私たちは何に熱狂し何に投資しているのか?NEM Symbol、人類に与えられた新しい選択肢と世界観

 最終更新日2020/11/14 公開日2020/11/12    この記事は 約61分 で読めます。

ほんと、何にこんなにも熱狂しているんでしょう。

NEM/Symbolが創り出すデジタルなところの「経済圏」の仕組みを知ることで、なぜそこに投資をするのか投資するための強みや優位性が一体どこにあるのかを私自身のこれまでのNEM活まとめとして、時折主観を織り交ぜながら再考してみます。

折角なので、NEMはじめての人やあんまりわからずXEMを買ってる人にとってもなるべく飲み込みやすいよう書いていますが、環境設定などのHow to解説はバッサリ割愛した読み物系の沼記事ですので気を付けてください。

私が過去に書いてきた記事の中で最も長くなっています。時間がある時にあなたのペースでいいのでじっくり読んでみてください。途中に出てくる8つのお豆知識も漏らさず読むことでより世界が広がるように仕組まれてます。

読み終えた時にあなたはきっとこの沼に浸る悦びを知ることになるでしょう。

※出てくる設定値などはSymbolメインネット稼働時のものとは異なる場合があります。本文上でも注釈はいれていますが、最終的な数値が確定したら加筆修正するつもりですのでご理解ください。

はじめに:新しい投資の選択肢

NEM/Symbolというか暗号通貨/暗号資産への投資/トレーディングは、株式や外国為替、原油や金、不動産という伝統的な投資先とは違う新しいジャンルの投資、全く新しい投資の選択肢であるとして読み進めてもらえればと思います。

3つの投資手段

NEM/Symbolへの直接投資で利益を得るためには大きく3つの手段があります。

1:XEMやXYMという基軸となる通貨を買って差益を狙う
2:ハーベスターとなってブロック報酬を得る
3:ノードを運営してハーベスターから受益報酬を得る(Symbolのみ)

と、誰にでも公平にそれらの機会を得られるようになっています。

敷居は低い方だと思いますが、何故、私が「これだ」と思ったのかを私自身振り返りながら、基礎から順に書いていきます。

NEMとSymbolとmijin

まず最初に「NEM」と「Symbol」の関係をハッキリさせておきます。

端的にはNEMという名前をもつ1つの経済圏の枠の中にNEMとSymbolという2つのパブリックブロックチェーンがあるというのがそれらの関係を表したものになります。

あ、どうして「経済圏」と呼ぶのかは読み進めてもらえることで理解できるようになってますが、NEM/Symbolへの投資は新しいデジタル経済圏への投資と言う風に言ってもいいかなと思います。

それぞれブロックチェーンを司る中心的なサーバーシステム(コアシステム)があり、NEMはNIS(NEM Infrastructure Server)という名前、SymbolはCatapult Serverという名前が付いています。

お豆知識1
NISは最近はNIS1と呼ばれています。Symbolという名前が決まる前はCatapultというコードネームで呼ばれていました。そのCatapultが現NEMのチェーンをアップデートする形ではなく、ハードフォークでもなく、新しいチェーンとして起動させる必要になった時、その新チェーンの方のコアシステムを仮称として「NIS2」と呼ばれるようになり、同時に現NEMの方を「NIS1」として区別して呼ぶようになりました。

NEMとSymbol、この2つの言葉の関係はApple社を例に出すと理解が早まると思います。

Apple社が最初に販売した製品は「Apple I」というものでしたが、その後「Macintosh(Mac)」という製品を販売しています。Appleと違ってNEMは企業ではない点が大きな違いですが、プロダクトブランドの関係はそのように理解しておけばいいと思います。

NEMとSymbolは取引状況が完全に公開された公共のブロックチェーン…パブリックチェーンなのですが、この経済圏にはプライベートな環境での利用を目的としたプライベートチェーンも加わります。

例えばそのプライベートチェーン版には、テックビューロ社がNEMテクノロジーを元に開発したmijinという製品があります。元々Catapultはmijinを大幅に改善したバージョン2として発表され、そのコアをパブリックチェーンのNEMでも共通採用するとして発表されたのが始まりです。

NEMという経済圏には、NEMとSymbolというパブリックブロックチェーン、mijinに代表されるプライベートブロックチェーンがあることが理解できたら、次のステップに進んで参りましょう。

CentralizedではなくDecentralizedな経済圏

このNEMという経済圏の基本的な構造について簡単に理解しておきましょう。ここはかなり重要です。

NEMはDecentralized(ディセントラライズド)な経済圏となります。Decentralizedとは分散型という意味になります。その反対にあるのがCentralized(セントラライズド)になり集権型という意味になります。

はい、よくわからないですね。

「ラ」が2つ連なる部分は今でも慣れず気持ち悪いです(関係ない

集権型

集権型というのは、この世界でいうと国や銀行、会社や学校といったものがそれにあたります。そこには必ず管理者層であるボス層があり、それらに良くも悪くも支配されて成り立っています。

メリットは意思決定が早いとか方向性の一致など効率性が高く、デメリットは管理者層に悪いことする人とか理不尽なバイアス働かせる人がいたらよろしくない組織になりがちということです。最悪、そのせいで組織が破綻してしまうこともあります。

分散型

分散型は、中央管理者というのを置かないで、みんなで権限を分散させて管理しようぜというものになり、民主的で透明性のあるものになります。

メリットは集権的管理者層に支配されていないので組織全体が破綻するリスクが小さいことです。デメリットは意思決定が遅くなったり、意見の対立により分断したりすることです。

また分散型というのは小さな集権組織の集合体でもある点も覚えておいてください。

この分散型がパブリックブロックチェーン、そしてNEMとSymbolの基本構造になります。

お豆知識2
Symbol(Catapult)の開発に4年以上も費やしてしまったことは、分散型のデメリットをもろに被ってしまった結果でもあると思います。

テックビューロ社は集権型組織ですのでプライベートチェーン版mijin Catapultの完成とリリースは早かったです。2018年5月に開発者向けにオープンソース版の提供を開始し、2019年6月には製品版をローンチしています。

そして私たちは分散型のメリットもすでに経験しています。NEM財団というものが普及促進を図る先導組織としてリーダーシップをとっていましたが、実質的に2度も空中分解しました。

