ネットワークフライホイールを理解したらSymbolの視界が開けた話

 最終更新日2021/07/28 公開日2021/07/28    この記事は 約10分 で読めます。

これを読めば、NEM(NIS1)に欠けていたものがSymbolで補われ、それが完全な自律分散型な経済圏を成すために重要な施策だったことが実感できると思います。

それだけに留まらず、パブリックブロックチェーンに参加することでビジネスや投資を成功に導くため、今自分や自分たちがどの位置にいるのか再確認することもでき、平常心を養うヒントが見つかるかもしれません。

NEM/Symbolコア開発者チームのハチェット姉さんがツイッターで紹介していた記事ですが、内容がとてもスゥゥ~っとはいってきたので、機械翻訳に意訳とお豆コメントを織り交ぜながら和訳記事に仕立てたものを以下、紹介しますね。

----------

ブロックチェーンのビジネスモデルは、魔法のように思えるかもしれません。ブロックチェーンを動かす暗号通貨になぜ価値があるのか。どのようにして価値を得ていくのか?また、どのように守っていくのか?次の「ネットワーク・フライホイール」と呼んでいるものに、その答えのヒントがあります。

フライホイールとは日本語で「弾み車」と言いエンジンの回転をスムーズに維持するパーツだそう。そういうイメージで覚えて読み進みてください。

従来、ビジネスにおける防御可能性は、新技術、ユーザーの個人情報、重要なパートナーとの関係、資本資産、流通チャネル、さらには原材料など、優位性をもたらす何らかのリソースへの特権的なアクセスに依存していました。

しかし、ブロックチェーンの特徴の一つは、すべてがオープンソースであり、パーミッションレス(誰でもアクセス可能な状態)であることです。ブロックチェーンを構成するコードは誰でも自由に読むことができ、その機能はインターネットに接続していれば誰でも利用することができます。

定義上、正しく設計されたブロックチェーンは、"追い詰められたリソース"の恩恵を受けることはできません。ブロックチェーンが非中央集権的であるということは、ブロックチェーンを一方的に支配したり、巨大な力を持ったりする小さなグループが存在しないことを意味します。

言い換えれば、ブロックチェーンがブロックチェーンであるためには、特権的なチームや人々は存在し得ないということです。

追い詰められたリソース(cornered resource)てなんや…と思って調べたら、外部が簡単に真似できない特殊スキルをもった内部チームとかそういう力を言うんだそう。もっと深く飲み込んでみたい人はこちらで詳細をどうぞです。

つまり、もしあなたが創業者であるなら、製品を構成するコードを1行残らず提供することが可能であるというのは、ほとんどパラドックスのようなものであり、あなたが始めたムーブメントのコントロールを譲っても、創造した価値の一部を獲得することができるのです。

このパラドックスを解決するには、適切に設計されたブロックチェーンには強力なネットワーク効果を持つ多面的な市場を生み出すインセンティブ構造が組み込まれているという事実があります。ブロックチェーンの防御可能性は、コードそのものではなく、コードが作り出すネットワークに由来します。

これは創業者に向けたメッセージになりますが、このフライホイールを完成させることができれば、本来なら創業者の譲り難き財産であるプログラムのソースコードをオープンに提供していても、創業者はそこから価値=利益を受け続けることができると。

それには参加者へのインセンティブ構造が重要で、それがネットワーク効果(ユーザが増加することでそれ自体の効用や価値が高まる効果)を生み出せばブロックチェーンのセキユリティも維持されると。→改めてスゴい設計だ

では、どのような仕組みになっているのでしょうか?

すべては創業者あるいはそのチームから始まります。彼らは、分散型ネットワークの新しいビジョンを世界に向けて発信することで、フライホイールに火をつける存在です。

そのビジョンが十分に説得力のあるものであれば、その周りにコミュニティが形成され始めます。プロジェクトはムーブメントとなり、その過程でコアとなる開発者チームが加わり、プロトコルの構築を開始します。

この界隈でよく出てくる重要ワード「プロトコル」、これはそのブロックチェーンでやりとりを行うために定められた約束事と理解しておけばいいでしょう。

この時点で、プロジェクトに十分な勢いがつき、ネットワークのトークンに最初の金銭的価値がつくかもしれません。これは、プロトコルの開発がまだ完了していなくても、コミュニティが外部の金融資本を参加させることができるためです。

「コミュニティが外部の金融資本を参加させることができる」→投資ってことですね。
私はこれが可能でなければパブリックなブロックチェーンプロジェクトは現在のような勢いは出ていないと確信します。

