NEMはどのようにして格付けBBBを得たのか?第6回

 最終更新日2019/06/14 公開日2019/06/13    この記事は 約7分 で読めます。

TokenInsightによる暗号通貨の格付けでNEMがBBBの高評価を受けたその全貌、第6回です。前回はこちら

05. トークンエコノミクス(トークン経済)

5.1 XEMの基本的情報

XEMはNEMの公式トークンで、合計で8,999,999,999XEMが発行されている。その主な用途は決済トランザクション、アカウントタイプの変更、トークンアセットの作成や、その他の作業に対する手数料などである。

ホワイトペーパーによれば、NEMはPoIコンセンサスメカニズムを使用しており、保有しているXEMの合計数は重要度を計算する際に考慮される要素の一つとなっている。XEMの保有数はブロックの生成の可能性だけでなく、アカウントの重要度にも良い影響を与える。

NEMのネットワークでは、2つの経済的インセンティブが存在する。トランザクション手数料とスーパーノード報酬である。

前者はブロックのマイニングに成功したものがそのブロックでのトランザクション手数料をすべて受け取れるという仕組みであり、後者はある条件が満たされた場合、すべてのノードがネメシスブロックで分配されたXEM報酬の一部を取り分として受け取れるというものである。

NEMの分布は上位10個のアカウントが全トークン中の50%を保有しており、上位100個のアカウントではその割合は70%にも及ぶ(※1)。このようにトークン分布は比較的集中してしまっている。

5.2 アカウントシステム

NEMのネットワークでは、XEMアカウントには権利確定残高と権利未確定残高(※2)がある。そのうち、権利確定残高は重要度の計算の際に考慮されるが、権利未確定残高は除外される。

あるアカウントがXEMの送金を受け取った場合、着金した額は権利未確定残高として分類される。1440ブロック(24時間)が経過した後、権利未確定残高のうち10%が権利確定残高に移動される。

ユーザーが決済を行う際にXEMを使用した場合、権利確定残高と権利未確定残高は元々の両者の比率を維持するような割合で支払いに使われる。

5.3 経済モデルの比較

エンタープライズレベルのBaaS開発プラットフォームでもあるため、NEMの経済モデルはユーザーのコスト、ビジネスの方法、決済手段などを考慮する必要がある。BaaS開発プラットフォーム市場の現在の主導的組織とう点から、以下では3つの分野でNEMとVechainの比較を行う。

ユーザーコストの点では、NEMのネットワークはトランザクションコストの不確かさを軽減するために固定手数料を採用している。例えば、1.25XEMを上限として10,000XEMの移動ごとに手数料は0.05XEMかかるという仕組みである。

また、32バイトのメッセージを行うごとに0.05XEMの手数料がかかる。Vechainでは第2のトークンであるVHTOを利用して手数料の支払いを行い、トランザクションコストの不明瞭さを軽減している。

ビジネスモデルに関しては、NEMとVechainはどちらもプライベートチェーン、コンソーシアムチェーン、そしてパブリックチェーンをサポートしており、同時に身分証明などの機能も提供している。

しかし、NEMでは「選択に応えるモデル」のアセット作成機能はより容易で便利なものとなっている。さらに、VechainはIoT産業のブロックチェーンソリューションにより特化したものとなっており、一方でNEMは対象となる産業を明確に定義していない

全体として、BaaSプラットフォームとしては、NEMは企業向けのビジネスアプリケーションのシナリオとその必要条件を想定している。

シンプルなアセット作成方法やマルチシグネチャの仕組みは、企業向けアプリケーソンのために提供されたコンポーネントの一つとして機能している。しかし、Vechainと比較すると、そのモジュールとビジネスサービスにはギャップがある。

まとめ

1.XEMトークンの合計数は8,999,999,999個で、NEMネットワークにおける手数料の支払いに主に使用されている。NEMのネットワークでは、ハーベスティングをするインセンティブは、ハーベスティングしたブロック内のトランザクション手数料を単純にすべて受け取れるというものである。XEMの分布は比較的集中している。

2.XEMアカウントには2種類の残高がある。受け取ったトークンはある期間ロックされてから、重要度の計算に算入されるようになる。

3.企業向けのアプリケーションに対してNEMは安価な手数料、ID認証、便利なアセット発行方法、マルチシグネチャ認証などのサービスや、エンタープライズレベルのアプリケーション構築にある程度貢献するコンポーネントなどを提供している。しかし、同じ業界の競合する製品と比較すると、その関連サービスに物足りない点がある。

第7回へ続く

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 - NEM(ネム)

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今ではもう暗号通貨に絞って福岡を拠点に隠密活動しています。主にNEMをガッツリ、EthereumのDappsは趣味程度に。10年近いトレーダー経験を活かし、暗号通貨相場のテクニカル分析もやってます。

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