェクトと比較すると、BaaS企業間でのNEMの市場価格はトップとなっており、アプリケーションの検討を経つつも、そのメインネットはほぼ3年間オンライン上に存続している。さらに、コミュニティ構築とエコシステムの発展という点で、NEMは確固としたファーストムーバーアドバンテージを得ている

従来型のクライドプロバイダーと比較すると、NEMは非常に経済的かつ効率的なシステムで、ローリスクのサービスを企業に提供し、新しいアプリケーションプログラムの可能性を模索している。

しかし、さらに豊かなリソースを持つ技術系大企業と比較すると、NEMにはより多角的なサービスと企業としての継続的なサポートを行う能力が欠けている。内部のマネジメントチームにも問題を抱えており、企業としての長期的な協力体制に疑問が残る(※3)。

まとめ

ブロックチェーンの人気が高まり、アプリケーションの計画も数多くあるため、ブロックチェーンをコスト削減と効率性向上のために使用し始める企業がますます増えることが予想される。一方で、ブロックチェーンの開発初期段階での困難さと開発コストの高さは、実用的な要件を満たすことの障害となっている。

BaaSプロジェクトは市場のおけるサプライヤーと需要のギャップを橋渡しすることができる。NEMは企業アプリケーション向けのブロックチェーン開発に特化したソリューションプロバイダーとして機能し、カスタマイズ機能を備えたコスト効率性の高いブロックチェーンソリューションを企業に提供している。

第5回へ続く

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 - NEM(ネム)

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WEBデザイナー/ディレクターとしてのリーマン生活を脱却し、FX専業(兼業?)トレーダーをやりながら、MT4のEA/インジケーターの開発やFX関連情報サイトを運営していました。

今ではもう暗号通貨に絞って福岡を拠点に隠密活動しています。主にNEMをガッツリ、EthereumのDappsは趣味程度に。10年近いトレーダー経験を活かし、暗号通貨相場のテクニカル分析もやってます。

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