NEMがNEM財団という集権型組織が興したプロジェクトだったらもう死んでる可能性が十分にあるのですが、そうではないので技術は発展を続けており、経済圏は生き続けています。

分散型経済圏は集権型経済圏ありき

暗号通貨の取引を行う取引所、取引をする私たちは国という集権型組織に属していますので、分散型経済圏であるNEM/Symbolで何かを行うにしても何かしら国の制約を受けたりするのは仕方がない、というか我々庶民は受け入れて制約の中でうまく立ち回るのが良いだろうなと思います。

暗号通貨そのものをどれだけ得ようが、実生活で直接的に使える場面はかなり限られていますし、集権型組織の基軸通貨日本円コインに換えなければ実生活での利用価値をほぼ得られないのは事実です。税金だってきっちり納める必要があります。

現代において、分散型経済圏の内部は分散的に回りますが、ほとんどの場合で集権型経済圏である国の制約を受けなければならない(或いは受けたほうがいい場面もあると思います)ことは覚えておきたいですね。

分散型経済圏であるNEM/Symbolで何が行われるか?

NEMにはXEM、SymbolにはXYMという基軸となる通貨(これを日本では暗号資産と呼ぶ)があり、その取引台帳管理が行われます。

さて、これから先は、新しいブロックチェーン「Symbol」に絞って解説を続けます。

いつ誰が誰にどれだけのXYMを送金したか?着金したか?といったトランザクションデータ(取引情報)をノード(※1)というものに記録/管理し、その全く同じ記録が残されていくノードを分散的に誰もが運営できるようにすることで、集権的な管理者不在でもデータの改ざんを防いでいます。

ノードの数が増え世界各地に分散して分散性が高くなればなるほど、改ざんが難しくなります。例えばノードが300あったとして、その中のいくつかのノードがデータ改ざんしたとしても、他の圧倒的多数のノードの記録と違うじゃねえかということで改ざんから守られる寸法ですね。

ちなみに、人体の免疫器官の1つであるリンパ節なんですけど、ソラマメの様な形の極小さなものが1か所に2~10数個集まり、それが全身に約600個程度あるんだそう。そのリンパ節は英語でリンパノード(Lymph node)と言うんだそうで、なるほどなと思いました。

※1…すべてのトランザクションデータを保持したものをフルノードといいます。本記事で出てくるノード=フルノードであると理解ください。

どんな経済活動が行われ得るのか?

では、Symbolブロックチェーン上でどのような経済活動が起こり得るのかを考えてみます。

セキュリティと透明性を担保にする特性から、Symbolブロックチェーンに証明記録とか権利状態を刻んだり、なんならSymbol上であなたの独自通貨を発行してICOをやったり、既存の証券を置き換えたデジタル証券のベースとすることができます。

またユースケースをもっと世間一般の人々に広げる事もできます。プラットフォームを越えて自由交換可能なゲーム上のデジタルアイテムやデジタルカード、希少性が価値と紐付くデジタルアートの証明としての利用だって可能です。

デジタルチケットを発行すれば違法転売も防げるし、透明な選挙を目指すためのブロックチェーン投票も実現できます。

特定サイトへのアクセス権やソフトウェアの使用制限や管理、食料や資材や電力などのサプライチェーンの追跡(トレーサビリティ)も出来ますし、IoTと絡めた入退室管理や施錠管理にも使えます。

もちろん、基軸通貨であるXYMは市場価値が付いていれば、NEMのXEMと同様に日常の決済手段としても利用可能です。

私の考えの範囲になりますが、決済手段としての利用はあくまでもサブ要素に留まると考えています。今はあまり「新しいお金だ!」とは思わなくなりました。

Symbolネットワークを維持するための有用性に対法定通貨での価値が付くことで、結果として決済手段としても使えるじゃないか、という風に思っていて、「使い勝手のいいデジタル資産」という印象が強いです。

流動性が上がりボラティリティがある程度落ち着くまでは決済手段としての拡大は難しいので、理解のある決済受け入れ先がコミュニケーション目的やイベント要素でもいいので、1軒でも増えてくれば面白いなと思います。

…というのがSymbolブロックチェーン上で行われ得ることの一例になりますが、これらがパブリックチェーン上で行われる際には、取引などのデータを刻むための手数料が必要になり、その仕組みが新しいデジタルなところの自律した経済圏を作る大事な要素となっているのです。

どうやって分散型経済圏を維持するのか?

Symbolブロックチェーンで実現できることはわかったとして、皆で協力してこの新しい分散型経済圏を維持しようといっても、そこにメリットがなければ誰も参加しないでしょう。そこでそれを維持促進する為のとても興味深いインセンティブの仕組みがあります。

XYMを誰かに送金するなどブロックチェーンに記録を刻む行為、所謂トランザクションの処理を行うには、その都度ネットワーク利用手数料が必要になります。手数料は基軸通貨であるXYMで支払うことになります。

支払うということは受け取り手がいるわけですが、集権型の世界の場合、手数料は親玉が全て利益として総獲りし、その一部を社員に優劣つけてお給金スタイルで分配したりしますが、Symbolの分散型経済圏ではネットワークを維持するために協力するすべての人に、その手数料を報酬として再分配される仕組みが公平に備わっています。

これがSymbolの大きな特徴であり特異性であり優位性なのです。

ではそのインセンティブの仕組みがどのようになっているのかに踏み込んでいきます。

インセンティブの種類

もしあなたがNEMのことをそれなりに知っているならば、Symbolのインセンティブの仕組みはNEMのそれが幅広くより自律的になったようなイメージで良いと思います。

ネットワーク維持に協力してくれる人たちに準備されたインセンティブ(ブロック報酬)は大きく次の2つがあります。

手数料報酬

アカウントからアカウントに送金した時の送金手数料など、世界各国老若男女、不特定多数の人々がSymbolネットワークを利用する時に支払われるあらゆる手数料です。

インフレ報酬

これは画期的なインセンティブになると思われます。NEMではXEMの総発行数のうち約35%がコアファンドと呼ばれる枠でストックされているのですが、Symbolではそれが22%に減少します。

減少した約11.7億xymがインフレ報酬として割り当てられブロック報酬に加えられます。1ブロックに割り当てられる量は四半期ごとに徐々に減っていき、最終的に0になるのは200年以上先になる計算です。