NEMはここまではなんとかうまくいきました。ビジョンに支えられた数多くのポエムに支えられる形で。

しかし、トークンの初期値が重要なのには2つ目の理由があります。プロトコルが完成すると、トークンは異なる種類の参加者であるマイナー(または、PoSではバリデーターと呼ばれる)のインセンティブとして機能し、ネットワークの供給側を立ち上げるのに役立ちます。

NEM/Symbolでは、マイナー=ハーベスター、バリデーター=ノード運営者って脳内変換して読み進めてください。

NEMではここが実はうまくワークできていないのに、次のフェーズ「有用性のあるアプリケーション」が求められすぎたのが欠点だったと分析します。

インセンティブがまともかつ安定的に得られるのは300万XEM以上を保有する特定層に中央集権的な施策として限定され、広いハーベスター層がプロトコルから得られる報酬は非常に小さいものでした。これはネットワークが利用される機会が極端に少なかったからです。

マイナーとバリデーターは、プロトコルからの報酬と引き換えに、ネットワークの機能性とセキュリティを実現するための生産資本、すなわち計算資源を提供する人たちです。

Symbolにおいては、インフレ報酬という形でブロック内に固定報酬(但し四半期ごとに減少)が組み込まれ、ノード運用者が委任として接続してくるハーベスターの収穫から25%の受益報酬を得られます。これがプロトコルに組み込まれたことで、ノードの数がローンチから僅か数ヵ月間でNEMの4倍以上に分散しました。

このネットワーク・フライホイールを語る上で、Symbolが次のフェーズへと成長できる基礎が再構築されたのは間違いないでしょう。

その後、機能性と安全性を兼ね備えたネットワークは、サードパーティの開発者がその機能を活用して有用なアプリケーションを構築するためのプラットフォームとして機能し始めます。

SymbolはAPIというものを使用することで、学習コスト低く、より多くの人がアプリを作るのに活用しやすい環境になってるのが1つの優位性です。

例えるなら、「トンカツ定食」を作る時、イーサリアムならそれぞれの材料を仕入れて作り始めるところ、Symbolでは味噌汁とご飯と漬物とおかず一品とメインのトンカツ(大盛りキャベツ付き)をトレーにセットするだけで完成する、みたいなところです。

Symbolでは「プラットフォームの機能性」改善がワークし始め、ようやくこのフェーズに入ることができたと感じます。実際、特に日本の有志ら発で様々なアプリケーションがローンチされたり、開発計画され始めています。この現象はNEMではあまり多くは見られませんでした。

そして最後に、ここが正念場となるところです。これらのアプリケーションは、トークンの需要を喚起するエンドユーザーに実世界の価値をもたらし、コミュニティの一員となることで、プロトコルの中心にあるビジョンを強化します。そして、これでフライホイールが一周したことになります。

Symbolが作るネットワーク・フライホイールはまだこの正念場には到達できていません。これからはここを見ることになるでしょう。

コミュニティが大きくなれば、トークンの需要が高まり、マイナー(ハーベスターやノード運営者)がネットワークの機能をサポートするインセンティブが強化され、開発者が有用なアプリケーションを構築することが促され、ユーザーにも有用性がもたらされ、ユーザーはコミュニティにフィードバックします。

理想的!
平たくいうと、インセンティブの力がデカいということです。世の中に給料なしで喜んで働く人なんかいませんよね。それは非中央集権型ネットワークでも同じことです。

そして、そのインセンティブが実世界で価値をもたらすため、現代においては、法定通貨との交換が非常に重要であることも見えてくると思います。

これらの素晴らしい点は、フライホイールが動き出し、エネルギーが臨界点に達すると、設立チームは一歩退くことができることです。完全に分散化されたプロトコルは、それ自体が生命を持つようになります。

ネットワークがうまく設計されていれば、プロトコルのコミュニティを構成するユーザー、サードパーティの開発者、マイナー/バリデーター、投資家が、ネットワークの制御と所有権を持つことになります。

これがこの暗号通貨ネットワークが自律分散的に回転しはじめるスタート地点になります。

コア開発者やコアチームがいなければ回らない状況はまだまだです。NEMがSymbolへと脱皮することで、このネットワーク・フライホイールが回り始める兆しが明らかに見えていると思います。それにはここに参加する全員の力が必要とされるでしょう!

 - Symbol(シンボル), NEM(ネム)

  著者プロフィール