感動が価値になる、nemgraphを体験しよう
最終更新日2019/08/25 公開日2019/08/25 この記事は 約13分 で読めます。
2019年8月22日、nemgraph(ネムグラフ)という、写真共有型SNSがNEMコミュニティからローンチされました。一見、インスタグラムのようなUIを持ちますが、NEMブロックチェーン技術の特性が活かされたそれは、次世代SNSと言えるのではないでしょうか。
nemlog開発も手掛けたSHUさん(@shu801115)がシステム設計と構築を、UI/UX及びブランドデザインをENUさん(@naootie)が手掛けます。SHUさんのキメ細かいお手並みとENUさんの感性溢れる表現が、写真を愛する人々を新しい世界に誘ってくれそうな予感がします。
目次
NEMブロックチェーン技術が成した5つの機能
写真を共有したり、誰かの写真に「いいね」したり、お気に入りユーザーをフォローしたり、コメントやメッセージで交流したり、ツイッターなど他のSNSでシェアしたり…という基本的なアクションは、インスタグラムとほぼ同じなので馴染みあって割と手を付けやすいでしょう。
それに加え、nemgraphではNEMブロックチェーン技術が活かされた次の"5つの機能"で独自の「経済圏」に参加し、また創り上げることができるのがインスタグラムにはない大きな特徴です。
1.ウォレットを作る
経済圏と言うくらいなのでお金(XEM)が必要になります。nemgraphではXEMを持っていなくても始めることができるのでそこは心配無用です。でもXEMを貰える機会がありますので、まず最初に自分専用のウォレットを作る必要があります。
設定したウォレットはnemgraph運営者が管理するものではなく、NEM独自のアカウントをあなた自身が保有しプライベートキー(秘密鍵)管理することになりますので、もし運営に何かよくないことがあってもあなたのお金がそれにより失われることはありません。
NEMもnemgraphもかなりセキュアに出来ているので安心度は高いですが、自身のプライベートキー管理は慎重に!
すでにあなたがNEMのウォレットを持っていればそれを共有して使うこともできます。サービス毎にNEMアカウントが増えるはけっこう面倒ですよね。例えば、普段使い用のアカウント1つを用意し、RacconWalletとnemlogとnemgraphで共有することも容易です。
2.写真にチップする
あなたが共有した写真が他のユーザーに気に入られたら、チップ(投げNEM)としてXEMをくれるかもしれません。XEMを全く持ってなくても人の心を動かす写真を共有し共感されることで、取引所で買うことなくXEMを得られるかもしれません。
何かの対価としてXEMを得るというのは理想的な形ですし、それが感動の対価というのは素敵なことではないでしょうか。
もらったXEMの幾分かを今度はあなたが共感した写真にチップしてみましょう。「お金を増やしたいならお金を使いなさい」って誰かの言葉がありますが、経済ってそういうことだと思います笑
1~100XEMの範囲で任意のチップが送れます。暗号通貨の送金作業はしばしば「面倒くせえ」と思われることがありますが、nemgraphではQRキーというものを生成し画像として保存し、送金時にそれを読み込むことで実行できます。
さらにその作業は効率化できます。プロフィールの編集画面でQRキーのオートキー設定(有効期間を任意設定可)をすることで、送金の都度読み込み作業をすることなくたった3クリックでチップ完了します。ユーザーへの配慮が素晴らしすぎです。
3.写真を売る
写真は任意で「無料で使用可」と設定することもできますが、あなたの撮影した写真やグラフィックアートを任意の価格で販売することもできます。手数料は売り上げの5%と後述するRiNG登録手数料5XEMが必要です。
実はこの記事の最初の画像とその次の画像は、ENUさんからnemgraph経由で使用権を購入したものです。パクリじゃありませんよ。
良い素材はこのようにサイトを彩る素材として活用できますので、ウデに自身のある方はチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
この辺りはハッキリしないので(笑)、売る側はユルいスタンスで販売した方がいいかもしれませんね。
4.写真をRiNGする
RiNGとは「Registration is NemGraph」の略だそうで、nemgraphの中で最もユニークな機能です。RiNGを使うことで実現できることは次の2つです。
1.NEMブロックチェーンに刻むことでそれが存在する限り永遠にあなたの投稿写真であることが証明できる
これはどちらかというと我々エンジョイ勢にとっては、「思い出をブロックチェーンに記録する」というムッツリニヤニヤな機能だと思います。ブロックチェーンをよくわかってない知り合いに「何がいいの?」と聞かれても説得する自信はまだありません笑
また、
RiNGはアポスティーユと同じく、画像そのものの情報を記録するものではありません。仕組みはNEMのアポスティーユのとほぼ同じですけど、たぶんRiNGアルゴリズムの方がより強固(とモヒカンは考えている。)#nemgraph #RiNG
— しゅう(SHU):nemgraph・nemlog・nem store作ったモヒカン (@shu801115) August 23, 2019
ということです。NEMブロックチェーンには画像ファイルなどを直接保存することはできませんからね。しかしどのような仕組みになっているのか気になります。
尚、このRiNGはこの先控えているCatapult移行でどのようになるかはまだ未定とのことです。コア開発者のジャガー氏やNEM財団のヘッド開発者のセイヴ氏もSHUさんに声をかけていたので、たぶんどうにかなるかな…と。
2.すべてのユーザーのタイムラインにあなたの写真が投稿される
インスタではフォローしたユーザーの写真しか自分のタイムラインに流れてきませんが、RiNGすることで全てのユーザーのタイムラインにあなたの写真を流すことができます。
つまり、あなたのタイムラインにはフォローしたユーザーの写真とフォローしてないがRiNGされた写真が流れてくることになります。これはセルフプロモーションの意味も生まれることでしょう。
公式プロモサイトに「RiNGが世界を繋ぐ」とウマいこと書いてありますが、まさにそれだと思います。
SHUさんによると、今後フォローした人だけの投稿表示に任意設定できる意向ありとのことなので、うまく切り替えていろんな人のいろんな写真をみてアクション起したいなと僕は思います。
そして、
RiNGは監査機能もアリ
RiNG登録したらぜひ監査を体験してみましょう。僕が共有したこの「moon again」の画像でやってみます。
メニューにRiNG監査というのがあるので、そこから共有した画像を読み込ませます。
登録されていればこのように監査結果が出てしっかりブロックチェーンに刻まれてることがわかります。
ちなみに、これはスマホで撮影した画像ですが…、
・スマホに保存したものをPCに送信したもの→監査通る
・nemgraphで共有したものを右クリックからPCで保存したもの→監査通らない(未登録)
・PCでスクリーンショットしトリミングしたもの→監査通らない(未登録)
となりますので、ご参考に。
RiNGの利用は有料
RiNGする際には登録手数料としてその都度5XEM必要になります。
これはRiNGをセルフプロモーションの意味を持たせて使う場合の手数料という意味合いも出ると思います。おそらく、nemgraphの需要が高まるほど「思い出をブロックチェーンに刻む」ことよりもそういった用途の方が高まるのではないでしょうか?