例えば、Symbolローンチして3年くらいは80~70xymほどが全ブロックに含まれてくるようです。NEMのブロック報酬は手数料報酬のみですので、1ブロックの中に1度もトランザクションが発生してなかったら報酬は0ですので、これは大きな変化だと言えるでしょう。

XYMの市場価値が上がったり、Symbolへの期待値が上がったりすることでブロック報酬の旨味が増すことになりますので、ブロック報酬が増えるということは、ネットワーク貢献者間で競争力が働く要因になります。よって、競争力が働くということはXYMの市場価値が上がりやすい環境に近づきます。

お豆知識3
NEMには旧NEM財団により設立された集権型のスーパーノード報酬制度というものがあります。これは、手数料報酬が少なければコストをかけてノードを運営する意味がないので、ネットワークが成長して潤沢になり、手数料報酬が増えて自律できるその時が来るまでと、つなぎ要素で作られたものでした。

しかし、Symbolのインフレ報酬は「集権的」でも「つなぎ要素」でもありません。コンセンサスプロトコルに直接帰属しており、自律分散的に持続可能性を支えるための立派なインセンティブシステムになります。

その他にもあるインセンティブ

その他にこんな報酬もあります。

委任ハーベスターからの受益報酬

注目の報酬システムですが、詳細はノードスコアの項目で解説しています。

スーパーノード(SN)報酬

NEMでは300万xem以上を保有していることが条件でしたが、Symbolでは100万・200万・300万と3つの階層に分かれたSNになることが可能です。インフレ報酬の導入からSN報酬の割合は激減した上に、段階的に分配量が少なくなり6年後には完全に消滅します。

こちらの資料によるシミュレーションでは、SNが325台あると仮定して最初の1年間で、

100万SN:2,920xym
200万SN:7,862xym
300万SN:25,142xym

が得られるという試算が行われています。これはもちろんSNの総数が増えるほど報酬の取り分が少なくなると思われます。

比較参考までに、NEMのSNの場合、全380台ほどのSNで1台あたりの年間報酬は約14万xemですのでかなり減っていることがわかります。しかしながら減少また消滅するSN報酬分はインフレ報酬で賄えるような計算になっているので、NEMの現SNオーナーは落胆する必要はなさそうです。

ファイナリティ投票報酬

Symbolでは確定的ファイナリティという取引を完全に確定させるための仕組みが取り入れられました。300万xym以上を所有するノードらによる投票でそれを確定させる仕組みのようですが、難しくて詳しいことはまだよくわかりません。

テクニカルリファレンスのこの項に「ファイナライズプロセスに参加するアカウントへの報酬」というように登場する範囲で、どんな報酬体系になるのかまだ詳細はわかりません。

ネットワーク維持に参加する人々すべてにこれらの報酬が得られる機会を与えることで分散型経済圏をより自律的に持続させようとするんですね。ネットワーク維持への参加とは、詳細は後述しますが、ノードを運営することやハーベスティングというものを行うことになります。

ではさらに奥地へと進んでいきましょう。

インセンティブを受け取れる機会

Symbolのブロックタイムは1ブロック30秒(※1)になるので、それ毎に報酬が得られる機会が生まれます。その中に先ほどの手数料報酬とインフレ報酬が含まれることになります。

1日は86,400秒なので、1日に2,880回の報酬機会となります。

インフレ報酬は例えば…

最初の3年の1ブロック当たりのインフレ報酬が平均75xymで1xym=10円だとすると、手数料報酬がゼロであっても30秒毎に750円の報酬獲得機会が3年間は続くという計算になります。回数にすると315万3,600回となり、約23億円分のXYMが分配される計算です。

総予算感だけで比較すると、たった初期3年間だけでZOZO前澤さんのお金配りより遥かにデカい額がマシンガン式に分配されることになります笑

あ、1xymの時価は変動するので上にも下にも(著しく)変わることだけは覚えておきましょう。ただ、想像は自由です。

手数料報酬は例えば…

1ブロックには最大6000件(※2)の取引(トランザクション/Tx)を収めることができます。

1件あたりの送金手数料の平均が0.5xym、1ブロック平均1,000件の取引が行われている状況だと仮定すると、500xymの手数料報酬を獲得する機会が1日に2,880回もあるという風に計算できます。1xym=10円ならば?計算してみてください。

それほどネットワークが潤うようになる日がすぐ来るのかまだ遠い未来のことになるかは、NEMに関わるすべての人…あなたの行動1つ1つに掛かっています。

※1及び2…テストネットでの設定値なのでメインネットでは変わる可能性あります。

お豆知識4
1ブロック30秒の場合、Symbolが24時間に処理できる最大トランザクション数は、2880ブロック×6000tx=1,728万txとなります。
2020年10月26日のイーサリアムの24時間処理トランザクションは約100万件でした。これをSymbolにしてみると1ブロック平均347txが処理されたことになります。イーサリアムと同等のトランザクションを処理するようになるのはそう遠くないかもしれませんが、1ブロック6000件も処理するのはまだまだ遠い日の話でしょうね。。

では、その報酬を私たちはどのようにして、またどのような条件を満たせば貰えるのかをまとめていきます。

ハーベスティング

Symbolブロックチェーンのネットワークに参加して報酬を得るための仕組み、とりわけブロック報酬を得る仕組みを「ハーベスティング」と言います。

日本語では「収穫」ですね。よく言われるのがビットコインでいう「マイニング(採掘)」のことなのですが仕組みは全然違います。

30秒毎に完結するブロックを収穫してその中身に詰まっている手数料報酬とインフレ報酬という「実」を得ることになります。

そのブロックを収穫できるかどうかは「確率」になり、その中身にどれだけの「実」が詰まっているかは、1ブロックの中にどれだけトランザクションデータが刻まれ、どれだけの手数料が納められるかは前もってわからないので「」になります。

このルールの面白いところは、ハーベスト確率が低い比較的弱いアカウントでも、1発収穫に成功すれば中身がギッシリ詰まった「実」を収穫できるクジ的な要素があるところです。

ハーベスティングの方法

ハーベスティングを行うには2つの方法があります。1つは自分でノードを建てて行うローカルハーベスティング(Local harvesting)と、自分では建てずにノードに委任する形で行うデリゲイテッドハーベスティング(Delegated harvesting)です。後者はクソ長いので「委任ハーベスト(ハーベスティング)」と多く呼ばれています。

