NEMはどのようにして格付けBBBを得たのか?第7回

 最終更新日2019/06/14 公開日2019/06/13    この記事は 約10分 で読めます。

TokenInsightによる暗号通貨の格付けでNEMがBBBの高評価を受けたその全貌、第7回です。前回はこちら

06. チームと財政状況

6.1 コアチームの変更

「経営陣の情報は徐々にオープンかつ透明性のあるものになり、匿名のコミュニティ集団から財団へと成長してきた。しかし、初期のコアメンバーの変更は、不完全な経営を反映しており、財団の新規メンバーは良い影響をもたらすと予測している。」(※1)

NEMプロジェクトの発展の歴史は比較的長い。NEM財団コアチームでは数々のメンバー交代が行われてきた。コアメンバーの情報は徐々にオープンかつ透明性のあるものになりつつある。匿名のコミュニティ集団から、NEMは今では法的に認められた財団へと発展(※2)している。

NEMは元々は匿名のUtopianfuture、Opticalcarrier、ThiesおよびJaguar4によって2014年1月に立ち上げられた。2014年、Utopianfutureは複数のNEMを持っていると暴露されたが、それはプロジェクトのクラウドファンディングの規則に反するもので、コミュニティメンバーの不満が高まった。そのため、彼はコア開発チームから追放された。

2017年3月、NEMコミュニティはNEM.io財団の発足メンバーを発表した。ロン・ウォンが代表を務め、ジェフ・マクドナルドが副代表に就任した。財団は現在では2年ごとに選挙を行っており、ロンが退任(任期中の辞任)した後はクリストフ・ヴァン・デ・レックが新代表(暫定)を務めた。

2018年12月、財団のメンバーは第2次の財団メンバーを選出した。アレクサンドラ(アレックス)・ティンスマンが代表に選ばれ、ネルソン・バレロが副代表(2019年3月に辞任)に選出された。

アレクサンドラは2017年6月からNEM北アメリカ地域の代表を務めた経験を持っている。彼女はマーケットコンサルタントとして、11年間ブティックコンサルタント企業で働いた経験を持ち、2015年にはGigaDragonを創業している。

彼女はマーケティングとマネジメントの経験を兼ね備えている。財団の新体制に向けた選挙が終わると、財団は構造の再編成を行い、管理体制を強化した。

6.2 財団とガバナンスのメカニズム

「現在、財団には運営資金が不足しており、見積もりの予算はカットされ、資金の追加も見込まれていない。しかし、新しい財団メンバーになったことで、経営は徐々に好転し、部門ごとのセルフガバナンスであった仕組みが、統一されたマネジメントの仕組みへと改善されつつある。」(※3)

NEM財団は2017年に設立され、シンガポールで登記されている。財団は様々な産業と組織に向けたプロジェクトを導入し、コミュニティに教育を行い、NEMプラットフォームを売り込もうと努力している。選挙は2年に一度開催され、現在の体制は二期目のメンバーである。

財団の最初の体制の管理システムは不完全で、そのことが組織の効率性を低下させていた。組織運営の観点では、それぞれの地域が比較的高い自由裁量を行い、財団の配給する資金で独自の地域戦略と目標を設定する権限を持っていた。

この仕組みが1つの原因で、NEMは2018年の弱気市場において資金を使いすぎたため、一時運営資金が不足してしまった。

新体制の設立メンバーが2019年に選出された後、運営の枠組みには中央主導の調整が行われ、地域ごとの多様な戦略と分散型の運営方式は、中央の管理戦略によるNEMプロジェクトと財団のKPIへと移行した。

財団の経営手法は徐々に改善している。2019年3月、財団は最新の公的報告書を発行し、その中で、すでに2500万XEMの調達に成功したと発表した。今後の資金の使用用途については四半期ごとの財政報告書で明らかにされる。

まとめ

NEM財団は運営上の明確なリスクにさらされている。長期的な視点で見れば、プロジェクトは主にコミュニティによって運営されてきており、その間、経営と情報開示のメカニズムが欠如していた。そのため、プロジェクトは財政および管理上の問題に直面する可能性がある(※4)。

2019年1月以降は、財団は構造と職責の再編成を行い、メンバーの構成とグループの編成は包括的に見直された。コミュニティの面では、コミュニティファンド使用に関する新しい申請方法が導入(NEM Ventures)され、参入する企業を募集している。

07. コミュニティの人気度

7.1 TwitterとTelegram

過去30日におけるNEM Telegramの活動

過去30日におけるNEM TelegramのコメントおよびTwitterのツイート

NEM Telegramの市場人気指数分析

上記の数字は肯定的なコメントと否定的なコメントの割合を示している。0~0.5はほとんどの人が市場について否定的な見方をしていることを意味しており、低ければ低いほど否定的である。0.5~1は人々が市場が上向きだと考えていることを意味し、高ければ高いほど肯定的な見方をしていることを表している。

2019年2月には比較的大きな市場観の変動があるが、全体としてスコアは高く、人々が肯定的な見方をしていることを示している。

7.2 NEMコードの質的分析

TokenInsight Dashboardによれば、NEMの過去3か月間の開発の進捗状況は比較的スローなもので、コード提出も数では少なくなっている。しかし、コード全体は質が高く、重複は少なく、独自のコードを書くというプロジェクトの取り組みに沿った質となっている。

NEMのGitHubにおける活動状況

第8回(最終回)へ続く

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 - NEM(ネム)

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