たった5分、The DAOの基本を10ステップで解説
最終更新日2016/05/30 公開日2016/05/20 この記事は 約5分 で読めます。
The DAO(ザダオ)ってナニソレ?The DAOとは?と思ってここに到達しましたか?
でももう大丈夫、ここでは初心者向けにポイントを絞ってまとめています。
そのどん兵衛が出来上がる頃にはThe DAOの基本がぜんぶわかってしまうでしょう。
目次
1.自律分散型組織=DAO
DAO(ダオ)とは元々Decentralized Autonomous Organization、自律分散型組織の略称で、Slock.itというドイツの企業によりコードが開発された。
ブロックチェーンによりコントロールされた変更の効かないルールの元で運用され、比較的(完全ではない)非中央集権的なシステムで運営される、ファンドマネージャーなきベンチャーファンドのようなもの。それがThe DAOである。
2.最高記録
クリエイションと呼ばれるDAOのセールは、わずか17日間でクラウドファンディングの最高記録(約124億円)を抜いて第1位に。
3.DAOトークン
DAOというトークンを主軸としており、100DAO=1ETHとして担保される。
総発行量は2016年5月28日のクリエイション終了時点の量が上限となり、減ることはあってもそれ以上は増えない。
クリエイションが終わり次第DAOはトレード可能になり、取引所で売買したり、個人間での送受信が可能になる。
4.DAO保有者の利点
DAOトークン保有者は提案されたビジネスの承認投票に参加可能で、可決されるとDAO保有率により出資額の一部を負担する形になる。その見返りとしてビジネスで得られた利益の一部から分配報酬を得る権利もある。
もちろん、マーケットで高値で売り差益を狙いに行くことも可能だ。
5.ビジネスやアイデアの提案
最初の提案は、Slock.itによるイーサリアムコンピューターというシステムを通じたレンタルサービスの仲介。自転車や倉庫、民泊や賃貸等がスマートロックを通じてP2Pレンタル可能に。
また、ドイツ大手のエネルギー会社RWEとパートナーシップを組み、電気自動車に関連した「補充量ベースの料金請求」「信号待ちの間に利用可能な充電ポイント」なども共同開発中。
今後はSlock.itに限らず、大小さまざまな提案がThe DAOの中で提出されていくだろう。
6.誰でも提案者になれる
DAOの配下でビジネスを行いたい個人や企業はProposal(プロポーザル)という提案を提出し、Curator(キュレーター)と呼ばれる管理者によりコードに不正がないか?提案者が現存する個人あるいは企業や組織なのか?というチェックを受け、問題がなければ投票へ。
そのキュレーターは投票により選任することも解任することも可能。このキュレーターの存在がDAOが完全に非中央集権化されていないところか。
現在のところ、彼らがそのキュレーターとなっている。すべてEthereum関係者だ。
悪意のある個人あるいは集団がDAOの51%を独占し、「すべてのETHを指定アドレスに送信せよ」などといった提案を承認させないためにもキュレーターが必要であるという。
7.提案を採用するか否かは多数決
すべてのDAO保有者は新規ビジネスの提案に対する投票権を持っており、その保有数=票数となる。可決にはDAO総量の20%以上の参加が必要。
無投票の場合は無条件で多数決の結果に従わされることになる。
投票した後、投票期間中はDAOの移動は出来ない。
8.提案者から契約者へ
DAO保有者らの投票(参加の義務はない)で賛成多数により可決されると、提案者はContractor(コントラクター/契約者)となり希望していた出資をETHで受けることができる。
提案を提出して可決されるまでのプロセスは最短でも7週間は必要となる。
9.分配利益を受ける権利
コントラクターのビジネスから得られた利益の一部を、DAO保有者はその保有割合により分配報酬として受ける権利がある。そのスパンや報酬率などは投票前に提案内容で確認しておく必要がある。
保有しているDAOを市場で売買するか、分配報酬を得るために保有したままでおくか、それはホルダーがもっとも頭を悩ますところだろう。
10.Splitという特殊機能
DAOはSplit(スプリット)をすることでETHに戻すことが可能。
スプリットされたDAOはnewDAOという命名可能なあなた独自のトークンになり、元のDAOは消滅し、総発行数が減少する。
スプリットする時に注意することは、すでにDAOがコントラクターに出資をしている状況にあればその分のETHは返還されないこと。その分はReward Token(RT/リワード トークン)として残る。RTには分配報酬を得る権利があるが、そのトークンは今のところトレードすることはできない。
(※挿絵は例えとして8:2の比率になってますが、常にその比率という意味ではありません。)
著者プロフィール
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WEBデザイナー/ディレクターとしてのリーマン生活を脱却し、FX専業(兼業?)トレーダーをやりながら、MT4のEA/インジケーターの開発やFX関連情報サイトを運営していました。
今ではもう暗号通貨に絞って福岡を拠点に隠密活動しています。主にNEM Symbolをガッツリ、EthereumのDappsは趣味程度に。10年以上のトレーダー経験を活かし、暗号通貨相場のテクニカル分析もやってます。
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