委任ハーベストは自身のウォレットでXYMを管理する必要はありますが、自分でサーバーを借りたり、PCを起動したまんまにしておいたりする必要がないので、とても気軽に行うことができます。取引所に預けたままでの参加は基本的にできません。

1万xym以上を保有していることが最低条件となりますが、5,000万xym以上を保有する圧倒的富豪アカウントは参加できないようになっています。ここにも「裕福なものだけがより裕福になる」を軽減するためのケアが施されているなと感じます。

「世間一般の人々に力を与えたい」というNEMの昔からの理念的なものはしっかりと受け継がれています。

お豆知識5
NEMの場合、どのアカウントがどれだけXEMを保有しているかはリッチリストを見れば一目瞭然です。これはアカウント主体ですので「誰が」もっともリッチなのか?を並べたものではない点には留意しましょう。このリッチリストはSymbolでも見れるようになると思います。

2020年10月28日時点では、リッチリストのトップは日本のZaif取引所のコールドウォレット(常時オンラインではない保管用)です。頻繁に出し入れを受け入れるのは別途ホットウォレットというもので必要最低限の残高を確保しつつ回転させています。

顧客ごとに個別のアカウント(アドレス)を発行させて管理しているのではないので、Zaifで出金時にメッセージを要求されるのはどの顧客からの要求なのかを内部処理で判別させるためです。

ブロック報酬を得るのは確率であると書きました。ではその確率はどのようにして決められているのか?さらに熱帯雨林の奥地に進んできましょう。

ハーベスティングの確率

ある3つの要素で計算された重要度(インポータンス)と呼ばれるスコアが高いほどハーベストできる確率が上がるのが基本的な仕組みとなります。

ここは所謂コンセンサスアルゴリズムと言われるアレです。NEMは「PoI(Proof of Importance)」と呼ばれるものでしたが、Symbolではそれを改善した「PoS+(Proof of Stake plus)」という仕組みを採用しています。

ある3つの要素とは、

で、アクティビティスコアは2つの要素の総称なので、インポータンスは「ステークスコア」と「トランザクションスコア」と「ノードスコア」の合計3つの要素で計算されます。

それぞれを1つづつ説明します。Symbolコンセンサスアルゴリズムの1つの大きな山場になるのでじっくり読んでみてください。

ステークスコア

ステークとは「通貨の保有量」を表します。つまりあなたがどれだけXYMを保有しているかどうか。これがまず重要な要素となります。

より多く通貨を保有している人ほど、エコシステムの成功と繁栄をより強く望んでいるから評価されるべきだという考えから成り立っています。

しかし、このステークスコアばかりに依存していたら保有量がより多い人だけが得をし続けます。富めるものだけがより富めるというやつですね。そのバイアスを軽減する為に次のアクティビティスコアが機能することが期待されています。

アクティビティスコア

Symbolのアクティビティスコア(トランザクションスコアとノードスコア)はXYM保有量が少ない(下限はハーベスト条件である1万xym)ほど効果的になり、20万XYMを越えるとほぼ効力がなくなるという部分が大きな特徴となっています。

これは言い換えると、頑張る貧乏なアカウントが何もしない裕福なアカウントに対抗できるより公平な評価システムということです。

純粋なPoSコンセンサスアルゴリズムは保有数が多いかどうかしか評価されずガチホ欲が高まりやすい環境なので、エコシステム内での通貨の流動性があまり期待できなくなることが危惧されがちです。しかしこのアクティビティスコアはそれを打破するポテンシャルを秘めたものとなります。

この新しい評価の仕組みがSymbolのコンセンサスアルゴリズムはPoS+の「+」を司るものの1つだと言えます。

では、アクティビティスコアの中の2つの要素を解説します。

トランザクションスコア

トランザクションとは「取引」を表します。XYMを送ったり、モザイクトークンを発行してそれを送ったりとSymbolブロックチェーンを一定期間にどれだけ使ったのか?というのが評価されるようになっています。

例えば、XYMの保有数はめちゃ少ないけども、多くの人がネットワークを頻繁に使うようなサービスを開発した人の貢献がより評価されるような仕組みがあります。

その貢献というのはズバリそのアカウントが送金手数料を一定期間にどれだけ支払ったかということです。手数料はブロック報酬になると説明しました。ネットワークを維持するためのインセンティブを作り出した人は評価されて然りですね。

ノードスコア

アカウントが「ノードを運用」しているかどうかも評価対象になります。最初の項目で解説したように、ノードがどれだけ分散できるかが求められている世界なので、そのノードを運用してくれている人に恩恵があるように設計されています。

私はコンセンサスプロトコル(合意形成方法)として、Symbolのこの部分にNEMからの力強い進化を感じています。

しっかり解説しますのでじっくり読んでみてください。そして興奮してください。

お豆知識6(必読ソラマメサイズ)
興味深いことに、ビットコインにもイーサリアムにもリップルにも、フルノードを運用する人への報酬はないとのことです。

しかしながら、フルノード運用インセンティブがなくてもビットコインは8,000、イーサリアムは10,000以上(2019年のデータ)ものフルノードが世界各地に分散して稼働していることはすばらしく、リスペクトすべき事実だと思います。

ただ、米国DataLight社の調査によると、ビットコインのフルノード数と市場価格には明確な相関性はないと結論付けています。分析では、それは多くが愛好家や技術的興味のある層(自社サービス運営者もかな)が運用しており、マーケットに直接影響を与えるトレーダーや投資家がフルノードを運用していないからだということ。

それは、トレーダーや投資家層がフルノード運用によるネットワーク保全には興味がない(=金銭的インセンティブがない)ことが大きな要因であり、本来ならば自らの資産を守るべくネットワーク保全に注意を払うため彼らもフルノードを運用すべきであると主張しています(参考記事

お気付き頂けただろうか…?

