VCがオーストラリアのブロックチェーンおよび暗号通貨開発企業に4400万ドルを投資
最終更新日2017/12/04 公開日2017/12/04 この記事は 約8分 で読めます。
先日、オーストラリアの金融新聞AFR(Australian Financial Review)にNEMの記事が出ているとNEM財団のロンさんがつぶやいてました。AFRがどのくらいのメディアなのか問いかけてみたところ、
当方オーストラリア在住ですが、
AFR, Australian Financial Review, は日本でいう日経新聞です。こちらのビジネスマン、特に金融関係者には必読のNewspaperです。紙、ウェブ両方あります。影響力で言えば金融業界にはそれなりの力があると思います。— PONY (@PONYSAN7) November 28, 2017
ということです。NEMはオーストラリアのGlobal Blockchainと組んでブロックチェーンセンターを創設したり、NEM取引所(11月予定でした年内か来年早々に延期されたっぽい)を作ろうとしたりで、オセアニア地域にも力を入れている感じが強いです。
では、その記事を和訳してみましたので読んでみたいと思います。
VCがオーストラリアのブロックチェーンおよび暗号通貨開発企業に4400万ドルを投資
急速に拡大しているブロックチェーンと暗号通貨の分野で成功を狙う複数のスタートアップに対して、オーストラリア市場に着目した2つの新しいファンドが4400万ドルの投資を予定しています。
アポロキャピタル
アポロキャピタルは、ベンチャーキャピタルファンドであるDominet Venture PartnersのDomenic Carosa氏とHolger Arians氏、およびウォールストリートでの経験が豊富なHenrik Andersson氏によって創立された企業で、現在最低でも3000万ドルを調達しようと試みています。
同社は暗号通貨アセットに特化して投資を行っていくとしており、デジタル通貨、ブロックチェーンを基盤としたアセット、そしてイニシャルコインオファーリングなどがその対象となります。
時を同じくして、8000万ドル規模のグローバルブロックチェーン開発ファンドであるNEM財団もオーストラリアへの進出を行っており、同社の提携および戦略的同盟のグローバルディレクターであるJason Lee氏は、オーストラリアに1400万ドルを割り当てる計画をしています。
Carosa氏は、市場が成熟し続ければ、さらに多くのファンドが暗号通貨やブロックチェーンの投資に目をつけることになると言います。
と彼は述べます。
誇大広告に注意
オーストラリアのベンチャーキャピタルファンドの中には、すでにブロックチェーンについてさらに詳しく検討し始めたものもあります。AirTree Venturesとrampersandはブロックチェーンの今後について肯定的な見方としていますが、同時に、誇大広告を悪用する怪しいベンチャーも数多く存在すると注意を促しています。
それらの新技術は世界を変革しましたが、誇大広告を出すいかがわしい企業も登場しました。私たちは、とりわけブロックチェーンにとって大きなチャンスが到来すると強く信じていますが、今すぐには多額の資金を投資するつもりはありません。」
と、rampersandの執行役員であるPaul Naphtali氏は言います。
3000万ドルを持つ新規のアポロキャピタルファンドは、積極的にビットコインなどの暗号通貨アセットを運用する、オーストラリア初のファンドとなります。同ファンドは判断能力のある投資家にだけ提供されることになっており、最低投資額は50,000ドルとなっています。
同時に、XEMという世界トップ10の人気を誇る暗号通貨を持つNEM財団も、NEMブロックチェーンを利用するスタートアップを探していく予定です。
NEMは"コミュニティを基盤とした投資アプローチ"を採用すると言っており、そのアプローチでは、他の投資要件と共に、NEMのコミュニティがそのファンドを支持している必要があります(PoI投票)
財団はプロジェクトに、約1300万ドルに相当する5000万XEMまで投資を行う用意があるといいます。これまでのところ、財団はメルボルンを拠点とするスタートアップのCopyrightBankへ投資を行っています。
CopyrightBankはデジタルアセットを保護するワンストップショップとなることを意図しており、財団のファンドから65万ドルの資金提供を受けました。
理解の「容易さ」
NEMはそのブロックチェーンのコンセプトに賛同する人々の集まりとして結成されました。私たちはこのブロックチェーンをコミュニティにも使ってもらいたいと考えています。だから私たちはVCやプライベート・エクイティ・ファンドではなく、コミュニティファンドなのです。」
と、Lee氏は言います。
NEMはブロックチェーンの"現実世界のユースケース"に投資を行いたいと考えている一方で、アポロキャピタルは長期的な暗号通貨への投資を重視し、金融市場とベンチャーキャピタルの両者における経験を持つファンドを通じて、判断能力のある投資家が簡単にこの新しいアセットにアクセスすることを可能にしようとしています。
と、Andersson氏は述べます。
アポロキャピタルは少額の資金を、イニシャルコインオファーリング(ICO)と、短期的なイベント駆動型の取引へも割り当てる予定です。
AirTree VenturesのパートナーであるJohn Henderson氏もまた、ブロックチェーンに対して肯定的です。同氏は2013年にCoinDeskの初のエンジェル投資家となり、CoinDeskは現在も世界トップクラスのブロックチェーンに関するコンテンツサイトですが、買い手は多くの投資案件について注意しなければならないとも彼は言います。
トークンセール(ICO)は興味深い進展であり、企業が最低限の進捗を示すことで思いがけない額の資金を調達することができます。明らかなスキャムの特徴をすべて備えているものもあります。」
と彼は言います。
とは言え、素晴らしいチームと専門性の高い技術、そして強力なコミュニティによってトークンセールを行っている企業も存在します。そうしたコミュニティでは、トークンによる経済的なインセンティブが、アーリーアダプターとなる、さらなる動機となります
The Australian Financial Reviewがコンタクトを取ったファンドの中で、 Blackbird Venturesがもっとも批判的でした。Niki Scevak氏は、より良いガバナンスのシステムや、所有権のプロトコルおよび規格が実現する可能性については素晴らしいと感じていると述べたものの、「今日の投資業界における、信号雑音比に対する極端なノイズにすぎない」とも発言しました。
原文:VCs target Australian blockchain and cryptocurrency firms with $44m in funds
著者プロフィール
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WEBデザイナー/ディレクターとしてのリーマン生活を脱却し、FX専業(兼業?)トレーダーをやりながら、MT4のEA/インジケーターの開発やFX関連情報サイトを運営していました。
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