そうすると、例えば、非フォロワーのタイムラインにも表示させたい時間に応じて前払い登録料が上がる(2時間毎に5XEM等)などとすると、経済がより回るような気がします。
ここで、NEMberインスタキング(←僕が勝手に思ってる)かいとぅ氏(@kaito4432)の最近のメガヒットツイートを見てみましょう。
ねぇ、なんでインスタグラマー達、急に同じ水飲み始めて、書き始めが必ず「@コスメで1位だから気になった」と聞かれてもない出会いを説明して、仕上げにいつも使ってるバス停で偶然その広告見かけたと一緒に写真撮るん? pic.twitter.com/S91RfPpg5Z
— かいとぅ@𝕣𝕖:𝕓𝕠𝕠𝕤𝕥 ⓝⓔⓜ feat.ネム₍₍ (ง ˘ω˘ )ว ⁾⁾ヨコ (@kaito4432) August 15, 2019
タイムラインがこういった見え見えのプロモ写真ばかりになったらそれはそれでアレかもしれませんがねぇ…せめて手数料をねぇ…じゃんじゃん…
しかし、nemgraph、ほんとおもろいわ…SHUさんENUさん天才か
5.NEMエコシステムに参加する
そして最後の5番目の「機能」がこちらです。実際はnemgraphの機能ではないのですが、これが実は最大のエキサイティング要素だと思っています。
XEMをチップする、写真を買う、その売り上げから運営手数料が引かれる、RiNG登録手数料を払う…、それらの支払い行為のすべてに、この分散型エコシステムであるNEMネットワークを1つの経済圏として成長させる要素も含まれていることです。
売り手と買い手(運営者含む)がニッコリするだけではないのです。
チップするXEM、運営に支払う手数料、それらは受け手がまるっと手にするだけではなく、すべての支払いの一部がNEMネットワーク利用手数料として使われており、それがNEMエコシステムを支える多くのハーベスターの報酬として還元されることです。
そしてそれが、nemgraphやNEMが利用されているアプリやサービスなどの持続可能性を高めることにもなります。
報酬を得るため委任ハーベストをするには既得で1万XEM保有していることが条件です。現在のPoIアルゴリズムでは一定のアクション(送金)が評価される仕組みですが、大量保有者がより有利であることは間違いありません。
しかし、Catapultでは新しくPoS+というアルゴリズムに進化し、「少ない保有者でも一定期間の使用手数料に応じて報酬を得られる評価値が上がる(この条件は保有数が多くなるほど効果がなくなるんだとか)」ようになります。
なので大量保有者でなくても、nemgraphで写真をどんどん共有してRiNG登録し、チップを送り(あくまでも破産しないように)、チップを貰い(すぐ売らないように笑)、そうやってネットワークに貢献していたら、保有数も増えつつ、今以上に思わぬハーベスト報酬を得られる機会が巡ってくる未来がくるかもしれません。
nemgraphのようなNEMエコシステムを活発にする媒体がさらに増えると…そりゃあもう!
さいごに
インスタをそんなにやったことない僕ではありますが、人の写真を特に何も考えずにツラツラと見るのがこんなに楽しいとは想像以上です。
ツイッターやブログのようなテキストベースの表現の場だと、どうしても主張がぶつかったりして、イヤな思いをさせてしまったり、させられたりして、何かと負の感情に支配されることあるのですが、nemgraphには相手が誰かなど関係なく、共有された写真に感動するかどうかだけで行動できる心地よさがあります。
nemgraphを通してNEMエコシステムがうなりを上げつつあるかな?世界の人たち見てる??とか思うとさらに興奮してきます。デベロッパー万歳!
※本文中に出てくる手数料等は2019年8月24日現在のものです。
著者プロフィール
お忙しいところ、貴重なお時間の中での当サイトへのご訪問ありがとうございます。
WEBデザイナー/ディレクターとしてのリーマン生活を脱却し、FX専業(兼業?)トレーダーをやりながら、MT4のEA/インジケーターの開発やFX関連情報サイトを運営していました。
今ではもう暗号通貨に絞って福岡を拠点に隠密活動しています。主にNEM Symbolをガッツリ、EthereumのDappsは趣味程度に。10年以上のトレーダー経験を活かし、暗号通貨相場のテクニカル分析もやってます。
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