Symbolのフルノード運用には金銭的インセンティブがコンセンサスプロトコルに直接帰属する形で存在しますので、比較的画期的なものであるのは間違いありません。

インセンティブがあろうがなかろうが、技術者や事業者が自前でフルノードを建てて開発やサービス運営を行うことは容易に想像つきます。

しかしSymbolには、既存ギーク層のように技術への興味関心がそれほどまで高くはなかった投資家らに、フルノード運用意欲を高めさせるための大きな優位性があり、また1歩先を読んだ設計になっているのです。

技術が高まり広まることで投資が活発になり、投資が活発になることで技術もまた高まり広まります。技術者は利益のために働き、投資家もまた利益のために働きます。この真理は覆されることはないでしょう。

技術そのものに直接投資ができる新たな選択肢がブロックチェーンと暗号通貨なのです。

昨今のブロックチェーン界隈ではインターオペラビリティ(異なるチェーンによる相互運用性)の重要性への声が高まっていますが、それをもって繁栄を遂げるには、異なるチェーン同士だけではなく社会的に微妙に異なる立場にいた人々(例えば技術者と投資家など)とのシナジーがより一層求められるのではないでしょうか。

あ、もちろんSymbolには第三者を在することなく異なるブロックチェーン間でのトークントレードを可能にするクロスチェーンスワップ機能が備わっていますので、技術レベルでの相互運用可能性もしっかりと視野に入れられて(随分と前から)設計されています。

ノード運用の面白さが詰まったロジック

ではノードスコアの具体的なスコアリングの話に戻ります。

ノードスコアはノードを運用する人のアカウントが一定期間にどれだけ「受益」したのかの回数が評価されます。先のインセンティブの種類の項で「委任ハーベスターからの受益報酬」があると書きました。その部分になります。

まず前提として思い出しておいてもらいたいのがこれです。

があるということ。

前者は「自分で土地を開拓して行う農業」後者は「その土地を間借りして行う農業」、と理解すると飲み込みやすいと思います。

受益とは

ノードは委任ハーベスターを受け入れる際に、彼らがハーベストに成功したブロック報酬の25%もしくは0%を受け取る設定が可能です。

イメージとしては収穫のために貸している農地の賃料といったところなのですが、委任者はハーベストに成功してブロック報酬が得られなければ賃料を払う必要はありません。

NEMでは委任されることのメリットは皆無ですので、まずこれだけでも十分にSymbolブロックチェーンのフルノード運用の旨味がアップしていることが理解できるかと思います。

そして本題の「受益(回数)」の意味するところは、賃料25%に設定している時にその賃料を何回受け取ったのか?になり、ステークスコアは一定期間に何回受益したのか?で計算されることとなります。

ノードスコアをアップするには

インポータンスが高いほど収穫率が高くなりますから、よりインポータンスが高いアカウントにより多く委任されることがノードスコアアップの秘訣になると思われます。

アクティビティスコア(トランザクションスコア+ノードスコア)は20万xym以上の保有で効力がなくなる特性を生かし、次のような運用スタイルもありかと思います。

例えばあなたが50万xymを保有しているならば、より頻度高く送金を行う10万xym以下の残高アカウントでノードを運用し、残りの40万xymを別のアカウントに保管、そのアドレスから自身のノードに委任するといった形です。

これだと他のアカウントから委任され賃料を得れる可能性もありますし、取引所でいうホットウォレットとコールドウォレットの分散管理な関係になり、セキュリティ面も向上するので一挙両得かもしれません。

もしノードの数に対して委任ハーベスター希望者の数が圧倒的に多く溢れてしまうような状態になれば、10万xymのノードを5つ建てるなどして地代収入(受益報酬)を稼ぎにいくような運用方法の方が有効になる場合もあるかもしれません。

ただ、ノードを運用するにはVPS利用料といったコストも発生しますし、XYMの市場価格が低ければハーベスト報酬やノード受益報酬ではコストが賄えないリスクもあります。

そういったケースでは、50万xymにまとめて賃料0%ノードの空きを見つけて委任するとか、或いは賃料25%引かれても委任ハーベスターに落ち着いた方が良い状況もあるかもしれません。

お豆知識7
ハーベストに成功してブロック報酬を獲得した時、実はまずその報酬量の5%がネットワークシンクというアカウントに徴収されます。その後、賃料として25%がノード運用者に、75%がハーベスターに渡ることになります。

そのアカウントに蓄積されたXYMの詳細な用途と方法は不確かな部分があるのですが、リファレンスによると「スーパーノードプログラムの作成、ファイナライズプロセスに参加するアカウントへの報酬、またはネットワーク開発の前進に使用できる」とあります。

優先順位付けポリシーの妙

ノード運用者は委任を受け付ける上限(※1)を設定できます。さらに、委任してくるハーベスターを「Importance」か「Age」の設定で優先順位を付けることができるようです。

「Age」はおそらく先着順だろうと思いますが、「Importance」はインポータンス(=重要度スコア)の高い順になります。

インポータンスの高いアカウントほどハーベストに成功する確率が高くなりますから、受益報酬を欲するノード運用者はインポータンスを優先する方を選ぶと思われます(※2)

これは逆に捉えると、委任ハーベスターを受け入れるノードの数、及びノードが委任を受け入れ可能とする数が少なければ、インポータンスが低いが故に機械的に弾かれてしまう恐れがあるので、スロットのどこにも空きがなくて委任ハーベスティングをしたくても接続できない問題が起こる可能性が見えてきます。

その問題を解決するには、ユーザーが保有量を増やしてステークスコアを上げるか、トランザクションスコアを上げるかどちらかの自助努力が必要になるでしょう。

どちらかというと前者が圧倒的に手っ取り早いですし、そこに競争が発生するようであれば、XYMを求めて市場価値が上がる要因にもなり、ハーベスティングの意味と旨味が相乗的に上がるような仕組みにもなってるかなと思います。

NEMの方ではスロットがいっぱいで委任できない!ということは今はないのですが、もしSymbolでは委任希望者が溢れてしまうと、ハーベスティングを行う最低条件である1万xym保有というのが実質的な底上げになってしまいかねないですね。

が、それだけ需要が高まるということはノード運用者も当然増えていると思うので、ローンチ初期はもしかしたらノードがまだ追い付いてないこともあるかもしれませんが、中長期的にはあまり心配することはないかなと私は考えています。

が、そこまで需要が高まっているということは、市場価値が上がって1万xymを手に入れるためのお金がもっと必要になってしまってることも考えないといけないかもしれません。嬉しくもあり悩ましくもある状況ではないでしょうか。

逆に旨味期待が先行してノード運用者が増えすぎると、委任ハーベスターが分散しまくるか一部のノードに偏るかして、コストばかりかかって受益報酬が全く期待できなくなるノードが増えることも想定できますので、「やっぱ委任でいいかな」とノードを解体して諦める人も出てくるのではないかと思います。

たぶんそこら辺は自然とバランスがとられていくのではないでしょうか。

ノード運用者が貪欲に受益報酬を得にいくならば、よりインポータンスの高いアカウントに委任してもらう必要があります。委任者はノードがなければハーベスティングできませんが、手数料として成功報酬の25%を捧げる(※3)ことになりますので、できれば信頼できる人のノードに委任したいという思いは次第に芽生えるでしょう。

これはもしかしたら、いずれノード運用者の実社会での営業戦略(PR活動や信頼評価とか)までも試されるようになるのかもしれないなと思います。

※1…設定可能な上限値は不明
※2…デフォルトではImportanceに設定
※3…受益0%に設定していなければ

で、再度まとめますが、これら3つの要素、

によって算出されたインポータンスが高いアカウント=Symbolネットワーク上での貢献度が高いと見なされ、ハーベスティングできる確率が上がるという公平な仕組みです。

NEMと比較すると、ノード運用するにあたって多少は頭を使う必要がありそうですが、その分だけ良い環境になっていると思われます。

平等か公平か

NEMの世界観の話ではよく平等だったり公平だったりという言葉が出てきます。
(平等と公平の違いが曖昧ならば調べておいてください)

結論からいうと、平等ではありません。しかし公平です。

ただ、(ネットワークに参加し報酬を得るための)機会は誰にでも平等にあります。ハーベストするにしても、国籍、性別、年齢、宗教、人種、政治観…それらは一切関係ありません。ただ、1万xym以上を保有していればいいのです。

1万xymを買って手に入れるにしても取引所でKYCを済ます必要があるのでその限りではなくなるかもしれませんが、それはNEM/Symbol上で営まれる経済圏の問題ではありません。

この記事を執筆している時点では、1万xym=約10万円なのですが、価格が高騰していけば100万円やそれ以上になる可能性は十分にあります。

その頃にはじめてNEM/Symbolのことを知った人々は「高過ぎてハーベスト参加できない、不公平だ」という不満を漏らすかもしれません(過去にありました)

果たしてそれは「不公平」なのでしょうか?

私は不公平だとは思いません。過去には有利な価格で購入する機会が開かれた場所で十分にあったからです。あなたにだけ知らされなかったのであれば不公平ですが、あなたが知らなかっただけなら不公平ではないので。

さて、ハーベスティングに関する長い長いお話はようやくここまでです。

じっくりと読んで「取引所に預けっぱなしにしてる場合じゃねえ!」と思ったあなたは儲けるセンスがあります。

ここまででも十分に「NEM/Symbol経済圏に投資をすること」に魅力を感じて頂けたかもしれませんが、Symbolにはもう1つ大きな可能性が秘められています。

それはパブリックチェーンとプライベートチェーンがあり、それらが連携可能であるという点になります。

パブリックとプライベート

「NEMとSymbolとmijin」の項で、このブロックチェーンにはオープンなパブリックチェーンと、クローズドなプライベートチェーンが存在していることに触れました。ここでは主にパブリックチェーンをSymbol、プライベートチェーンをmijin Catapultのこととして書いていきます。

プライベートチェーンとの連携

プライベートチェーンは主として企業や事業(エンタープライズとよく呼ばれる部分)に利用されることを目的としています。ズバリ、中央集権的な用途に最適化されたブロックチェーンだと思うと良いかと思います。

透明性が高いことがパブリックチェーンの利点ではありますが、それが既存企業がブロックチェーン利用に二の足を踏む要因にもなっているのだと聞くこともあります。

用途はパブリックチェーンと重複するところが多いのですが、プライベートチェーンでは、例えば個人情報やビジネスパートナー間だけで共有したい情報などを含む、公にはできない(する必要性のない)情報の共有内容を限定的にできたり、パブリックチェーンでは処理できない膨大な量のトランザクションを高速で処理できたりもします。

また、ノードが集権的管理者により信頼(招待/許可)される必要最低限の数でいいので、ブロック報酬といったインセンティブが不要となる結果、トランザクション手数料が不要になります。

ブロックチェーンを利用したい企業にはもってこいの仕様なのですが…、この記事をじっくり読んできたあなたは「パブリックチェーンに投資をしている我々には一体どんなメリットがあるんだろうか?」って疑問に思ったかもしれません。であれば、さすがです。

結論から言えば、Symbolのプライベートチェーンばかりが採用されても、パブリックチェーンを支える人々にはメリットはほとんどないと思われます。

あるとしてもSymbolブロックチェーンの技術が使われたプライベートチェーンが採用されているという技術評価の範囲におさまるかと思います。それならばまだいいのですが、採用していることさえも表に出てこない方が多いかもしれません。公表されても「弊社はブロックチェーンテクノロジーを使っています」に留まるかもしれません。

技術提供会社や開発会社やコンサル、それを導入した企業は儲かるとは思います。私たち"パブリックチェイナー"への恩恵は皆無とは言いませんが少し遠回りなものになるでしょう。

しかし、

Symbolにはプライベートチェーンとパブリックチェーンが連携できるという素晴らしい強みがあります。ハイブリッドってやつです。適材適所でプライベートとパブリックを使い分けることが可能なのです。

例えば、

大量に発生するユーザー同士のゲーム内通貨やアイテム交換のトランザクションはプライベート内で処理し、ユーザーが獲得したゲーム内通貨をパブリックチェーンのXYMと交換したい時にだけパブリックに接続するといった連携(クロスチェーンスワップ)が可能です。
(ゲーム内通貨やアイテムはSymbolチェーンで発行できるモザイクトークンに紐づけられている)

ICOやセキュリティトークン(トークン化された証券)でも同様のことが可能になるでしょう。既存の証券がトークン化されチェーン上で当たり前のように売買されるようになれば、パブリックチェーンの処理能力だけでは簡単に限界を迎えてしまうかもしれません。

だったら、証券トークンをパブリックチェーンで発行しといて、取引はプライベートチェーン上に建てられた証券取引所で行えば解決しそうです。

他には、プライベートチェーンに改ざん性がないことをパブリックチェーンに定期的にアンカリング(改ざんしてないよという証拠の埋め込み)をするような連携も可能です。

パブリックチェーンは多種多様な使われ方をしますから、NEMエコシステムが大きく広く成長し多くの企業に使われるようになると想像してみてください。

それらが発するトランザクションの全てパブリックチェーンで裁かないといけないなら、処理が大渋滞し承認が遅延するとか、手数料が大きくなりすぎちゃうという恐れがあるので、利用している企業とその顧客にダメージを与え得るリスクがあります。

パブリックチェーンが成す透明化というのは推奨されても強制されるものではないと私は考えます。既存企業を引っ張り込むなら参入障壁が低いに越したことはありません。

なので必ずしもパブリックチェーンを使わなくてもいいところはプライベートチェーンで処理し、パブリックチェーンを使うべきところは適宜接続するという、いわばハイブリッドな使い方が出来る事で企業利用を促進できるような強みがSymbolブロックチェーンには備わっているのです。

経済圏を繁栄させるという意味では、企業がプライベートチェーンを導入するにしても、やはり何かしらの形でパブリックチェーンには必ず接続するような事例を強く期待したいですね。

2016年にmijinの次世代コアcatapultがNEMのパブリックチェーンと共通採用することが発表されました。

その当時からハイブリッドチェーンを実現することにより既存企業への導入が狙われていたものの、紆余曲折ありパブリックチェーンの方への採用には4年以上の月日を費やすことになってしまいましたが、その方向性にはブレがないことは再認識頂けるかなと思います。

お豆知識8
2020年9月にプライベート版製品の開発と販売を行うテックビューロ社が、アマゾンウェブサービス(AWS)が世界190カ国で提供するクラウドサービスプラットフォームのオンラインソフトウェアストア「AWS Marketplace」に、日本法人として初めてパートナー登録を完了した1社として、mijin Catapult (v.2)の無料トライアル版を提供することが発表されました。

Symbolローンチに合わせて、同製品の有料エンタープライズ版の追加ローンチも予定されており、その頃からハイブリッドチェーンとしての需要が増える起点になると思われますので、ユースケースが1つまた1つと世に出るに従って、その広がりが加速することが期待されます。

コミュニティ


この件についても触れておかねばならないでしょう。この分散型経済圏におけるコミュニティとはいったい何なのでしょう?いろんな解釈や感度があると思いますが、コミュニティの本来の意味は「利害が一致する人々の共同体」なので、その理解でいいと思います。

よって過去のNEM財団や現在のNEMグループは大きな先導団体で、それそのものは中央集権的な組織ですが、NEM/Symbol経済圏からしてみたら彼らもコミュニティの一部です。

ではコミュニティが最も守りたいものってなんなのでしょうか?分散型経済圏であるNEMへの興味関心の起源となっているのはズバリ通貨価値でしょう。価格が高いかどうかだけでなく使われてるかどうかも含めた通貨価値でしょう。

それがコミュニティが守りたいものなのです。ブロックチェーン技術のすばらしさだけに共感する共同体であればパブリックチェーンに固執する必要はないからです。

かつて、NEMの強みを語る時に「コミュニティが強い」を挙げる人もいました。しかし2018年に市場価格の崩壊がはじまってからというもの、(個人的な実感の範囲になりますが)熱が冷めた多くの人たちが距離をとっていきました。

それって強い?

「金の切れ目が縁の切れ目」とはうまいこと言ったもんだと思いますが、これは本当に仕方がないことで残念だが自然な現象なのでしょう。

おそらく、いろんなネガティブなことを経験しても良い意味で粘着を続けている人は、ビジネス面でも投資面でも利害が比較的大きなところにいる人か、NEMというパブリックブロックチェーンの可能性によっぽど見せられた人だと思います。

過去に危うい空気が流れた時には、声を出して異議や疑問を唱え続けた人たちがいました。本当の強さやポジティブとは、潜在するリスクにフタをして良いことだけに目を向けるのではなく、リスクを認識して受け入れた上でより良い方向を模索することです。

もし何か問題が発生した時に誰も声を上げなくなったらなら、そのコミュニティは衰退していると判断できると思います。なんだかやってることはイマイチであろうが通貨価値を引き上げるために尽力する人がいるのであったらば、そのコミュニティはまだ発展できる可能性があります。

なので、今のところNEMの経済圏の健全性は保たれているとは言えるでしょう。

多くの人が交錯するコミュニティってものの強弱や良し悪しを測るのは難しいので、もしそれを投資判断の材料にする時は、話題の広がりや情報の深みを意識するだけでいいんじゃないかなと思います。

独特な文化的発展を遂げている日本

NEMに対して最も熱量の高い国は日本です。

取引所のXEM保管量や出来高は圧倒的に日本が多いです。これは投機大国日本を味方にしているという意味では1つの強みであると考えます。

投資/投機的・思想的・技術的な関心の広がりはそこそこに、独特なのはロゴをグッズ可するとかアーティスティックなものと結び付けるなど、チェーンを使う使わないに限らず文化的な側面からファンが増えて来た歴史で、それは現在でもどこかの誰かが突発的に発信源になったりしています。

NEMと同じようにSymbolも大衆から理由なき愛を受けた自然ブランディング効果が生まれるかは疑問ですが、SymbolもNEMの一部なので固執することなくNEM文化圏で広がって、今後も楽しげな暗号資産を支持するエンジョイ層が増えてもいいのかなと思います。

不安な要素

さてここまでは必死に利点の捻り出しにイキリ立って書いてきました。じゃあ、NEM/Symbolに投資するにあたって不安な要素ってのは全くないのか?というともちろんあります。潜在するリスク、想定されるリスクはたくさんあります。

例えば、これだけ利点を挙げたとしてもなかなか話題が広がらないこと、そしてそれと連動し得ることですが出来高が底上げできないことです。私にとってはそれが一番の悩みどころです。

話題が広がらないどころか、後発チェーンに抜かれていってるのが現状ではないでしょうか。実用性という面ではまだ抜かれてないのが救いですが、NEMブロックチェーン上のトランザクション数だけを見ると抜かれたものが少なくないです。

前向きなことをいえば、話題性はプロダクトが増えればいずれ上がるでしょうし(無名企業との提携や投資案件は無意味とは言わないが話題性は伴わない)、出来高は暗号資産全体のトレンドに連れて上がることも十分に期待されます。

この記事執筆時点ではまだSymbolがローンチされていないのですが、プロのリングに上がったことがない喧嘩自慢で終わらないことを切に望みます。

あと、「Symbol」という名称が一般名詞すぎてググラビリティ(Googleで検索したときどれだけ上位に表示されるか)の面でかなり弱いというのもあります。これに関しては、例えば「LINE」のように一般名詞を越えて固有名詞のように昇格しているケースがあるので大きな異議はありません。

ただ、ブランディングという名の元で大風呂敷を広げた割には先導団体がまだほとんど何も対策できないのは結果を伴ってない事実です。コミュニティの意思をほとんど無視するような形で半ば強引に付けられた名称なのですが、決まってしまった以上は使っていく必要があるので、私たちにもそれを広げる余計なタスクが課せらてしまったのは否めません。

しかしながらですけども、固有名詞であったとしても、そのものの話題性や利便性や多様性が伴ってなければ埋もれてしまうのは同じなので、「シンボル」と聞いた時に「あぁ、あの有用なブロックチェーンですかね」となる日が来ればいいなと思います。少なくとも名前負けしないポテンシャルは十分にあると信じています。

開発面ではどうでしょう?Symbolはローンチ後も開発が続けられますが、ガチなコア開発者は3名ほどしかいません。その中でもジャガーさんが群を抜いてコードを書いています。もし彼らに何かよからぬ出来事が起こってしまったらと思うと不安しかないので、コア開発者が増えるようもっとSymbolが知られ、技術評価される必要があります。

私が思う不安要素というのはそんな感じですが、そこまで深刻だとは捉えてないのも正直なところ。価格が着実に上昇し流動性が増し、人の興味が注がれるようになりつつ、使われる機会が増えれば、すべて解決し得る要素ではあります。

まとめ

最後になりますがまとめていきます。全体的によくわかんなかった人はよくわかるまでは本気レベルでの投資はしない方がいいかもしれません。いや、よくわからなくてもそこはかとない可能性を感じたら一歩踏み出す勇気は必要です笑

ビットコインにしろイーサリアムにしろ、このNEM/Symbolにしろ、社会にはまだ浸透しきれていない、人類に与えられたばかりの新しすぎる技術と世界観 の選択肢なんですよね。

技術者やビジネスマンの人々もここらまで理解を広げつつ技術習得や採用に着手した方が良いんじゃないかなと常々思ってきました。

Symbolとは何なのかをまとめるとこうです。

●SymbolはNEMのアップグレード版であるが、異なるブロックチェーンとして稼働する。

●参加者(保有者やノード運用者など)全員によって生かされるデジタルな分散型経済圏である。特定の管理者は存在しない。

●ネットワークを保全するためのインセンティブ(報酬)設計がある。

●ハーベスティングという手段で誰でも自由にネットワーク保全に参加し報酬を得る機会がある。

●通貨の保有量/取引量/ノード運用の3つの要素で計算されたインポータンススコアにより公平かつ確率的な報酬機会がある。

●ノードを運用することでも金銭的メリットがある数少ないブロックチェーンである。

●Symbolというパブリックチェーン、mijinというプライベートチェーンがあり、それらにハイブリッドな相互運用性がある。

●既存の企業や技術者によるブロックチェーン技術の導入のしやすさを考慮されて設計/開発された、すなわち実用性要素が高い。

まとめると浅すぎてまとめない方が良かった笑

とはいえ、以上が私の考えるNEM/Symbolに投資をする優位性や特異性です。

あとがき

私が最初にこの沼地に足を踏み入れたきっかけは、某国内取引所のアフィリエイトバナーの掲載でした。当時はまったくと言っていいほど世間には知られておらず、そのような広告もほとんどなかったことを記憶しています。

「ビットコインなにそれ儲かるの?」といったノリで、まさに私が直感で得たのは「新しい投資の選択肢」でした。

当時は国内で仮想通貨チャートのテクニカル分析を公開しているような変人は皆無に等しかったと思うのですが、思い切ってそれをやってみたところ先人達に受け入れてもらってテンション上がったことを思い出します。

というよりも私がこの沼の輪にスムーズに入ることができたのは低いクソコラスキルだったのは間違いありません。この記事のタイトル画像モチーフになってる、沼の雰囲気を察知して生まれたビジュアル戦略的相場分析ツール「ヌマメーター」も然り。10年以上もデザイン畑にいた最大の成果がそれでダサいです。

トレードって感情を殺さないといけないし無機質的でお金が増えるか減るかだけで全然面白くないので、そっち方面から暗号通貨界隈いやNEM界隈にワロスを注入した功績だけは認めろ!

なんだかんだあって最終的にNEMに到達するのですが、最初の頃はイマイチ深みを得ることができてなかったのが正直な気持ちです。しかし、Catapultが何たるかを知るごとに底なしの期待という沼から逃れなくなっていきました。

そして再びなんだかんだあって、CatapultはSymbolという名前を名乗り新しいブロックチェーンで始まる形になりましたが、そのキャッチコピーは「Powering Possibility」ということになりました。これは良い言葉です。

この言葉の日本語的解釈はいくつかあるようなのですが、私は「あなたの可能性を後押しするもの」という風にダイレクトかつシンプルに捉えています。

「あなた」というのはビジネスマンだったり技術者だったり投資家だったりしてSymbolに関わる全ての「あなた」で、「可能性」というのが意外とボンヤリしてるんですが、「成功」や「目標達成」への可能性ですね。

Symbolというブロックチェーン技術が「あなた」の「可能性を後押し」し「成功に導く」存在になりますよ、っていう極めてわかりやすいメッセージです。

そんな可能性を求めて、不特定多数の人々がノードを運営し、不特定多数のXYM保有者がハーベスティングを行い、不特定多数の人がブロックチェーンに何か大事なことを刻みにきます。

そうなると、このデジタルな分散型経済圏の存在がとてもとても重要なインフラになります。ネットワークが止まってしまうと実社会でも打撃を食らってしまう人々が増えます。

失われた時のダメージが多いものほど価値が大きくなります。

NEM/Symbolが関わる人々にとってそんな存在になり、今日よりも明日を豊かにする新しいヒントを公平に与え続けてくれることを願っています。

4年以上もの長い間お世話になりました。私も長い人生のなかで最もと言っていいほど充実した4年になりました。それではみなさん今までありがとうございました。さようなら。

ってクソ儲かったら言いたい。また明日!笑

 - Symbol(シンボル), NEM(ネム) ,

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